008)論説の最近のブログ記事

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例年、JRAの開催がない年末年始は地方競馬にとっては書き入れ時である。
大晦日の12月31日(水)は、
開催があった5つの競馬場全てで重賞競走が組まれていた。

同様の事は競馬以外の公営ギャンブルにも当てはまる。
各競技で「年末の大一番」が行われていた。
例年はKEIRINグランプリの車券しか買わないのだが、
2014年の年末は何年かぶりに競艇の舟券、オートレースの車券も買ってみた。
正直、出場選手についてはあまり良くわかっていない。
だが見るべき「数字」は知っている。
その「数字」を知っていれば、「お遊び」程度に楽しむことは出来る。
この年末はこうした競馬以外の公営競技を見ることで、
いくつか新たな発見をする事が出来た。

もちろん競馬が一番楽しいが、
久しぶりに買った競輪、競艇、オートレースも、それぞれの競技特有の楽しさがあった。
そんな楽しさを味わいながら、ふと考えた事がある。
そんな話を書いてみたい。

2013年の夏、参議院議員選挙が行われた。
この参議院議員選挙は「インターネットによる選挙運動」が解禁されてから
初めて行われる選挙だった。
この時、当サイトでは比例区に届け出があった各政党に、
管理人である私・菅野が個人的に主張し続けている
「中央競馬・地方競馬の一体化」について、
インターネットを通して、その意見を求めてみた。
回答を頂くことが出来た政党もあり、その回答を当サイトで掲載する、
といった事もやってみた。

昨年末の衆議院選挙でも同様の事をやろうか、と思ったが、
この時は私の個人的な事情もあり、企画を実施する事は出来なかった。
しかし、各政党に質問してみたい事が一つあった。
それは一部の国会議員によって「合法化」「導入」が進められている
「カジノ」についての質問である。

「国内に外国人旅行者を多数集め、その経済効果を高める為にも、
ギャンブル施設は必要だ」

私はこの意見には賛成だ。
だが、同時に思う。
日本国内には既に「競馬」「競輪」「競艇」「オートレース」といった、
国や地方自治体が主催者となることにより、
開催が合法となっている公営ギャンブルがある。
この4つの公営ギャンブルはそれぞれに楽しさがあり、固定ファンも存在する。
ならば、どうしてわざわざ「カジノ」などという新たなギャンブル施設を
国内に持ち込まなければならないのだろう?
既にある公営ギャンブル場をより魅力的なものにして外国人旅行者にPRする。
どうして、そんな発想がないのだろう?

納得出来ないのは、
「カジノ導入」を推進したい人たちが「合法化」について、
「競馬だって認められているじゃないか」といった形で
既存の公営ギャンブルを例として持ち出す点である。
導入反対派が懸念する「ギャンブル依存症」の問題についても、
「ならば競馬はどうなのか?」「それでは競輪は・・・」といった形で、
例えとして既存の公営ギャンブルを取り上げる。
その競馬・競輪・競艇・オートの現状を彼らは見た上で発言しているのだろうか?

長期化する景気低迷に伴う売上減の問題もある。
競馬における「中央競馬と地方競馬」や「地方競馬同士」に象徴されるように、
お互いがパイの奪い合いをしている現状もある。
2013年3月に廃止になった福山競馬場では、
その日のレースが終わり、正門を出ると目の前に、
西日本各地の公営ギャンブル場がそれぞれの開催日程をPRする看板がズラリと・・・、
などという光景が広がっていた。
それぞれの競技同士も競合関係にあるのだ。
こうした無秩序な競合がそれぞれの主催者における経営体力を弱め、
選手(騎手)や関係者の生活を困窮させる。
こうした現状にメスを入れることなく、
「カジノ」という新たな競合相手を無計画に加えるというのは、
果たして国会議員がやるべき仕事なのだろうか?

だが一方で政治に頼ってばかりもいられない。
「公営ギャンブル」に関わる話は、選挙でなかなか「票」と結びつかない。
結局はそれぞれの競技がそれぞれの立場で、
その競技の魅力を高める努力をしなければならないのだ。
「どうしてカジノを・・・」ではなく、
「カジノ導入」という発想を許した自らを反省すべきなのかもしれない。
私は「競馬Webサイト管理人」なのだから、
「競馬」について自分に出来る努力をしなければならないのだろう。

「どうしてカジノじゃなきゃダメなのですか?」

そんな問いかけをし続ける必要はあるだろう。
一方で同時に「カジノなんかなくても、代わりに競馬があるじゃないか」
という評価・評判を世間から得られるような競馬を追い求めて、
私なりに悪戦苦闘を続けなければならないのだろう。
2015年のスタートに、そんな事を考えてみた。

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競馬関連サイトなのだから
新年ぐらいは明るい競馬の話を書きたい。
残念ながらだがそうならないのが
2011年の競馬だったような気がする。
そんな暗い話になってしまう点、
そして長文となる点を冒頭でお詫びしたい。

きっかけは東日本大震災だったのかもしれない。
だがその被災地支援・震災復興に向けた取り組みの過程で見えた
日本の競馬において、
力を持っている人達が考える
「残すべきもの」「切り捨てるべきもの」
の区分けというものが存在することが、
はっきりしてきた感がある。
「心をひとつに」「絆」といったキーワードと共に行われた
被災地でもある岩手競馬の支援体制。
10月10日(月・祝)に東京競馬場で実施するという、
震災前には想像も出来ない形で行われた
マイルチャンピオンシップ南部杯は、
その象徴とも言える出来事だった。
だがこうして「岩手競馬を存続させなけれなばならない」
という雰囲気が高まる一方で、
荒尾競馬が廃止になるという別の流れを
誰も食い止めることが出来なかった。
守るべきは「岩手競馬」だけだったのか?
「荒尾競馬」は「心をひとつに」「絆」の対象ではなかったのか?
この疑問に明確に答えることが出来る人はいない。
「岩手競馬」は「残すべきもの」で、
「荒尾競馬」は「切り捨てるべきもの」
という判断を下した権力が存在していた結果なのだろう。

中央競馬においても
「残すべきもの」「切り捨てるべきもの」の判断が下されたことは
今年2012年の開催日程を見ても明らかだろう。
ローカル開催の日数が減少している。
私は2010年7月に日記でこんな話を紹介した。


ここ数年のうちに議論になると思われます(競馬Webサイト管理人の活動日記) 


この中で取り上げた
タクシーの運転手さんが教えてくれた話は
「あり得ない話」ではなかったようだ。

「春の福島競馬開催の時にJRAの職員の人を
乗せたのですよ。
その人に言わせると、
福島競馬が現状のままの売上、来場者数が続くようだと、
10年後には無くなってるかもしれないらしいですよ。」


JRAも「規模縮小」がテーマとなりつつある。
かつて私は地方競馬の存廃問題について語る時、
「中央競馬」「地方競馬」の区分けを意識した発言をしていたが、
もうこの区分けをすること自体がナンセンスになりつつあるようだ。
現実の競馬も年末にオープンした
川崎競馬場内のJRA場外発売所のように、
「中央・地方の共存」といった方向に向かいつつある。

だが私はあえて言いたい。
今、求められているのは「共存」なのだろうか?
私は「共存」ではなく、「一体化」だと考える。
つまり中央競馬も地方競馬も
同じ組織による運営とすべき時期に来ているのではないだろうか?
その組織はJRAになるべきなのか、
あるいは組織を再編して新たな主催者団体を立ち上げるべきなのか、
どちらが正しいのかはわからない。
だが美浦の人馬も、栗東の人馬も、
岩手や大井、高知など現在の地方競馬の人馬も、
日本中のどの競馬場のレースにも出走出来るようになる。
ファンはどの競馬場・場外発売所にいても
日本中のどの競馬場のレースでも馬券を買うことが出来るようになる。
そして競馬場の運営に関わる地方自治体はその競馬場だけではなく、
日本ダービーや有馬記念を含めた全ての競馬における収益について、
一定の割合に相当する分を受け取ることができる。
あり得ない「夢物語」に過ぎない
と思われる話のような印象があるかもしれない。
だが「競馬」という文化が残すためには
この道しかないように私には思える。

「一体化」することにより、
その効率化の観点から
競馬の世界を離れなければならなくなる人も出てくるだろう。
だがよく考えて欲しい。
例えば一人の騎手が引退を余儀なくされる理由として、

A:所属していた競馬場がなくなるから

B:勝ち星・騎乗馬が減ったから

のどちらがあるべき姿だろうか?
Bは競馬が本来持っている「勝負の世界の厳しさ」によって
淘汰されるケースである。
撤退を余儀なくされる者は気の毒だが、
「実力のある者が残る」という点においては
当然の事のように思える。
ところがAはその人の実力とは無関係に切り捨てられる可能性があり、
日本の競馬界における財産とも呼べる人材をも失う危険性がある。

競馬場によっては
自治体運営の頃よりも開催日数が大幅に減少するところも出てくるだろう。
高知競馬場などは現状の10分1になってしまうかもしれない。
だがその競馬場だけではなく、
日本中の全ての競馬場における収益の合計額からの一定割合を
手にすることが可能となるのだ。
「単年度で赤字運営の場合は廃止」といった議論から
解放される可能性もある。
「一体化」によって賞金水準も全国統一となることによって、
競争を勝ち抜いた厩舎関係者の中には
現状よりも収入が上がる者も出てくるのではないだろうか?

数字上の厳密なシュミレーションをしている訳ではないが、
今行われている「競馬場単位での切り捨て」による規模縮小よりも、
「一体化」による規模縮小の方が
「あるべき日本競馬の姿」に近づいているように私には思える。

正月休みの間に普段は足を運ぶことが出来ない地方競馬場で
レースを楽しんでいる人もいるだろう。
5日(木)の中山金杯・京都金杯までは
「競馬はお休み」という人もいるだろう。
どちらの人も是非ともこの正月休みの間に
「あるべき競馬の姿」を考えてみてはいかがだろうか?

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荒尾競馬を主催する荒尾競馬組合は7日(水)、
公式サイトトップページに
「荒尾競馬組合における競馬事業廃止について」と題した
挨拶文を掲載、
荒尾競馬の廃止を公式に発表した。
廃止時期は本場での開催については
「事情が許す限り」今年の12月23日(金)とし、
他地区の場外発売については来年3月末まで実施する予定。
2012年度以降の他地区場外発売については
関係機関との協議の上、
決定する意向とのこと。

荒尾競馬については
荒尾市の前畑淳治市長が5日(月)の市議会で
「廃止」を表明していたが、
荒尾競馬組合から「廃止」の公式表明があったのは
これが初めてとなる。

荒尾競馬公式サイト

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昨年、福山競馬の存廃問題が、
地元紙などで大きく取り上げられたことがあった。
当時、私はTwitter上で楽天競馬にこんな質問をしたことがあった。

「福山競馬の馬券販売に関わる立場として、
今回の事態についての見解をお聞かせください。
また何らかの行動を起こす予定はありますでしょうか?」
 
彼らは私の質問には答えなかった。
代わりに彼らはこんな内容のツイートを残した。

「福山競馬のレースや場内グルメ、
周辺の観光スポットの紹介などを通して、
福山競馬の魅力を伝えていきたいと思います」 

このツイートが「日替わりライターブログ」
を書かれている方々によるものであるとしたら問題はない。
素晴らしい意見ではないかと思う。
楽天競馬も「地方競馬関連の情報発信」という役割を担っている。
その立場から考えれば、
こうしたツイートを残すことは間違いではない。
だが彼らには、もう一つ別の立場がある。
それは「福山競馬の馬券を売る」立場である。
その観点から見れば、
「競馬の魅力を伝える」だけではない、
ある一定の責任が彼らにはあるのではないか。
その責任についてどう考えているのか?
当時は全く見えてこなかった。
この点は今回の荒尾に関しても変わらない。

オッズパークブログで元高崎競馬所属騎手の赤見千尋さんが
自らの経験を基に、
荒尾競馬の厩舎関係者の方々が置かれている状況を
的確に指摘されている。


荒尾競馬廃止。(赤見千尋のRed View-オッズパーク)


赤見さんが騎手引退を余儀なくされた高崎競馬、
そして宇都宮競馬の廃止以降、
地方競馬を取り巻く環境について、
大きく変化したポイントが一つある。
当時も「D-net」という、
インターネットによる在宅投票システムは実在した。
その「D-net」を民間参入の形でオッズパークが引き継ぎ、
コンテンツの充実を図っていった。
更にオッズパークに楽天競馬という、
競合する民間参入のサービスもスタートした。
荒尾を含む各地の地方競馬において
「インターネットによる馬券発売」は、
厳しい経営環境の中でも「プラス材料」の要素であった筈。
この点について、

「北関東廃止とは違い、
今はインターネットによる馬券発売システムが整備され、
ネットによる発売は伸びているのに・・・」

という話が今回の「荒尾廃止」に関連して
競馬メディア関係者から出ないのは何故だろうか。
一部で指摘される販売手数料の問題が関係しているからだろうか?
この件について、
かん口令が存在するかのように
誰もが口を閉ざしている点が気になっている。
競馬メディア関係者の中で
地方競馬の情報発信に関係する仕事をしている人の多くが、
何らかの形でオッズパークや楽天競馬と関係しているからなのだろうか?
民間企業である以上、
「手数料」の存在は当然のことであるが、
その「手数料」の割合や、
「手数料」を利用した広報活動のあり方については
議論があっていい筈ではないだろうか?
前述の楽天競馬のTwitterを見ているといつも感じることがある。
情報発信や販促企画を行う地域に偏りがあるのではないだろうか?
手数料収入の差や主催者の考え方の違いが
偏りを生じさせる原因となっているのかもしれないが、
こうした点も本来なら議論になっていい筈だ。

もし本当に「かん口令」が存在するとして、
その理由がばんえい競馬のように
「楽天が経営参画する形で荒尾競馬は存続」といった
「ウルトラC」級の話なら歓迎したい。
だが赤見さんの指摘から判断して、
その可能性は極めて低いと言わざるを得ない。
厩舎関係者の方々にそこまでのモチベーションが残っているとは考えにくいし、
外部の者がそれを強いるのも申し訳ない状況なのだろう。
ならば今回の「荒尾廃止」を機に、
「インターネット販売」のあり方を議論する必要があるように思える。
「地方競馬の救世主」的な存在だった
オッズパークや楽天競馬が、
荒尾競馬を救うことが出来なかったのだから。
そしてこのままでは
更に廃止に追い込まれる地方競馬が存在する可能性もあるのだから。


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27日(日)の阪神6Rにおける走行妨害での
降着・騎乗停止処分を受けた幸英明による不服申立てが、
2日(水)にJRAでの裁定委員会で棄却された件について、
当該レースにおける「被害馬」に騎乗していた藤田伸二が
自らのブログでこの件について3日(木)付で言及している。

ブログによると、
レース後にパトロール室に呼ばれた藤田は
裁決委員にその被害の程度について
「たいした事ではない」と説明。
幸にも降着になるほどの状況ではない、
と話したとのこと。
ところが降着・騎乗停止という決定に
「被害者」の立場である藤田自身も
かなり驚いたと書かれている。

藤田はブログの中で
2日(水)の裁定委員会の後に
幸と連絡を取ったことも明かしている。
裁定委員会には元騎手の岡部幸雄氏も
外部委員として出席していたが、
岡部氏からは何一つ意見は出なかったとのこと。
そして裁定は幸を退室させ、
役職員だけで「棄却」の決定を下したとしている。
この様子について藤田はブログの中で、
この裁定委員会について
『「幸ただ1人対競馬会役職員5名の「幸を落ち着かせる会」』
と表現している。


裁定委員会(藤田伸二の男道)


日本騎手クラブ会長の武豊も
この件について公式サイトでコメントを残している。
この中で武豊は幸が日本スポーツ仲裁機構に仲裁を求める場合、
日本騎手クラブ会長として、また個人としても、
幸を支える考えを表明している。


毎日考えなければいけないことばかりです(武豊オフィシャルサイト)


尚、複数のスポーツ紙の4日(金)付報道によると、
幸英明はこの件について
日本スポーツ仲裁機構も含めた外部機関への申し立ては
現時点では考えていない、としている。

----------------------

JRAは2008年のオークスにおける
トールポピーの進路の取り方における裁決結果が問題となった直後、
公式サイトで「走行妨害」の定義について説明している。
その説明については、
現在も公式サイト内に掲載されている。


走行妨害及び制裁について(JRA公式サイト)


こうした裁決の問題が発生する度に、
騎手をはじめとする関係者や競馬メディア、
更にファンから「走行妨害」の「定義・基準」についての議論が発生する。
しかしその「定義・基準」を個々の事例に当てはめた場合にどうなるのか?
が問題なのであって、
「定義・基準」そのものではないのでは?
と最近考えるようになった。

「審議ランプ」が点いたレースについては現在、
レース直後にパトロールビデオが公開されることになっている。
しかし本当に公開すべきなのは
そのパトロールビデオが公開された個々のレースについて、
裁決委員の間で「走行妨害の基準・定義」と
照らし合わせて交わされた、
議論の内容ではないだろうか?
騎手らに事情聴取している場合は、
その過程についても公開すべきだろう。
こうした情報の公開なしにパトロールビデオを見せられても、
何の意味も持たないと考えられる。

もし公開に時間がかかるのならば着順・払戻金発表後、
当日の夜以降に公式サイトや
翌日以降レーシングプログラムで公開する方法でも構わないと思う。
協力を得られるのであれば、
直後に発売される「週刊競馬ブック」「週刊ギャロップ」や
スポーツ紙等での公開という形でも構わないと思う。
問題はこうした裁決結果によって
「これでは騎手なんかやっていられない」という騎手や
「こんな裁決では馬券を買う気になれない」
というファンが出ないことが大切なのだ。
今回のように「不服申立て」による裁定委員会でも同様だ。
藤田伸二が指摘する
『「幸ただ1人対競馬会役職員5名の「幸を落ち着かせる会」』
ではないことをJRAは証明する必要がある。

この件について幸英明は
日本スポーツ仲裁機構へ持ち込む考えはないと報じられている。
競馬サークル内での改革を望みたい考えのようだ。
だがかなり困難なことのように思える。
武豊も先に紹介した公式サイト内で触れている通り、
「不服申立て」をしても結論が変わらないのが現状なのである。
裁定委員会が開かれていた2日(水)の昼間、
後藤浩輝は自身のツイッターで
まだ結論が出ていない時間帯に「裁決が覆る可能性」について
否定的な見方を示していた。

これは体質的な問題なのかもしれない。
今回の幸英明の件は発生する前日の26日(土)に
小倉で「油断騎乗」により騎乗停止処分を受けた黛弘人が
「競馬LAB」内でその騎乗について黛自身がコメントしている。


現役関係者コラム|トレセンLIVE|黛弘人騎手|3月3日(競馬LAB)


この記事について、
内容よりも非常に気になった点がある。
それは文末のこの記述である。

「尚、このブログで今の私の気持ちと今回の件の経緯について書かせて戴くことは、
JRAの裁決委員の方に許可を戴いております。」

ネットも含めたメディアに記事を書くのに、
どうして裁決委員の許可が必要なのか?
JRA内において「裁決委員」は神格化された存在なのかもしれない。
だから裁定委員会の外部委員に岡部幸雄氏がいても
何も変わらないのだろう。
こうした組織の中での「改革」は困難なことのように思える。
日本スポーツ仲裁機構などの外部機関を通した方が
近道のように思えるのだが・・・。

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2010年8月16日(月) 盛岡競馬場

盛岡競馬場は天候回復

馬場状態

朝、盛岡に到着した時は雨が落ちていました。
しかしレースの頃には天候は急速に回復、
夏の日差しが降り注いでいました。
馬場状態ですが、
ダートコース・芝コースともに朝は重馬場でしたが、
8R以降は稍重に回復しました。

この日のメインレースは
夏のダート6ハロン戦での熱き戦い、
クラスターカップ(Jpn3)。
上位人気馬をご紹介します。

サマーウインド

1番人気はサマーウインド(JRA)。
今年は根岸S、そして前走のプロキオンSで
いずれも2着。
昨年、道営からJRAに復帰して以降は
連を外していません。
その活躍ぶりがこのレースでも高く評価されました。



 
ミリオンディスク

2番人気はミリオンディスク(JRA)。
6月の北海道スプリントカップを制して以来の
実戦となります。


ガブリン

3番人気はガブリン(JRA)。
今回は地元岩手の菅原勲が手綱を取ります。


向正面

レースはサマーウインドが好スタートを決めてハナに立ちます。
ミリオンディスク、ナカヤマパラダイス(大井)が
続く形となりました。


3~4コーナー中間

4コーナー

3コーナー過ぎから古豪メイショウバトラー(JRA)が
果敢に前に上がっていき、
4コーナーでは先頭に。
場内が一瞬どよめきました。


サマーウインドが再び先頭に

サマーウインドが先頭でゴール

しかし、地力ではやはり上位人気馬の方が上でした。
直線で再びサマーウインドが
メイショウバトラーを交わして先頭に。
そのまま後続との差を広げていきます。
ゴール板を先頭で駆け抜けたのはサマーウインド。
鞍上・藤岡佑介はゴール板手前で
既に手を上げていました。
2着にミリオンディスク、
3着にメイショウバトラーが入り、
ガブリンは4着に敗れました。

レース結果(NAR公式サイトより)




サマーウインドと藤岡佑介

サマーウインド


両手を上げて声援に応える藤岡佑介

表彰式

勝ちタイム1分8秒9は
盛岡・ダート1200メートルのコースレコードとなります。
これまでのレコードタイムは
ディバインシルバー(JRA)が2003年の
クラスターカップでマークした1分9秒8。
この大幅なレコードタイム更新を見る限り、
このサマーウインドの勝利は完璧なものであったと
言えるような気がします。
JBCスプリントへと繋がるダート短距離戦線に
面白い存在が出現したと言えるでしょう。


ところでこの優勝したサマーウインドのオーナーは
ヒダカ・ブリーダーズ・ユニオン。
いわゆる「一口馬主」のクラブ法人です。
恐らく出資している会員さんの中にも
この日、盛岡競馬場に足を運んだ方が
いらっしゃることでしょう。
中には初めて盛岡競馬場に来た、
という方もいらっしゃるかもしれません。
もちろん、同馬とは関係なく、
このレースに出走したJRA所属の人馬を
応援に初めて盛岡競馬場へ、
というケースもあるかもしれません。
この日の岩手競馬とその関係者たちは、
果たしてこうした人達に、
「また盛岡に来たい」と思わせる取り組みを
何かやっていたでしょうか?

私にはとてもそんな取り組みが
行われているようには思えませんでした。
ただ普通に普段通りの下級条件戦が
組まれているだけの1日でした。
「未来のメイセイオペラ」が走るかもしれない
2歳馬戦もありません。
クラスターカップ以外に全く見どころのない
1日でした。
そのクラスターカップにしても
地元岩手馬の出走は僅か1頭。
(本当は2頭でしたが、
1頭は競走除外になりました)
もっとも出走していても
岩手の馬が1分8~9秒台の競馬が出来るとは
とても思えませんので、
見どころにはならないのかもしれませんが。

岩手競馬に感じられない「取り組み」の
参考例を一つ紹介します。
この前日に帯広競馬場で行われた
ばんえいグランプリの現地レポートで、
スピードスター賞、
スピードトライ賞というレースを取り上げました。

7Rスピードトライ賞

(スピードトライ賞)

スピードスター賞

(スピードスター賞)

斤量を普段のレースよりも軽くすることで、
スタートからゴールまでノンストップのレースを展開し、
その「スピード」を競い合うことを目的に考えられたレース
ではないかと思われます。
私個人はばんえい競馬というものは
スピードよりもパワーを競うものだと思っていますので、
こうしたレースの存在は少々違和感を感じます。
それでもばんえい十勝を評価しなければならない点が
あるように思えます。
そして、ばんえい競馬の新たな一面をこうしたレースによって
何とか引き出そうとしている点。
そしてその試みをお盆休みで
普段は足を運ぶことができない人たちの前で
披露している点。
主催者のチャレンジ精神を感じました。

こうした意気込みが
この日の岩手競馬関係者に
あったでしょうか?
盛岡競馬場には他の地方競馬にはない
「芝コース」という大きな武器があります。
ところがこの日、
芝コースで行われたレースはわずか1レース。
ダート主体の地方競馬において、
競走馬の新たな可能性を引き出すケースもある
芝コースでの競馬を、
岩手競馬は増やそうと取り組んだことがありました。
しかし、その取り組みは今、
どうなってしまったのでしょうか?
いつもとは異なる競馬ファン層が足を運ぶ
ダートグレードレース当日にこそ、
こうした「岩手競馬の多様性」を
見せるべきなのではないでしょうか?
もちろん、芝コースの競馬でなくても構いません。
新たなファン層を獲得できる可能性のある日に、
何らかのアピールをやっていたでしょうか?

岩手競馬の広報・広告戦略にも
疑問があります。
私のサイトは岩手では比較的、
見てくださっている方が多く、
盛岡・水沢両競馬場に行くと
岩手競馬について様々な意見を
語ってくださる方も何人かいます。
今回、あるベテランの競馬ファンの方から、
岩手競馬のPR関連のメディアに登場する
ある出演者について、
こんな不満の声を聞きました。

「血統やレースの展開等、
競馬に関して深く学ぼうとする気が感じられず、
ただワーワー騒いでうるさいだけ。
あんな情報を参考に馬券を買おう、
などという人がいる筈がない。
カネと時間の無駄だ。」

「競馬について深く学ぶ」という点については
私も人の事は言えない部分がありますので、
あまり言及しません。
しかし、この出演者がダートグレードレースや
地方競馬における交流競走の際、
相手関係も全く考えずに、
やみくもに岩手競馬所属馬を「本命」とする姿勢には
若干の違和感を抱いていました。
これが本当に「岩手競馬の応援」になるのでしょうか?
かつて「参入」を目指した日本ユニシスにまで
指摘を受けた「レースで勝とうとしない」
馬主・厩舎関係者たちを甘やかす結果になっては
いないでしょうか?
こうした内容の広報・広告展開を
資金面等で支えている企業などにとっては
満足な内容なのかもしれません。
しかし普段、競馬場やテレトラックに足を運ぶ人たちは
こうした内容に疑問を抱き始めています。
その事を当事者の方々は理解されているでしょうか?

中央競馬でも、地方競馬でも
よく議論になる話として、
「競馬は誰の為にあるのか?」
というものがあります。
岩手競馬は果たして誰の為にあるのでしょうか?

A.馬主・厩舎関係者の為

B.協賛企業・馬券発売を受託している
インターネット関連企業の為

C.競馬関連メディアを中心とする
報道関係者の為

D.馬券を買うファンの為


今の岩手競馬はBにとっては満足できる
存在となっているような気がします。
A・Cには不満もあるかもしれませんが、
それでもベクトルは彼らの方に向いているように
私には思えます。
でもDについては果たしてどうでしょうか?

A・B・C、この3つがないと
もちろん競馬は成り立ちません。
しかしDも競馬を成り立たせるには
大切な要素である筈です。
そのことが岩手県競馬組合をはじめ、
岩手競馬に関わる人達は
本当に理解出来ているでしょうか?

私はこれまで2004年の
「岩手競馬のあり方懇談会」騒動以来、
岩手競馬の存続を応援し続けてきました。
それは岩手競馬に関わる多くの人達が
「競馬存続」の為に頑張っている、
それが理由の一つでもありました。
しかし今の岩手競馬は、
当事者たちがその「存続」の為に頑張っているでしょうか?
この点に若干の疑念を抱き始めています。
また再び岩手県議会、盛岡・奥州市議会で、
存廃問題が議論され、
存続が危うくなった場合、
私はこの「岩手競馬の存続」を支持することが
出来るでしょうか?
そもそも私は岩手県民ではありませんから、
語る資格すらないかもしれません。
しかし、盛岡・水沢でお会いする方々の
様子を見ていると、
「目の前で馬が走ってくれなくても、
JRAと南関東の窓口さえあれば、それで十分」
という声が大勢になる日が来るのも、
時間の問題ではないように、
私には思えます。



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地主側、岐阜県地方競馬組合側双方がようやく「和解」への道を
歩み始めた笠松競馬場土地明け渡し訴訟。
原告地主側が勝訴しても
笠松競馬が廃止となり、
他に使い道のない土地が返還され、
固定資産税だけが発生する。
そんな意味のない訴訟だっただけに
「和解」は当然の選択だったと思う。
だが、この訴訟を通して
考えなければならない点は残る。

そもそもこの訴訟、
「土地の明け渡し」が目的だったことを知らずに
参加していた地主が「目的」としていたものは
「賃料の引き上げ」だった。
つまり、多くの地主は「賃料」について、
組合側に不満を持っていたということなのだろう。
「競馬存続」のために強いられた「痛み」、
その「痛み」はいつまでも抱えたまま、
という訳にはいかない。
その先に「明るい展望」があるからこそ、
耐えることが出来る「痛み」なのだ。
「明るい展望」を誰も示すことが出来ずにいるのが現状だ。

「競馬場以外に使えない土地」
これは途中で訴えを取り下げた地主を見ても分かるとおり、
今回の「和解」の大きなポイントになった。
恐らく、今後の「競馬存続」を考える上でも
大きなポイントになるだろう。
だが、この1点ばかりが「存続」の根拠として
意味を持ち続けるようだと、
仮に笠松競馬がこの先、10年、20年と存続したとしても
その「笠松競馬」という存在は地元で「悪者」扱いを
受けるものに変わってしまう可能性もある。
「地方競馬は存続させるのも地獄。
廃止させるのも地獄。」
かつて上山競馬が廃止となった時、
色々な人から聞かれた言葉である。
笠松の場合、
この地主側から見れば「廃止」でやってくる「地獄」の
リスクが大きい。
だから「存続」という「地獄」を選ぶ、という話なのかもしれない。
でも「存続」も「地獄」なのだとしたら
それは悲しむべきことだ。
「競馬好き」にとって
「競馬」が「悪者」「地獄」呼ばわりされるのが
耐えられない話であるのは言うまでもない。
だが「競馬好き」ではない人にとって
「悪者」「地獄」が地域に存在するというのは、
「競馬好き」以上に全く理屈に合わない話に
感じられるものなのではないのか?

大事なことは「地獄」をどうやって「天国」に変えるか、
を話し合うことである。
これだけ経済情勢が冷え込んでいる中、
この議論をするのが困難な状況なのかもしれない。
だが今回の訴訟に関する一連の報道、
そしてこの訴訟とは無関係に馬主や厩舎関係者、
更に地元ファンなどから直接的、あるいは間接的に
聞こえてくる話の中に、
ある一つの共通点が浮かび上がってくる。
それはこんな嘆きだ。

「岐阜県地方競馬組合は我々の意見、提案を
しっかり聞いて、運営に役立てようとしていない。」

私は地元の人間ではないのでその現状については
あまりよく知らない。
だが多くの立場の人が共通して同様の話をするということは、
組合に対し、相当な不満が溜まっているということではないのか?
仮に急に「天国」にはならなくても
「天国」へ向かう取り組みが進行形の状態なら
「地獄」の中にある「痛み」にも耐えられる人は多い筈だ。
そうではないから、こんな訴訟に発展するのではないのか?

当ニュースが昨年11月18日(火)付で紹介した記事がある。

松原秀安・新岐南町長 笠松競馬存廃問題「単年度赤字での廃止は疑問」(2008.11.18)

当時の松原秀安・岐南町長の主張が正しいと
言うつもりはない。
「三年」というならその「三年」間のシナリオを明確に書いて
示さなければ意味はないからだ。
だが「単年度の黒字」だけのために、
「目先」だけしか意識のない「守り」の運営で
果たして将来の「天国」は見えてくるだろうか?
その点でこの松原町長の意見のような話が
もっと議論されてもいいように思える。
「税金投入」以外の選択肢をもっと考える必要があるのは
言うまでもないが、
タブー視すべき意見ではないと私は考えるのだが、
どうなのだろう?

次回の和解協議は3月27日(金)。
焦点となっている2011年度以降の賃料について
いい話し合いの上、決着することはもちろんだが、
原告地主はもちろん、馬主、厩舎関係者、ファンをも含んだ、
笠松競馬を「天国」にするための方向性が
(その方向性に多くの人が納得するものが)
岐阜県地方競馬組合から示されることを望みたい。

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「JRAサマーシリーズ」と銘打ち、
「サマー2000シリーズ」「サマースプリントシリーズ」
「サマージョッキーシリーズ」を開催する。
そして今年はこの時期から
3連単を全レース発売に切り替えた上に、
新馬戦に「メイクデビュー」という愛称まで付けた。
注目度、売上ともにどうしても落ちてしまう「夏競馬」。
JRAもその対策に必死な様子が感じられる。

今年の「夏競馬」がスタートした直後の6月30日(月)、
「週刊競馬ブック」の「一筆啓上」で、
日経・野元賢一記者が「夏季振興策を巡って」
というタイトルでこの「夏競馬」をテーマに論評していた。
この中で野元記者はJRAの「通年志向」を批判、
1年間の競馬にメリハリをつけることを主張。
そのコラムの中でこんな指摘をしている。

-こう考えると、夏競馬の振興といっても、
おのずと限界がある。
毎週の競馬を見ていれば、
番組の大半は編成終了が迫る3歳未勝利戦と、
最下級条件戦。
スターの大半は夏休みに入り、
材料といえば新馬戦程度。
当然、売上も少ないが、
人馬の移動経費の分、
4大競馬場よりも高コストだ-


野元記者はこの時期の「振興策」の限界を指摘している。
それでもコラムの最後に彼なりの「振興策」を
紹介していたのだが・・・。

この「週刊競馬ブック」発売後、
私は福島、函館、札幌、新潟という、
4つの「夏競馬」の舞台に足を運んでみた。
競馬場内は当然、地元の方が多い。
その「地元」と言っても
例えば福島なら、
隣県の宮城、山形はもちろん、
岩手や青森からも車を飛ばしてやってくる。
新潟も富山や石川、秋田などの県からの
来場者が少なくないことは
駐車場のナンバープレートを見るとすぐに分かる。
JRAは競馬場のある、なしに関わらず、
「全国」を対象に発売網を整備している。
地域によっては、
「夏競馬」は生で「競馬」を見る事ができる
数少ない機会であることを示しているのだろう。
恐らく夏の小倉競馬場には
同様に九州各県から人が集まっているに違いない。

一方もうひとつ、どの競馬場でも気が付くのは、
東京、中山で見かける人の姿が見られること。
福島、新潟の駐車場には
首都圏からの車も数多く見られた。
私自身も含めて、こうした競馬場に足を運ぶのは、
「旅行」のレベルと言える人が大半であるに違いない。
普段、4大競馬場(東京、中山、京都、阪神)の中には
「夏競馬はお休み」という人も少なくない。
そのような中、「夏競馬」の現場に
足を運んでくれるファンは、
「秋競馬」以降もコアな、ヘビーなファンであり続けて
くれる可能性は高い。

地元のファンに数少ない「競馬を見る機会」を提供する、
そして秋以降の優良なファンの獲得、形成という目的に、
「夏競馬」が機能していると見る事はできないものか?
そこには「売上」だけでは語ることのできない要素が
含まれているように思えるのだが。
同じ話を経営状態が厳しい地方競馬にするのは
「非常識だ」と言われかねないが、
JRAならまだまだ「売上」以外の効果を語ることは
無意味ではないだろう。
その前提で物事を考えることはできないものだろうか?

各地の競馬場を見る限り、
独自にその試みが行われていることが
感じられる。

福島での騎手交流イベント


函館での騎手交流イベント

新潟での騎手交流イベント

それぞれの競馬場でチャリティーゼッケン販売などの形で
騎手交流イベントが行われた。
そのレベルは4大競馬場でも見られないほど、
距離感の近いイベントだったように思われた。

福島での馬場開放イベント

 
函館での馬場開放イベント

馬場開放イベントも4大競馬場にはない
競馬との「距離感」を縮める役割を果たしているように
私には思えた。
普段は4大競馬場を中心に足を運ぶ人でも
ここでは少し違う体験が出来る。
これは秋に向けてのヘビーファン形成、
場合によってはつなぎ留めに大きな役割を果たすに違いない。

2010年にリニューアルオープンする函館競馬場は
「リゾート地の開放感あふれる競馬場」を
そのコンセプトの一つとしているという。
「リゾート」という発想そのものが
これまでの競馬場にはなかったもので
どのようなファンを
函館競馬場に集めたいと考えているのかを
想像すると、
「サマー〇〇シリーズ」や「メイクデビュー」などと
いうものが必要か、否か見えてくるような
気がするのだがいかがだろうか?

今日、7日(日)の新潟・小倉両2歳Sで
競馬の暦の上では「夏」が終わる。
JRAにはこの「夏」を「売上」だけではなく、
もっと広い視点で総括して頂きたい。
「夏」の持つ意味は
4大競馬場の芝コース保護だけでも
「暑さ対策」だけでもない、と私自身は考える。

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岩手県競馬組合議会は2日(火)、
調査特別委員会を奥州市役所内で開き、
民間委託に関する交渉が難航していると見られている
県競馬組合と日本ユニシスの双方から
これまでの協議内容を聴取した。

この中で組合側が「具体的提案」を求めているのに対し、
日本ユニシス側はその前提として、
提案内容について守秘義務契約の締結を求めていて、
その締結を組合側が拒んでいることが明らかとなった。
守秘義務契約の内容の中に、
日本ユニシス側が出した情報について
県競馬組合を構成する岩手県、奥州市、盛岡市に伝える場合、
日本ユニシス側の事前承諾が必要、との部分があり、
この点について組合側が
「組合と構成団体は表裏一体」と主張し、
対立している模様。
この他、組合側が同社に伏せていた情報があることも
明らかとなっている他、
「民間委託」の範囲についても見解の相違があるとのこと。


「合点いかない」 ユニシス、県競馬組合批判(河北新報)


守秘義務契約が前提 組合との亀裂浮き彫り~奥州で競馬議会(09/03)(岩手日日新聞)


拡大協議が難航 岩手競馬民間委託(岩手日報)


-------------------

外から見ていると
分からないことだらけである。
「守秘義務契約」を組合側が結ぼうとしないことも
疑問だが、
一方で、日本ユニシス産業機構研究所・矢島洋一所長の
この発言を見ると、
彼らが「守秘義務契約」締結を主張する点について
非常に滑稽に思えてくる。

〈岩手競馬民間委託〉交渉の行方は 日本ユニシス矢島洋一氏に聞く(上)(盛岡タイムス)

〈岩手競馬民間委託〉交渉の行方は 日本ユニシス矢島洋一氏に聞く(中)(盛岡タイムス)

〈岩手競馬民間委託〉交渉の行方は 日本ユニシス矢島洋一氏に聞く(下)(盛岡タイムス)


日本ユニシスにとって、
現時点での「岩手県競馬組合」は
「商談相手」である筈で、
民間企業がメディアを通して
「商談相手」を批判することは何の意味ももたない筈。
むしろ、マイナスにしか作用しないのではないか。
特に「組合職員不要」を主張するのであれば、
その「組合」を相手にする以上、
こうした主張についての情報は慎重であるべきで、
彼らが主張する「守秘義務契約」の意義が
この時点で既に薄れているようにも思える。
彼らの岩手競馬に対する主張は
私自身、賛同できる部分は多い。
だがこの交渉方法、メディア対応は
あまりにも酷すぎる。
一方で、取材により、こうした彼らの本音を引き出した
盛岡タイムスは高く評価されてよいのだが。

更に言えば、
「レースを勝ちにこない馬主」の話などは
競馬主催者の業務受託に名乗りを挙げた側の
発言としてはいかがかと思う。
確かに問題点として指摘すべきではあるが、
「建前」と「本音」の部分が微妙に絡む問題で
一般ファンや馬券予想メディアならともかく、
「主催者」の立場で安易に語るべき話ではない。

こうした話が表に出てくる現状を考えると
私の見方はどうしても
「日記」に書いたこの話になってしまう。

「足元を見る」話?でも仕方がない(KANKANの新ネット競馬屋日記)

民間企業として背負えるリスクを考慮するのは当然だが、
その部分ばかりがあまり表に出てきた上に、
相手の事情を見透かしたような話まで出てくると
その「やる気」に疑問符を付けざるを得ない。

だがこれは日本ユニシスが悪い訳ではない。
こうした「日本ユニシス」を交渉相手に選んだ
岩手県競馬組合の責任である。
何故、「日本ユニシス」だったのか?
最終提案があったのは同社と地元企業の2社と聞いているが、
その中で日本ユニシス側の提案について何が良かったのか。
また最終提案で採用されなかったもう1社、
更には最終提案に至らなかった企業の提案と
日本ユニシス案では何が違っていたのか?
そのあたりを判断し、決定を下したのは
岩手県競馬組合の筈。
その責任を自覚するとともに、
その経緯を明らかにするなり、
踏まえて交渉に挑むなり、
といった対応が岩手県競馬組合に求められる気がするのだが・・・。

プロフィール

菅野一郎
(かんのいちろう・本名同じ)
「もっと競馬をやりたいな」で、
「第1回Gallopエッセー大賞(2005年)」において、
佳作を受賞。
現在、競馬読み物Webサイト
「WEEKEND DREAM」管理人を務める。
時には厳しく、時には温かく愛情を込めて、「競馬の未来」を語ります。

※「プロフィール詳細・経歴」もご覧ください

私・菅野へのご連絡は以下のメールアドレスまでお願いします。
kankan@weekenddream.jp

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