(論説)そもそも何故「日本ユニシス」だったのか?-岩手競馬民間委託問題に思う(2008.9.4)
岩手県競馬組合議会は2日(火)、
調査特別委員会を奥州市役所内で開き、
民間委託に関する交渉が難航していると見られている
県競馬組合と日本ユニシスの双方から
これまでの協議内容を聴取した。
この中で組合側が「具体的提案」を求めているのに対し、
日本ユニシス側はその前提として、
提案内容について守秘義務契約の締結を求めていて、
その締結を組合側が拒んでいることが明らかとなった。
守秘義務契約の内容の中に、
日本ユニシス側が出した情報について
県競馬組合を構成する岩手県、奥州市、盛岡市に伝える場合、
日本ユニシス側の事前承諾が必要、との部分があり、
この点について組合側が
「組合と構成団体は表裏一体」と主張し、
対立している模様。
この他、組合側が同社に伏せていた情報があることも
明らかとなっている他、
「民間委託」の範囲についても見解の相違があるとのこと。
「合点いかない」 ユニシス、県競馬組合批判(河北新報)
守秘義務契約が前提 組合との亀裂浮き彫り~奥州で競馬議会(09/03)(岩手日日新聞)
拡大協議が難航 岩手競馬民間委託(岩手日報)
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外から見ていると
分からないことだらけである。
「守秘義務契約」を組合側が結ぼうとしないことも
疑問だが、
一方で、日本ユニシス産業機構研究所・矢島洋一所長の
この発言を見ると、
彼らが「守秘義務契約」締結を主張する点について
非常に滑稽に思えてくる。
〈岩手競馬民間委託〉交渉の行方は 日本ユニシス矢島洋一氏に聞く(上)(盛岡タイムス)
〈岩手競馬民間委託〉交渉の行方は 日本ユニシス矢島洋一氏に聞く(中)(盛岡タイムス)
〈岩手競馬民間委託〉交渉の行方は 日本ユニシス矢島洋一氏に聞く(下)(盛岡タイムス)
日本ユニシスにとって、
現時点での「岩手県競馬組合」は
「商談相手」である筈で、
民間企業がメディアを通して
「商談相手」を批判することは何の意味ももたない筈。
むしろ、マイナスにしか作用しないのではないか。
特に「組合職員不要」を主張するのであれば、
その「組合」を相手にする以上、
こうした主張についての情報は慎重であるべきで、
彼らが主張する「守秘義務契約」の意義が
この時点で既に薄れているようにも思える。
彼らの岩手競馬に対する主張は
私自身、賛同できる部分は多い。
だがこの交渉方法、メディア対応は
あまりにも酷すぎる。
一方で、取材により、こうした彼らの本音を引き出した
盛岡タイムスは高く評価されてよいのだが。
更に言えば、
「レースを勝ちにこない馬主」の話などは
競馬主催者の業務受託に名乗りを挙げた側の
発言としてはいかがかと思う。
確かに問題点として指摘すべきではあるが、
「建前」と「本音」の部分が微妙に絡む問題で
一般ファンや馬券予想メディアならともかく、
「主催者」の立場で安易に語るべき話ではない。
こうした話が表に出てくる現状を考えると
私の見方はどうしても
「日記」に書いたこの話になってしまう。
「足元を見る」話?でも仕方がない(KANKANの新ネット競馬屋日記)
民間企業として背負えるリスクを考慮するのは当然だが、
その部分ばかりがあまり表に出てきた上に、
相手の事情を見透かしたような話まで出てくると
その「やる気」に疑問符を付けざるを得ない。
だがこれは日本ユニシスが悪い訳ではない。
こうした「日本ユニシス」を交渉相手に選んだ
岩手県競馬組合の責任である。
何故、「日本ユニシス」だったのか?
最終提案があったのは同社と地元企業の2社と聞いているが、
その中で日本ユニシス側の提案について何が良かったのか。
また最終提案で採用されなかったもう1社、
更には最終提案に至らなかった企業の提案と
日本ユニシス案では何が違っていたのか?
そのあたりを判断し、決定を下したのは
岩手県競馬組合の筈。
その責任を自覚するとともに、
その経緯を明らかにするなり、
踏まえて交渉に挑むなり、
といった対応が岩手県競馬組合に求められる気がするのだが・・・。
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