(レポート)ばんえい記念現地レポート・・・追記しました(2009.4.1)
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3月29日(土) 帯広競馬場
前日の朝、帯広競馬場に到着した時は
青空も見えていたのですが、
だんだん雲が厚くなり、
途中から雪も降り出す天候となりました。
それでも馬場は乾燥が進み、
この日の最終レース時点では2.5%という状況でした。
夏場にはビアガーデンが行われる一帯に
雪が高く積み上げられていました。
一般ファンが観戦、通行するエリアには
雪が全くありませんので、
連日、丹念な除雪作業が行われていた
ということではないかと思われます。
歩行エリアに来場者が凍結して転倒しそうな
箇所は全くなかったと思います。
北国では当たり前かもしれませんが、
この地道な作業には頭が下がる想いがしました。
この日のメインレースは300万円未満の一戦、
じゃらんカップ。
優勝は大口泰史が手綱を取ったブラックヘラクレス。
第2障害を先頭で通過後、
他の馬に並ばれるシーンもありましたが、
差し返しての勝利となりました。
最終レース終了後はスタンド2階のファンルームで
ばんえい記念の前夜祭が行われました。
まずは出場騎手のコメントと、
出走馬の調教の様子をVTRで紹介。
そして「ミスターばんえい」金山明彦調教師の
トークショーが行われました。
司会は蘇武直人さんでした。
その後は旋丸巴さん、古林英一さん、蘇武直人さんによる
ばんえい記念のレース展望が行われました。
会場に詰めかけたファンも優勝予想馬にそれぞれ「1票」を投じ、
その集計結果も発表されるなど、
小規模ながらも盛り上がりを見せたイベントとなりました。
3月30日(日) 帯広競馬場
ばんえい記念当日は
前日よりも晴れ間が多く、
多くの人が大一番を見に駆け付けました。
それでも風は相変わらず冷たい1日となりました。
前日の最終レースの後、
降雪があって馬場水分は一時3%台まで戻ったのですが、
当日になって乾燥が進み、
最終的には2.3%となりました。
年度最後の大一番ということもあって、
場内ではお馴染みの顔ぶれによる
予想イベントが行われるなど、
大きな盛り上がりを見せました。
6R終了後には、
今年もばんえい記念に騎乗するジョッキーが
勢ぞろいしました。
矢野吉彦アナのインタビューで、
各自が大一番へ向けての抱負を語りました。
それではばんえい記念の上位人気馬を
ご紹介します。
1番人気は3連覇を目指すトモエパワー。
2008年度シーズンは未勝利ですが、
得意の1トン戦で巻き返しを図ります。
2番人気はカネサブラック。
トモエパワーと同じ松井浩文厩舎の管理馬です。
2008年度シーズンは一度も掲示板を外さない
抜群の安定感を見せました。
前走チャンピオンカップを制して大一番に挑みます。
3番人気はスーパークリントン。
昨年は4着。
2008年度シーズンは北見記念を制しています。
レースは今年も帯広市に駐屯する
陸上自衛隊第5音楽隊のファンファーレによって
幕を開けました。
レースは今年も普段は止まらない第1障害でも
刻んで息を入れながらゆっくりと進みます。
ナリタボブサップが若干リードしながらではありましたが、
各馬それほど差はなく、
「ばんえいポイント」第2障害手前に到達。
ここから力勝負が始まります。
まず動いたのがスーパークリントン。
合わせるかのようにニシキダイジンも仕掛けます。
トモエパワーも第2障害への格闘を始めました。
第2障害を登る各馬の馬体が次第に
山の上に大きく見えてくるようになります。
トモエパワー、スーパークリントン、ニシキダイジンの3頭に、
外からミサイルテンリュウも上がってきました。
第2障害を最初にクリアしたのはミサイルテンリュウでした。
続いてトモエパワーも山を下ります。
その後に続いて第2障害を通過したのは
カネサブラック、ニシキダイジンの2頭でした。
第2障害を過ぎた後、
ミサイルテンリュウを交わして先頭に立った
トモエパワーですが、
高重量戦での強さを見せつけました。
ゴールまでトモエパワーが止まったのは僅かに1回。
他の馬が何度も歩みを止める中、
どんどん後続との差を広げていきます。
トモエパワー3連覇達成です!!
今年もそのパワーを存分に見せつけて
圧勝しました。
2、3着争いは大接戦となりました。
追い込んだカネサブラックが
ミサイルテンリュウを交わして2着。
ミサイルテンリュウは昨年(2着)から
着順を上げる事は出来ませんでした。
4着にはニシキダイジンが入りました。
この馬も今後、高重量戦では
活躍が期待できそうな気がします。
5着はスーパークリントン。
第2障害クリアに予想外に時間が
かかってしまったような印象です。
メンバー中、唯一の牝馬スターエンジェルは
6着でした。
ナリタボブサップは7着。
この馬にとって、
重い荷物、重い馬場への対応は、
今回も課題として残りました。
8着タケノホウシュウ、9着ヨコハマイサム
2頭並んでのゴールでした。
最後にゴールしたのはイケダガッツ。
この馬にも大きな声援、そして拍手が送られました。
3連覇となったトモエパワーですが、
手綱を取った西弘美によると、
昨年より第2障害に苦戦したとのこと。
このあたりに2008年度シーズン未勝利の
理由があったのかもしれません。
それでも年度末の大一番で
ため息が出るほどの強さを見せてくれました。
(追記)
トモエパワーの勝利に
1000キロという斤量での強さに対する驚き、
そして感動を抱いた人が多かった半面、
「それではこの1年間のばんえい競馬一連の
レースは何だったのか?」
という疑問の声も一部で上がっていました。
レース体系というものは、
個々のレースが単独で存在するものではなく、
ひとつのレースという「点」を「線」でつないで
一連のストーリーに仕上がるものではないか、
と私は考えています。
その意味で、1年間全く勝ち星のなかった
トモエパワーが勝利した「ばんえい記念」
というレースだけが、
その「線」で結びついていない、
「点」として単独で存在するレースに
なってしまっている感が否めません。
予想イベントの出演者からも
「ばんえい記念は普段のばんえい競馬とは
別の競技だ」
という発言が聞かれました。
本当に「別の競技」でいいのでしょうか?
JRAの有馬記念がJC後の疲労や
中山への馬場適性、距離適性などから
回避する馬が続出し、
レースをつまらなくしてしまうケースが
年によっては見られますが、
ばんえい記念も同様の事態に陥る懸念を
私は今回感じました。
出走馬がレース後に受けるダメージの問題はありますが、
ばんえい記念と同様の1000キロ前後を引っ張る
重賞競走が他にも必要な気がします。
レース後の疲労度を考慮して
(十分ではないのかもしれませんが)
夏場のばんえいグランプリ、
あるいは初秋の岩見沢記念、
このあたりを950キロ~1000キロの
斤量で実施するなどして、
ばんえい記念との関連性を持たせることで
年度末の大一番、「ばんえい記念」の
存在価値が薄れないようにする工夫が
必要なように思えます。
「ばんえい記念」を「別の競技」にしては
絶対にいけない、
私はそう思います。
ところでばんえい競馬では今年1月、
4人の新人ジョッキーがデビューしました。
長澤幸太(服部義幸厩舎所属)
林義直(今井茂雅厩舎所属)
貝羽智生(大友栄人厩舎所属)
菊池一樹(大橋和則厩舎所属)
この4人のジョッキー達も
いずれはばんえい記念で出走馬の手綱を取る日が
来るに違いありません。
彼らもきっと夢見ていることでしょう。
その為にはばんえい十勝は存続はもちろん、
更なる発展を続けていかなければなりません。
不況、そして地方競馬に漂う停滞ムードの中、
今回も帯広競馬場で
未来へ向けての様々な取り組みを
目にすることが出来ました。
帯広市をはじめとする十勝管内の
各市町村を、
観光や特産品などの視点から紹介する
ボードが設置されました。
こうした近隣地域の発展に寄与することで
「競馬」の存在価値が高まっていくようであれば、
理想的なことではないかと思います。
ばんえい競馬のマスコット、リッキー達による
ぬいぐるみショーは、
集まった子供たちを喜ばせていました。
このぬいぐるみのリッキーは最終レース前、
締め切り前の音楽にあわせて
軽快なダンスを披露するなど、
場内の盛り上がりに必死な様子もうかがえました。
現地、帯広ではばんえい競馬にとって逆風になるような話、
そして不況であるが故の厳しい話も色々聞こえてきました。
でもこうした取り組み、そして人々の頑張りによって、
何とか未来を切り開いて欲しい。
帯広でそんな想いを抱きました。
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