（レポート）スパーキングレディーカップ（川崎）現地レポート（2009.7.17）

７月１５日（水）川崎競馬場





梅雨が明けた首都圏。
ナイター競馬の時間帯もまだ昼間の暑さが
残っているような印象でした。
それでも少し風が強く、
凌ぎやすい感はありましたが。
馬場状態は良でした。




 

この日の９ＲはＪＲＡ３歳未勝利クラスとの交流戦、
ルビーフラワー賞。
直線で
ポレンティーナ（ＪＲＡ）とオレサマ（川崎）の２頭による
激しい叩き合いとなったこのレース、
山田信大（船橋）が手綱を取ったポレンティーナが
競り勝って未勝利脱出。
終盤戦に差し掛かりつつあるＪＲＡの３歳未勝利馬にとって、
この時期の地方競馬における交流戦は
大きな意味を持っています。

レース結果（ＮＡＲ公式サイトより）


それではメインレース、スパーキングレディカップの
上位人気馬をご紹介します。




 

１番人気は関東オークスを制したラヴェリータ（ＪＲＡ）。
今回は古馬と初対決、
試金石となる一戦です。
ジャパンダートダービー（大井）にも登録がありましたが、
陣営はこのレースを選択し、勝負を挑みます。




２番人気はメイショウバトラー（ＪＲＡ）。
前走・マリーンカップ（船橋）を制し、
牝馬同士ではまだまだ負けられない力の
持ち主であることを証明しました。


 

３番人気はヤマトマリオン（ＪＲＡ）。
今年もＴＣＫ女王盃（大井）を制し、
ダート牝馬戦線に欠かせない顔として
その存在感を示しています。




ＪＲＡ勢に人気が集中する中、
地方所属馬で注目を集めたのは
ベルモントプロテア（船橋）でした。
ＪＲＡ時代の対戦相手を考えれば、
食い込めておかしくない相手のように思えます。
移籍後、２戦目の上積みに期待する声もありました。






レースはクィーンオブキネマ（ＪＲＡ）がハナを切る形で
流れました。
メイショウバトラーは好位の外、
ラヴェリータは好位の内でレースを進めます。








直線に入っても脚色が衰えないクィーンオブキネマ。
川崎の馬場を知り尽くしている内田博幸の手綱だけに
このまま粘り込むかと思われました。
しかしその外から並びかけたラヴェリータが
あっさり交わして先頭でゴール。
逃げたクイーンオブキネマが２着に残りました。
メイショウバトラー３着、ベルモントプロテア４着、
ヤマトマリオンは６着に敗れました。

レース結果（ＮＡＲ公式サイトより）











古馬との初対決となったラヴェリータですが、
レースぶりには余裕のようなものさえ感じられました。
今後、斤量さえ苦にしなければ、
ダート牝馬戦線では
主役を長く務める可能性のある馬だと思います。
牡馬との対戦でどの程度やれるのか？
という点にも興味はありますが・・・。



６月１５日（月）から運用を開始した
川崎ドリームビジョン。
私は１か月遅れでこの大型ビジョンを初めて見ました。
地方競馬としては画期的な試みが
行われている点は高く評価すべきだと思います。
但し・・・、


 



レース中に映し出される馬群を正面からとらえた映像は、
あまり意味がないような気がします。
運用開始直後、
「"迫力"を意識し過ぎて、かえって判り難い映像になっている」
という批判をいくつか見ましたが、
私はその"迫力"も全く感じませんでした。


中央・地方を問わず、
日本競馬のレース映像については
"迫力"という点での物足りなさを
指摘する声が、
海外競馬通の評論家、メディア関係者から
聞かれることがあります。
今回、川崎競馬もこうした声を意識して、
このような映像作りに取り組んでいるのかもしれません。

しかし、今回川崎競馬が提供しているこうした映像と
海外競馬における"迫力ある"映像には、
根本的な違いがあるように思えます。
それは"迫力がある"だけではなく、
道中における各馬の位置取りも判る、
という点ではないでしょうか。
日本の場合、海外と比べても「馬券」を介して
「競馬」を楽しむ人も多い訳ですから、
求めるべきは"迫力"よりも、
"位置取り"の判り易さではないでしょうか。
東京競馬場や京都競馬場の大型ビジョンのように、
馬群を全部見ることができる映像の方が、
多くのファンに喜ばれる映像のように
個人的には思います。
府中や淀よりも狭い分、
カメラの設置やアングル等、
難しい面はあるのかもしれませんが、
再検討を求めたい気がしました。
せっかく優れたハードを導入したのですから、
是非とも有効に活用していただきたいところです。