(レポート)日本ダービー現地レポート(2014.6.4)
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6月1日(日) 東京競馬場
この日、私が東京競馬場に到着したのは朝5時50分。
今年も既に多くの徹夜組が列を作っていました。
数多くのビッグレースが行われる東京競馬場ですが、
その中でもダービーだけは特別です。
盛り上がりが違います。
開門は朝7時20分でした。
場内は「ダービー一色」に彩られていましたが、
天候は「ダービー」というよりも「夏競馬がやってきた」という雰囲気でした。
雲一つない好天でしたが、日陰やスタンド内の涼しさが心地よく思えました。
もちろん、馬場状態は芝・ダートともに良馬場です。
この日、2Rをニシノソラカラで制した石川裕紀人騎手は、
これが47戦目でのJRA初勝利となりました。
「ダービーデーに初勝利を挙げたのだから、この騎手はきっと何かを持っている」
という声もありましたが、
恐らく本人は早く勝ちたくて仕方がなかったのではないでしょうか。
同期デビューのジョッキー達が次々と勝ち上がっていたのですし。
でも同騎手のジョッキー人生はまだまだ先は長い筈。
焦らずに一歩一歩ステップアップして欲しいものです。
その石川裕紀人騎手ですが、
「初勝利」のセレモニー終了後、
ウィナーズサークルに集まったファンの方へ歩み寄りました。
「妹が来ているもので」と言いながら、
セレモニーで渡されたターフィー人形を男性に抱きかかえられた女の子に手渡しました。
この日は同騎手のお父さんと妹さんも応援に駆け付けていたようです。
きっと、心の優しい性格の持ち主なのでしょう。
昼休みには恒例となったダービー騎乗騎手紹介式が行われました。
これからそのダービーはもちろん、
最終レースの目黒記念の様子もお伝えしようと思います。
今年のダービーは目黒記念までを見届ると、
味わい深いドラマを見たような、そんな印象があります。
まずはいつものように、ダービーの上位人気馬をご紹介します。
1番人気は皐月賞馬イスラボニータでした。
府中では昨年の東京スポーツ杯2歳S、今年の共同通信杯を含む4戦4勝。
今回は2400メートルという距離との戦いでした。
その皐月賞で2着だったトゥザワールドが2番人気でした。
父はダービー馬キングカメハメハ。
母はオークス2着のトゥザヴィクトリー。
距離延長を味方に逆転を狙います。
多くの出走馬が正面スタンド前から馬場入場後、
返し馬を4コーナー方向に行う中、
3番人気のワンアンドオンリーは逆に1コーナー方向へ向かいました。
皐月賞は4着でしたが、
直線での末脚は非常に目立つものでした。
なお、このレースのパドックでは
最も美しく手入れされた馬を担当する厩務員の努力を称える
「ベストターンドアウト賞」の審査が行われ、
ワンアンドオンリーを担当する
栗東・橋口弘次郎厩舎所属の甲斐純也調教助手が受賞しました。
皐月賞3着馬ウインフルブルームの出走取消により、
「どの馬がハナを切ってレースの主導権を握るのか?」にも注目が集まった
今年のダービーですが、
逃げたのは前走で兵庫チャンピオンシップを制したエキマエ(13番人気)でした。
2番手にはきさらぎ賞を制したトーセンスターダム(5番人気)が続き、
イスラボニータはその直後3番手で流れに乗ります。
エキマエは後続をやや引き離すような形での逃げとなりました。
1000メートル通過は59秒6でした。
そのエキマエが3コーナーでアクシデントに見舞われました。
馬体に故障を発生して、ズルズルと後退していったのです。
(レース後の診断では右寛跛行となっていたが、
後日になって左第一指節種子骨を骨折していることが判明)
代わりに浮上したトーセンスターダムを先頭に、
各馬は最後の直線での攻防へと入りました。
最後の直線に入り、イスラボニータがトーセンスターダムを交わして先頭に立ちます。
鞍上の蛯名正義騎手は「これでダービーは俺のもの」と思ったかもしれません。
しかし、その直後にワンアンドオンリーが迫っていました。
「マークする側」と「マークされる側」。
多くの場合、「マークする側」が有利になるものです。
このレースも例外ではありませんでした。
残り100メートル地点よりも少し手前で、
ワンアンドオンリーがイスラボニータを交わして先頭に。
皐月賞で多くのファンが注目した、この馬の決め手は本物でした。
そしてワンアンドオンリーはイスラボニータを3/4馬身差交わしてゴール板を通過。
第81代のダービー馬はワンアンドオンリーとなりました。
ワンアンドオンリーの鞍上・横山典弘騎手は、
2009年にロジユニヴァースで日本ダービーを制しており、
これが2度目のダービー制覇でした。
そしてその2009年にロジユニヴァースの2着に敗れた
リーチザクラウンを管理していた調教師が、
このワンアンドオンリーの橋口弘次郎調教師でした。
橋口弘次郎調教師は今回が18回目、延べ20頭目でようやくダービーのタイトルを獲得。
場内からも大きな声援が送られていました。
勝者の陰には常に敗者がいます。
ワンアンドオンリーが芝コースをウイニングランしている最中、
2着に敗れたイスラボニータは静かにダートコースを引き揚げました。
蛯名正義騎手はまたしてもダービー制覇ならず・・・。
決して騎乗ミスなどはなかったと思いますし、
イスラボニータも全ての能力を発揮しての走りだったと思います。
「ダービーを勝つ」ということの難しさを改めて見せ付けられたような気がしました。
トゥザワールドは5着。
馬群の外を回るロスが響いたように、私には思えました。
横山典弘騎手が46歳。蛯名正義騎手は45歳。
この2人に対して、トゥザワールドの川田将雅騎手はまだ28歳。
これから何度もダービー制覇のチャンスが巡ってくる筈。
その日を心待ちにしたいと思います。
前述した通リ、今年のダービーは、
その後、最終レースに行われた目黒記念の結果も含めて語ることで、
一つのドラマが完成するような気がしました。
しかしレポートがこのダービーだけで、かなり長くなってしまいました。
目黒記念の現地レポートは、後日改めて作成したいと思います。
しばらくお待ち下さいませ。
目黒記念現地レポートはこちら
この日、私が東京競馬場に到着したのは朝5時50分。
今年も既に多くの徹夜組が列を作っていました。
数多くのビッグレースが行われる東京競馬場ですが、
その中でもダービーだけは特別です。
盛り上がりが違います。
開門は朝7時20分でした。
場内は「ダービー一色」に彩られていましたが、
天候は「ダービー」というよりも「夏競馬がやってきた」という雰囲気でした。
雲一つない好天でしたが、日陰やスタンド内の涼しさが心地よく思えました。
もちろん、馬場状態は芝・ダートともに良馬場です。
この日、2Rをニシノソラカラで制した石川裕紀人騎手は、
これが47戦目でのJRA初勝利となりました。
「ダービーデーに初勝利を挙げたのだから、この騎手はきっと何かを持っている」
という声もありましたが、
恐らく本人は早く勝ちたくて仕方がなかったのではないでしょうか。
同期デビューのジョッキー達が次々と勝ち上がっていたのですし。
でも同騎手のジョッキー人生はまだまだ先は長い筈。
焦らずに一歩一歩ステップアップして欲しいものです。
その石川裕紀人騎手ですが、
「初勝利」のセレモニー終了後、
ウィナーズサークルに集まったファンの方へ歩み寄りました。
「妹が来ているもので」と言いながら、
セレモニーで渡されたターフィー人形を男性に抱きかかえられた女の子に手渡しました。
この日は同騎手のお父さんと妹さんも応援に駆け付けていたようです。
きっと、心の優しい性格の持ち主なのでしょう。
昼休みには恒例となったダービー騎乗騎手紹介式が行われました。
これからそのダービーはもちろん、
最終レースの目黒記念の様子もお伝えしようと思います。
今年のダービーは目黒記念までを見届ると、
味わい深いドラマを見たような、そんな印象があります。
まずはいつものように、ダービーの上位人気馬をご紹介します。
1番人気は皐月賞馬イスラボニータでした。
府中では昨年の東京スポーツ杯2歳S、今年の共同通信杯を含む4戦4勝。
今回は2400メートルという距離との戦いでした。
その皐月賞で2着だったトゥザワールドが2番人気でした。
父はダービー馬キングカメハメハ。
母はオークス2着のトゥザヴィクトリー。
距離延長を味方に逆転を狙います。
多くの出走馬が正面スタンド前から馬場入場後、
返し馬を4コーナー方向に行う中、
3番人気のワンアンドオンリーは逆に1コーナー方向へ向かいました。
皐月賞は4着でしたが、
直線での末脚は非常に目立つものでした。
なお、このレースのパドックでは
最も美しく手入れされた馬を担当する厩務員の努力を称える
「ベストターンドアウト賞」の審査が行われ、
ワンアンドオンリーを担当する
栗東・橋口弘次郎厩舎所属の甲斐純也調教助手が受賞しました。
皐月賞3着馬ウインフルブルームの出走取消により、
「どの馬がハナを切ってレースの主導権を握るのか?」にも注目が集まった
今年のダービーですが、
逃げたのは前走で兵庫チャンピオンシップを制したエキマエ(13番人気)でした。
2番手にはきさらぎ賞を制したトーセンスターダム(5番人気)が続き、
イスラボニータはその直後3番手で流れに乗ります。
エキマエは後続をやや引き離すような形での逃げとなりました。
1000メートル通過は59秒6でした。
そのエキマエが3コーナーでアクシデントに見舞われました。
馬体に故障を発生して、ズルズルと後退していったのです。
(レース後の診断では右寛跛行となっていたが、
後日になって左第一指節種子骨を骨折していることが判明)
代わりに浮上したトーセンスターダムを先頭に、
各馬は最後の直線での攻防へと入りました。
最後の直線に入り、イスラボニータがトーセンスターダムを交わして先頭に立ちます。
鞍上の蛯名正義騎手は「これでダービーは俺のもの」と思ったかもしれません。
しかし、その直後にワンアンドオンリーが迫っていました。
「マークする側」と「マークされる側」。
多くの場合、「マークする側」が有利になるものです。
このレースも例外ではありませんでした。
残り100メートル地点よりも少し手前で、
ワンアンドオンリーがイスラボニータを交わして先頭に。
皐月賞で多くのファンが注目した、この馬の決め手は本物でした。
そしてワンアンドオンリーはイスラボニータを3/4馬身差交わしてゴール板を通過。
第81代のダービー馬はワンアンドオンリーとなりました。
ワンアンドオンリーの鞍上・横山典弘騎手は、
2009年にロジユニヴァースで日本ダービーを制しており、
これが2度目のダービー制覇でした。
そしてその2009年にロジユニヴァースの2着に敗れた
リーチザクラウンを管理していた調教師が、
このワンアンドオンリーの橋口弘次郎調教師でした。
橋口弘次郎調教師は今回が18回目、延べ20頭目でようやくダービーのタイトルを獲得。
場内からも大きな声援が送られていました。
勝者の陰には常に敗者がいます。
ワンアンドオンリーが芝コースをウイニングランしている最中、
2着に敗れたイスラボニータは静かにダートコースを引き揚げました。
蛯名正義騎手はまたしてもダービー制覇ならず・・・。
決して騎乗ミスなどはなかったと思いますし、
イスラボニータも全ての能力を発揮しての走りだったと思います。
「ダービーを勝つ」ということの難しさを改めて見せ付けられたような気がしました。
トゥザワールドは5着。
馬群の外を回るロスが響いたように、私には思えました。
横山典弘騎手が46歳。蛯名正義騎手は45歳。
この2人に対して、トゥザワールドの川田将雅騎手はまだ28歳。
これから何度もダービー制覇のチャンスが巡ってくる筈。
その日を心待ちにしたいと思います。
前述した通リ、今年のダービーは、
その後、最終レースに行われた目黒記念の結果も含めて語ることで、
一つのドラマが完成するような気がしました。
しかしレポートがこのダービーだけで、かなり長くなってしまいました。
目黒記念の現地レポートは、後日改めて作成したいと思います。
しばらくお待ち下さいませ。
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