中野省吾騎手（船橋）が重賞初勝利！！古豪・カキツバタロイヤルが埼玉新聞栄冠賞（浦和）を制す（2015.10.28）

「逃げ馬不在」という見方もあった
２８日（水）の浦和１１Ｒ埼玉新聞栄冠賞（Ｓ３）。
ハナに立ってレースを引っ張ったのは、
１番人気に支持されていたタイムズアロー（船橋）だった。
大外枠を引いていただけに、
この展開に驚いたファンもいたに違いない。
そのタイムズアローをラッキープリンス（浦和、２番人気）、
ハーキュリーズ（浦和、６番人気）という、
浦和・小久保智厩舎勢が追いかける展開となり、
１周目の３コーナー、４コーナー、そして正面スタンド前へ。
さらにこの３頭の直後を、
アメイジア（浦和、１１番人気）とカキツバタロイヤル（船橋、３番人気）も
追走する形となった。

レースは１コーナー、２コーナー、そして向正面へ。
前はタイムズアロー、ラッキープリンス、ハーキュリーズ、
アメイジア、カキツバタロイヤルという順番のまま、変わらない。
他の各馬と各騎手はタイムズアローと真島大輔騎手（大井）の
術中にハマってしまったのか？
いや、それともこのコンビは他のコンビに「いい目標」なってしまったのか？

その答えは３コーナーを過ぎたところで出る。
逃げるタイムズアローを外から猛然と捕まえに行った人馬がいた。
見澤譲治騎手（浦和）騎乗のアールデュラン（浦和、９番人気）だった。
アールデュランは２番手に浮上。
だがタイムズアローは並ばれることなく、
４コーナー手前でアールデュランを突き放し、４コーナーから最後の直線へ。

一度は後続を突き放したように見えたタイムズアローだったが、
アールデュランのスパートに対応しなければならなかった点について、
結果的には誤算だった、と言わざるを得ないのかもしれない。
外からカキツバタロイヤルとガンマーバースト（船橋、７番人気）が
追い込んでくる。
仕掛けのタイミングを遅らせた分だけ、
タイムズアローよりも
カキツバタロイヤルとガンマーバーストの方が脚色はいい。
そしてこの外から伸びる２頭の比較では、
カキツバタロイヤルの方が決め手は上だった。
最後はカキツバタロイヤルがガンマーバーストを体半分だけ凌ぐ形で、
先頭でゴール板を通過した。
勝ちタイムは２分２秒０（ダート１９００メートル、馬場状態は良）。
レースを引っ張っていたタイムズアローは
ゴール手前でハーキュリーズにも並ばれたが、
地力で差し返して３着を確保した。
ラッキープリンスは３コーナーで一杯となり、９着に敗れた。

勝ったカキツバタロイヤルはロイヤルタッチ産駒の９歳牡馬。
笠松所属時に２００９年の新緑賞（笠松）と駿蹄賞（名古屋）を、
南関東・船橋移籍後は
２０１０年と２０１１年のサンタアニタトロフィー（大井）、
２０１２年の川崎マイラーズ（川崎）をそれぞれ制しており、
これが６つ目の重賞タイトル獲得となった。
通算では１５勝目で、２０１２年の川崎マイラーズ以来となる勝利だった。

鞍上の中野省吾騎手（船橋）がカキツバタロイヤルとコンビを組むのは
今回で７回目だが、
勝ち星を挙げたのは今回が初めて。
この勝利は同騎手の重賞初勝利でもある。


レース結果（ＮＡＲ公式サイトより）