天皇賞馬ヘヴンリーロマンスからまたダート重賞ウイナーが！！アウォーディーがシリウスＳを制す／武豊騎手はＪＲＡ重賞３００勝（2015.10.4）

３日（土）の阪神１１ＲシリウスＳ（Ｇ３）は
スタート直後から場内がため息に包まれる事態が発生。
ナムラビクター（２番人気）が大きく出遅れてしまったのだ。
同馬は今回、ゲート入りを嫌がり、
このレースの発走が遅れる原因を作っていた。
今後、同馬に関しては「スタート」を頭に入れた上で、
馬券検討をする必要がありそうだ。

レースは大方の予想通り、トウケイヘイロー（６番人気）がハナへ。
初ダートだが、戦法は芝でもダートでも変わらない。
そのトウケイヘイローにニホンピロアワーズ（８番人気）、
キクノソル（７番人気）、ダノンリバティ（１番人気）などが続く形で、
レースは１コーナー、２コーナー、そして向正面へ。

１０００メートル通過は６２秒３。
予想されたこととはいえ、やはり緩い流れの競馬となった。
ダート戦での重賞競走だけに早めに動きたい人馬もいる。
今回はグランドシチー（１１番人気）がそうだった。
恐らく鞍上の津村明秀騎手の判断だったのだろう。
向正面でスパートし、
３コーナーの手前で逃げるトウケイヘイローの直後２番手に進出。
さらにランウェイワルツ（４番人気）も３番手に浮上する。

レースは３コーナーから４コーナーへ。
トウケイヘイローの逃げはまだ続く。
そのトウケイヘイローの直後にダノンリバティが浮上。
早めに動いたグランドシチーはこの辺りで既に脚色が鈍くなり、
代わりに外からアウォーディー（３番人気）が進出、
トウケイヘイロー、ダノンリバティ、アウォーディーの順で、
最後の直線入り口へ。

逃げるトウケイヘイローはこのあたりで脚色が一杯に。
そのトウケイヘイローの外からダノンリバティが交わして先頭に立ち、
さらにダノンリバティにアウォーディーが襲いかかる。
脚色がいいのはアウォーディーの方だった。
残り２００メートルのハロン棒を過ぎたあたりで、
今度はアウォーディーが先頭に。
アウォーディーはダノンリバティとの差を徐々に広げていき、
最後は３馬身突き放して先頭でゴール板を通過した。
勝ちタイムは２分４秒６（ダート２０００メートル、馬場状態は稍重）。
アウォーディーに突き放されたダノンリバティは
スタートで大きく出遅れたナムラビクターの猛追撃に遭ったが、
アタマ差で凌いで２着を確保。
ナムラビクターは「出遅れさえなければ」という関係者の声が聞こえてきそうな
３着だった。

勝ったアウォーディーはジャングルポケット産駒の５歳牡馬。
同馬の母は２００５年の天皇賞・秋を制したヘヴンリーロマンスで、
アウォーディーはヘヴンリーロマンスがアメリカの牧場で繋養されていた時に
産まれており、外国産馬という扱いとなる。
これまで重賞では２０１３年の青葉賞で５着、
昨年の目黒記念で４着という戦績が残っているが、
タイトルを獲得したのは今回が初めて。
前走のオークランドレーシンググラブトロフィーからダートを使われるようになり、
ダートではこれで２戦２勝となった。

天皇賞・秋を制している母ヘヴンリーロマンスだが、
このアウォーディーの半妹アムールブリエも
今年のエンプレス杯とブリーダーズゴールドカップを制しており、
子どもたちはダートで活躍している。
アウォーディーも、アムールブリエも、
騎手時代にヘヴンリーロマンスで天皇賞・秋を制した
松永幹夫調教師の管理馬である。

なお、アウォーディーの鞍上を務めた武豊騎手は、
これがＪＲＡ重賞３００勝達成となった。
同騎手の重賞初勝利は
デビューした１９８７年にトウカイローマンで制した京都大賞典。
もちろんＪＲＡ史上初の記録である。


レース映像はこちら（ＪＲＡ公式サイトより）


開催競馬場・今日の出来事、明日の取消・変更等（ＪＲＡ公式サイト）より