６ハロンのＧ１が１０００万下より遅いタイムで決着！！ストレイトガールがスプリンターズＳを制して２つ目のＧ１タイトルを獲得（2015.10.5）

４日（日）の中山１１RスプリンターズＳ（Ｇ１）は、
１２００メートル戦のＧ１とは思えない展開で幕を開ける。
好スタートを決めたのはミッキーアイル（４番人気）だったが、
そのミッキーアイルを内側からベルカント（２番人気）が交わし、
さらにベルカントを外から
アクティブミノル（８番人気）とハクサンムーン（５番人気）が交わす。
この２頭によるハナ争いはハクサンムーンが制する形であっさりと決着。
前走のセントウルＳではハクサンムーンにハナを譲らなかったアクティブミノルだが、
鞍上の藤岡康太騎手は２番手のポジションを選択した。
そしてそのアクティブミノルの直後にミッキーアイルが再び浮上したが、
浜中俊騎手は手綱を引き、行きたがるミッキーアイルを制止している。
口を割るミッキーアイルの姿は「折り合いを欠いている」ということになるのだが、
そもそも６ハロン戦で「折り合い」が問題になろうとは・・・。
ハクサンムーンの酒井学騎手以外はどの騎手もハナに立ちたくなかったのだろう。
そんな各騎手の心理が前半３ハロン３４秒１という緩い流れを産んだに違いない。

レースはハクサンムーン、アクティブミノル、ミッキーアイルの順で
４コーナーから最後の直線へ。
残り２００メートルのハロン棒付近で
アクティブミノルがハクサンムーンを交わして先頭に立ち、
そのアクティブミノルにミッキーアイルが並びかける。
この２頭にサクラゴスペル（１１番人気）と
香港のリッチタペストリー（６番人気）が直後まで迫り、
さらに外からストレイトガール（１番人気）が追い込んできた。
最も脚色が良かったのはストレイトガールだった。
最後は決め手の違いで馬群から突き抜け、
２着馬以下に３／４馬身差をつけて、先頭でゴール板を通過した。
勝ちタイムは１分８秒１（芝１２００メートル、馬場状態は良）。
このひとつ前の中山１０Ｒ勝浦特別（３歳以上１０００万下）も
芝１２００メートル戦だったが、
このレースを制したキャレモンショコラの勝ちタイムは１分８秒０。
なんと６ハロン戦のＧ１が１０００万下よりも遅いタイムで決着する、
という異常事態になった。
有馬記念のような長い距離のレースでは、
出走馬がお互いに牽制し合った末に
当日の下級条件戦よりも遅いタイムで決着するケースは時々あるが、
スプリンターズＳでそんな競馬になることを想像できた人はいただろうか？
２着にはサクラゴスペルが入り、
３着にはウキヨノカゼ（９番人気）が馬群の外から追い込んできて浮上。
ウリウリ（３番人気）は前を捕まえ切れずに５着、
ベルカントは最後の直線で伸びを欠いて１３着にそれぞれ敗れた。

勝ったストレイトガールはフジキセキ産駒の６歳牝馬。
５月のヴィクトリアマイルに続き、２つ目のＧ１タイトル獲得となった。
昨年のシルクロードＳ勝ちを含めると獲得した重賞タイトルは３つ目となる。
昨年のこのレースは２着で、続く香港スプリントでも３着に入っている。
今年もこの後は香港に遠征すると見られている。

レース映像はこちら（ＪＲＡ公式サイトより）