誘導馬廃止?


日頃、中央競馬を見ている感覚のまま、
地方競馬を見ると驚かされるものがたくさんあったりします。
そのギャップが少ない地方競馬の例の1つが岩手競馬で、
私などはその岩手競馬における中央競馬とのギャップの少なさに
反対に驚いてしまう人だったのですが···。
その一方で「対JRA」の姿勢が
今日の事態を招いてしまった側面もある事も
否定してはいけないのですが。

そんな岩手競馬に関してこんな情報を目にしました。
20日(水)付のオッズパーク·テシオブログです。

ルネッサンス(オッズパーク・テシオブログ)

誘導馬が廃止されるかもしれないとの事。
現在の誘導馬は廃止されたらどこへ行ってしまうのか?
という心配もありますが、
ここではもう少し別の視点から・・・。

以前、「旧日記」の時に少し書いた記憶があるのですが、
競馬開催中の東京競馬場では
朝の開門直後から来場すると、
ゴール板前付近で誘導馬が出迎えていて、
顔を撫でたり、間近で写真を撮ったり、
という事が可能です。
その誘導馬に騎乗している職員の方で
とても話し好きな方がいて、
(東京競馬場には意外にそんな人が多かったりします)
その方がこんな話をしてくれた事がありました。

―武豊、岡部幸雄、横山典弘、柴田善臣。
こうしたリーディング上位の騎手たちが時々、
馬場入場後、すぐに返し馬に入らずに、
誘導馬の後ろをゆっくりと歩いている時がある。
その時の騎乗馬は確実に上位に入線する。―

JRA職員の方による貴重な「馬券指南」話ですが(笑)、
この方によれば、彼らのような実力のあるジョッキーたちは、
誘導馬の後ろを歩く事が、
馬を落ち着かせる効果をもたらす事を知っているのだとか。
誘導馬というのは、単にレースの演出上の理由で
存在している訳ではない事が分かります。
なるほど、出走前の馬の精神状態を左右する存在だったのか・・・。

かつて、私がまだ競馬初心者だった頃に見た地方競馬は、
馬場に入ってきてもすぐに返し馬に入ったりせず、
ゆっくりと歩いて入場したものでした。
本当は中央競馬も、地方競馬もルール上は常歩で
入場しなければいけないのですから、
当然といえば当然なのですが・・・。

(参考)
日本中央競馬会競馬施行規程
第87条第2項
―騎手は、馬場取締委員の命ずるところに従い、
騎乗して常歩で馬場に出なければならない。―

もっとも私が競馬を見始めた頃、
中央競馬では既に馬場に駆け込むように入ってくるのが
当たり前の光景になっていましたので、
地方競馬の馬が大人しく馬場に入ってくる姿が
とても奇妙に思えた事を覚えています。
その地方競馬でも馬場入り後、
しばらく常歩という馬が少なくなりましたよね。
高知競馬なんかパドックの中から既に駆け出してしまっているし。
(あれはいつ頃からなのでしょう?
高知競馬に詳しい方、ご教授を。)
中央から移籍してきた馬が増えたからなのか?
出走馬の血統的背景や
育成段階の過ごし方が変わったせいなのか?
詳しい理由は分かりませんが、
こういう状況だからこそ、
出走馬の精神状態を落ち着かせる誘導馬の存在は
レースそのものの結果をも左右する気がするのですが
どうなのでしょうか?
「経費節減」とはいえ、
レースの結果に影響を与える存在を安易に無くしていいものなのか?

でも、それを言い出したら「賞金カット」という「経費節減」の手段も、
調教師・騎手・厩務員などといった関係者のモチベーションを下げる、
という意味ではレースの結果に影響を与えかねないものだしなあ。
「誘導馬廃止」もレースの結果を左右する云々では、
太刀打ちできる議論ということではないのかもしれません。
「誘導馬廃止」の話が出ている地方競馬は岩手だけだと思いますが、
(岩手もまだ「検討段階」だと思いますが)
岩手競馬の置かれている状況がこんなところまで来ている、
というのを改めて実感されられる話でした。

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プロフィール

菅野一郎
(かんのいちろう・本名同じ)
「もっと競馬をやりたいな」で、
「第1回Gallopエッセー大賞(2005年)」において、
佳作を受賞。
現在、競馬読み物Webサイト
「WEEKEND DREAM」管理人を務める。
時には厳しく、時には温かく愛情を込めて、「競馬の未来」を語ります。

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