新潟で思った―「代替開催２日間」の使い方―

私の「ミニレポート」で、
騎手クラブ主催の新潟県中越沖地震被災地支援イベントを
批判していると思われる方がいるかもしれませんので少々。
そのようなつもりは全くありません。
運営というか、要は会場の設定に少し疑問を抱いただけですので。

このところ、競馬好きの関心事が
「馬インフルエンザ」になっている感がありますが、
新潟競馬場で騎手や様々な関係者たちが一番訴えていた情報は、
明らかに「新潟県中越沖地震」であったように思えます。

被災地の支援はもちろん、
地震の被害を受けなかった地域での「風評被害」も払拭したい。
新潟競馬場などはまさに被害がなかったところなのですから・・・。
そう言えば１８日（土）、１９日（日）の競馬開催中止の時、
月岡温泉のある旅館で、
女将が「競馬中止」が理由で「宿泊キャンセル」の電話をため息交じりで
受けているシーンがテレビの全国ニュースで流れていましたね。
地震の「風評被害」に加えて「競馬中止」のダブルパンチ。
ＪＲＡの１０競馬場の中で、
地元自治体・企業による観光キャンペーンが
最も盛んな競馬場は新潟だ、
と以前にも書いた事がありますが、
ある意味、それだけ「競馬」が頼りにされている証拠でもあります。
だからこそ、ジョッキー達も立ち上がったのでしょう。
２５日（土）に撮った写真で申し訳ありませんが、
印象に残った１枚だったのでご紹介。

前日付でもご紹介した２５日（土）のチャリティーオークションですが、
会場の設営や出品するグッズ等の運搬を、
ジョッキー達自らが中心になって行っていました。
こういうイベントは何度も見ましたが、
会場の設営などは某代理店のスタッフ達が行うのが通常です。
その仕事をジョッキー達自ら行うとは・・・。
そして後藤浩輝騎手とともに司会を務めた福永祐一騎手が
オークションの最中にこんな一言・・・。

「大きい声で競るのが恥ずかしい方は手を挙げてください。
若手（騎手）を行かせますから、こっそり金額をおっしゃってください。」

本当に騎手たちが主体となって、
このイベントを実行していることを改めて実感。
翌２６日（日）のチャリティーゼッケン販売の時も
騎手たちがズラリと並び、購入者たちと握手。
私も柴田善臣騎手、田中勝春騎手、
蛯名正義騎手、後藤浩輝騎手その他の人たちと握手を交わしましたが、
真剣でしたよ、その騎手も。
特に善臣さんの手の感触からは、
この事態に騎手としてすべき事は？を色々考えている、
そんな何かを感じましたね。

新潟でそんな様子を見たり、触れたりしながら、
ふとある事を考えました。
１８日（土）、１９日（日）に中止になった分の
代替競馬の日程がまだ決まっていません。
馬インフルエンザ騒動の沈静化を待たないと
代替競馬の日程は決められないものなのかもしれません。
一定期間内にやらないと
その権利がなくなってしまうものなのかもしれません。
でも阪神大震災の時などは時間が経ってから、
「震災復興支援競馬」として、
京都競馬場で２日間だけ競馬開催を行ったことを
はっきりと覚えています。
新潟中越沖地震における「震災復興支援競馬」に、
この新潟の代替開催２日分を充てて、
新潟競馬場で競馬開催できないものでしょうか？
東西２場のみで開催予定の週末をうまく利用すれば、
日程が組めそうな気もするのですが・・・。
特別に今年のみ限定のJpn３戦を１鞍組んでみたりとか。
出来れば小倉も、札幌も似たような形でやって欲しいですね。
小倉は可能かもしれません。
でも札幌は難しいかなあ・・・。
気候が厳しくなるし、
道営・ホッカイドウ競馬との兼ね合いもあるし・・・。
でもせっかくの「代替分２日間」を
是非とも何とか有効な形になるように工夫して頂けるよう、
ＪＲＡに強く希望します。