再びホッカイドウ競馬の話
お待たせしました。
今朝、予告していた古谷剛彦さん、坂田博昭さんの記事について、
感じたところを少々。
もう一度、記事をリンクしましょう。
6日の道新記事から始まり… (楽天競馬・日替わりライターブログ)
お2人ともホッカイドウ競馬に関しては、
様々な形で仕事をされています。
特に古谷さんの記事は、
地元の状況を知る上では最も的確かもしれませんね。
古谷さんの記事を読んで初めて知った事がいくつかあります。
―旭川のナイター設備は道のもので、取り外しが可能なので、
これを門別に移動させ、門別の方がコースが広いので
あと何塔かは新たに作る形にはなるでしょう。―
旭川にあるナイター設備って、
取り外し可能なのか・・・。
それじゃあ、道営が旭川から撤退して、
再び旭川でばんえいを、と思っても、
ナイター開催はばんえい側で用意しない限り、
無理ですね。
って、それ以前に復活の可能性の方が低いけど。
ついでを言えば、
「門別でナイターをやるなら札幌でやれ!」
というご意見が多いのもこれで分かったような気がします。
旭川で取り外したナイター照明の運搬先は門別ではなく、
札幌であるべきだろう、という話ですから。
もっともJRAがOKを出すとは考え難いけど・・・。
それからこの話は道新の記事にはなかったような・・・。
―スタンドも、門別を本場化していく方向で、
ブリーダーズGCなどのビッグレースも行う訳ですから、
当然スタンド増築は視野に入ってのこと。
ナイター施設やスタンドの増築
(2000~3000人の集客能力を見込むものになりそうです)、
ビジョンの設置などに関しては、
馬産地が補助事業を活用した上で、
低コストで整備をしていくことになります。―
門別競馬場のスタンド増設って、
お金の問題は抜きにしても
あの構造では相当難しそうな気がするのですが・・・。
測量とかをやった訳ではないですが、
敷地内に増設出来るスペースがそんなにありましたっけ?
スタンドはあのままの大きさで何とかするより
仕方がないのでは?
ちょっとイメージが沸かないのですが・・・。
それでも今年も私自身足を運んだ旭川の街を
思い出してみるとこの部分は納得だったりして・・・。
―駅前の買物公園で騎手たちが勝負服を着て
日程表がついているティッシュを配布したことがありましたが、
市民の大半は興味なし。
この年の数ヶ月前に、札幌駅付近で同じことを
実施した時とは雲泥の差でした。―
「競馬場がある街」の空気がほとんど感じられないのですよ。
競馬場への直通バス乗り場の場所を考えれば納得ですけどね。
あまり市民に根付いているとは言えない気がします。
「旭山動物園のある街」という認識はあっても、
「旭川競馬場のある街」という部分は
もしかして認めたくないのかもしれません。
馬産地ではない、という事情もあるのかもしれませんが・・・。
その意味では「門別」が選択肢として妥当か、どうかは別にして、
「旭川撤退」は仕方がないかな?という気はします。
もしこの日記をご覧の方で、
旭川またはその近郊に在住の方がいらっしゃったとしたら、
申し訳ありませんが・・・。
坂田さんが次のようなことを書かれています。
―ホッカイドウ競馬は、今回の方針で
これまで以上に大きく舵を切った形になるわけですし、
公営競技の商売としての可能性を試す巨大な、
そして強く成功が求められるテストケースになると、
私は見ています。―
私は少々この部分についての認識は違います。
道営は岩見沢、帯広から撤退して、
門別トレセンを競馬場化した時、
既にその意図を持って実行に移していた筈。
だからあれだけ小さなスタンドでも大丈夫だと判断した、
というのが、当時の各種報道に基づく私の認識です。
しかも道内でも冬場は雪が少ないという点を活かして、
冬場の開催を行おうと試みたのですから・・・。
雪で来場者がいなくても、
場外で買ってくれれば・・・、というのが狙いだったと聞いています。
そしてその狙いは残念ながら外れてしまった。
今回の方針を批判する人たちも、
恐らくその点を指摘してくるでしょう。
ただ坂田さんが書かれている「大きな舵」とは別の意味で
もう一度トライしてみる価値はあるかもしれません。
あの当時は大井のふるさとコーナーもなかったし、
道内にAibaなんてものもなかった筈。
更に当時はなかったインターネットなどというものも
今はあります。
「門別競馬場」開設時よりも今の方が環境は整っている筈ですから。
但しその際、考えておかなければならない点があります。
恥ずかしながら、
私が門別競馬場という場所に行ったのは、
今年の5月、ゴールデンウィークの時が初めてでした。
でもそのゴールデンウィークだったからこそ、
感じた事がありました。
今、日本中のどの競馬場でも「集客」の際にターゲットのひとつとして
考えていると思われる、ある層があります。
「親子連れ、家族連れ」
ピクニック気分で弁当を広げながら、
馬が走る姿を楽しむ。
門別競馬場にこうした層を受け入れることができるスペースが
果たしてどのくらいあるでしょうか?
若干のスペースはあるとは思いますが、
こんな層を大勢受け入れるだけの場所、施設になっているでしょうか?
あるいはこんな場所としては成立するでしょうか?
「若い男女がデートコースとして訪れる」
競馬場の周囲は牧場だらけ。
2人とも余程競馬好きではない限り、
札幌など道内主要都市からこうした目的で車を飛ばしたり、
高速バスに乗ったりして訪れる場所ではないような・・・。
つまり門別競馬場に足を運ぶ層の大半はこういう人たち、
という事になるのだ、と思います。
「かなりコアな競馬好き」
もともと道営が「売り」としているものの一つが
「2歳馬戦」です。
あの活躍馬の産駒の、全弟の、半弟の、全妹の、半妹の・・・、
その走りに注目する「2歳馬戦」が、
JRAよりも、他地区地方競馬よりも早く、
その年の4月から行われる。
そしてその「2歳馬戦」で強い勝ち方をした馬たちは、
JRAや南関東などにトレードされる。
だからこそ、こうした馬たちが2歳のうちに見ておかねば・・・。
「かなりコアな競馬好き」にとっては当然の心理です。
だがその魅力が「ピクニック気分」「デートコース」を求める層に
果たして伝わるものなのか?
限りなく無理に近いと思います。
恐らくAiba、大井のふるさとコーナー、インターネット、
いずれの客にもならないでしょうし、
門別競馬場にもなかなか足を向けてはくれないでしょう。
むしろまだ客になっていない
「かなりコアな競馬好き」を更にどれだけ掘り起こすことが出来るのか?
中央、地方を問わない「競馬好き」のマニア心を刺激して、
どれだけ馬券を買ってもらうのか、
が大きなポイントになるのではないでしょうか?
こうした「コアな層」は、
北海道運営改善対策室企画の「サポーターズクラブ」のおかげで
既にかなり掘り起こされているような気がします。
でも更に新たに獲得する努力をするしかないでしょう。
私のサイトを普段からご覧の方は、
「競馬好き」の総数のうち、ごく僅かな比率に過ぎませんが、
そんな「ごく少数」の人たちの中にも、
SPAT4・オッズパーク・楽天競馬のいずれにも加入していない人が
結構いらっしゃいますから、
まだ需要を掘り起こす余地はあるのかもしれません。
こうした層を新規開拓したとしても、
存続の為の条件を満たす事ができるのか、どうか?
この点については今の私には分かりません。
それでも方向性はきっとここにしかありません。
かなり厳しい状況ですが、
この方向性に「存続」を賭けるしかない。
今のホッカイドウ競馬の置かれた状況はそんなところなのだと思います。
この「旭川撤退、新公社化」の話は、
まだ決定ではない模様。
事態が二転三転する可能性もあるかもしれません。
でもこの道営競馬の状況だけはどう転んでも変わらない。
そんな認識を持ちつつ、今後の動きを見守りたいと思います。
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