ジャパンカップの結果について考えた


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いつもは競馬場から帰ってくると
すぐに画像と動画をPCに取り込む作業を始めるのですが、
日付が変わった翌朝になっても
その作業に着手できていません。
今年のJCは色々な意味で疲れました。
最終レース後もすぐに帰らず、
席に座ったまま呆然としている人が多かったように思えました。
恐らく同じ理由でしょうか。
帰宅後、夕食を取った後はフテ寝・・・。
実はこの日も馬券収支はプラスだったのですけどね。
でも馬券で負けた日と同じような気分でした。

このジャパンカップの結果については
自分の考えをまとめておく必要があると思います。
しかし「新・競馬ニュース」の「論説」で書けるほどの
自信がありません。
そこでこの日記で書くことにしました。
前提としてご理解頂きたいことがあります。
あの審議の結果がどうなっていても
私のジャパンカップにおける馬券はハズれています。
またあの上位2頭について
私は全く利害関係者ではありません。
(出資しているとか、
厩舎に知り合いがいるとかではありません)

今回の1件ですぐに思い出したのは
2008年のオークスです。
この時は勝ったトールポピーが審議対象となりました。
結果は到達順位通りで確定。
但し鞍上の池添謙一は騎乗停止処分となりました。

当時の私はこの1件に非常に怒りを覚えました。
同様の状況で降着となったケースが
何度もあったように思えたからです。
このサイトでも書いた気がします。
しかしこの直後、
「着順は変更しないが、騎手は騎乗停止処分」
というケースが海外では少なくないことを知りました。
日経の野元賢一記者の当時のコラムにも
そのような話が出てきます。

(08/6/2)裁決という迷宮 オークスの審議を巡って(サラブネット)


この記事を読んでも当時は全く納得できませんでした。
「降着」とすべきものはしっかり「降着」としてこそ、
「公正確保」が維持できる。
日本の競馬産業において
「馬券の売上」というものは大きな基盤であり、
こうした裁決がしっかり出来ないとなると
日本競馬そのものが危機に陥る可能性がある。
当時はそう思っていました。

今回のブエナビスタの件ですが、
トールポピーの時よりも「アウト」であるのは
明白だと思います。
それでもクリストフ・スミヨンの派手なパフォーマンスに
場内が多くの拍手と歓声に包まれる中、
その盛り上がりに水を差すような形となる審議結果。
素直には喜べない表情の関係者たちが並ぶ表彰式。
通常とは逆に表彰式後に行われた口取り。
(繰り上がったローズキングダムは既に引き上げていましたので)
そしてその表彰式の最中に1コーナーから
密かに行われていた最終レースの馬場入場。
その最終レース発走時刻の遅延。
到達順位通りに確定していれば
こうした混乱は全く起こらなかったのですが・・・。
こうした状況を見ながら思い出したのが
トールポピーの件と当時の野元記者のコラムでした。
「着順変更なし・騎手には厳罰」という結論であれば、
今回のジャパンカップはこれほど混乱しなかったでしょう。

「着順変更なし・騎手には厳罰」という海外のやり方は
「ルール」の問題ではなく、
「ルールの運用」の問題ですから、
日本でも可能だと思います。
前例もありますしね。
ラフプレーの有無・程度、
そしてその基準については
その騎手に対する「罰則」の重さで示せばいいのですから、
ネット上も含めて議論されている問題点は
かなり解消されるかもしれません。
しかし当事者(馬主・厩舎関係者・騎手など)が果たして納得出来るのか?
そしてもちろん該当馬絡みの馬券を買ったファンも納得出来るのか?
その点は私にはわかりません。
海外との「競馬文化」の違いが背景にありますので、
同様の方向性に落ち着かせるにはかなりの時間が必要でしょう。
一方で今回の審議対象となったのは外国人騎手。
他にもヴィクトワールピサなど、
議論となる進路の取り方をしたのも全て外国人騎手でした。
彼らは「着順変更なし・騎手には厳罰」という競馬に慣れています。
18頭中12頭にこうした外国人騎手が乗っているのですから、
今回の事態は起きて当然の事態だったのかもしれません。

JRAは「着順変更なし・騎手には厳罰」という方向に方針変更すべき、
と主張できるだけの自信が自分にはありません。
以前は全く反対のことを書いていましたし・・・。
しかしこうして競馬に「興行性」が求められ、
多数の外国人騎手が騎乗するようになった今、
方針変更を検討すべき時期に来ているように思います。

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プロフィール

菅野一郎
(かんのいちろう・本名同じ)
「もっと競馬をやりたいな」で、
「第1回Gallopエッセー大賞(2005年)」において、
佳作を受賞。
現在、競馬読み物Webサイト
「WEEKEND DREAM」管理人を務める。
時には厳しく、時には温かく愛情を込めて、「競馬の未来」を語ります。

※「プロフィール詳細・経歴」もご覧ください

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