この問題の本質は別の所にあります


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本日は自宅アパートにおります。
9月になってしまいました・・・。

こんな記事を見つけました。
Twitterでも少しだけ触れましたが・・・。


【競馬サイドストーリー】「世界の武豊」も超えられぬ 地方競馬ジョッキー大記録の壁(MSN産経ニュース)


この記事を書いた人は肝心なことを忘れています。
その点を無視して、
藤田伸二騎手の著書に書かれている話と結びつけてはイカンと思うのですが・・・。


的場文男騎手(大井)は昨年、地方競馬で1,243回騎乗しています。
「全盛期」とは言えない現在でも、騎乗回数は1年間に1000回を超えています。
一方の武豊騎手(JRA)が中央競馬において、
1年間に最も多く騎乗した年は2004年で、その年の騎乗回数は912回。
この頃の武豊騎手はまさに「全盛期」でした。
しかしその「全盛期」でも、
彼は中央競馬において、1年間の騎乗回数が1000回を超えたことはありません。


南関東・大井競馬所属の的場文男騎手は、
毎週月曜日から金曜日まで5日間、レースに騎乗する機会があります。
一方、武豊騎手が所属するJRAが競馬開催を行うのは、
原則として土曜日・日曜日の2日間。
年間に騎乗可能なレース数がそもそも違うのです。
その点を無視して、馬主事情や厩舎事情の違いを指摘するというのは・・・。


藤田伸二騎手の著書と絡めた指摘をするのであれば、
若手騎手の騎乗機会確保の為に、

「中央・地方双方の騎手免許制度を一本化して、
騎手免許を持っている人は中央・地方のどちらのレースにも騎乗できるようにする」

とか、

「JRA所属騎手が地方競馬で期間限定騎乗出来るようにする」
(もちろん反対に地方競馬所属騎手にJRAでの短期免許を交付することも必要ですが)

とか、そんな話なら理解できるのですが。
若い騎手がレベルアップするには、1鞍でも多く騎乗出来るようにすべきなのですから。

日本にJRAや大井競馬、川崎競馬など、数多くの競馬主催者があり、
騎手がそれぞれの「所属」に縛られている事こそがこの問題の本質なのです。
かつて、安藤勝己さんが笠松からJRAに移籍する際に浮上した
「ダブル免許問題」に関連して、
当時の武豊騎手がある競馬雑誌の取材に対し、こんな風に答えていたのをご存知でしょうか。

「ダブル免許を取得して、平日は大井で騎乗したいです」

実現していれば、大井で的場文男騎手と武豊騎手の叩き合いを見ることが
出来たかもしれなかったのになあ・・・。
この「ダブル免許制度」の話、最近は指摘をする人がいないのが残念です。
どうしてなのでしょうか?


話は変わりますが、藤田騎手の著書については、
この日記で以前にも一度取り上げています。


(書評)「騎手の一分」(藤田伸二氏著)


当時も書きましたが、
「藤田伸二という騎手が言っていることなのだから間違いない」などと、
彼の主張を絶対視すべきではないと思います。
「ホースマン」と呼ばれる立場の人が10人いれば、10通りの考え方があっても不思議はない。
それが「競馬」なのです。
どうもこの著書について、
「内容を鵜呑みにする人」「内容を全否定する人」と反応が両極端なのが気になります。
「そんな風に考える騎手もいる」といった程度に受け止めるべきではないかと思うのですが。


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プロフィール

菅野一郎
(かんのいちろう・本名同じ)
「もっと競馬をやりたいな」で、
「第1回Gallopエッセー大賞(2005年)」において、
佳作を受賞。
現在、競馬読み物Webサイト
「WEEKEND DREAM」管理人を務める。
時には厳しく、時には温かく愛情を込めて、「競馬の未来」を語ります。

※「プロフィール詳細・経歴」もご覧ください

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