新潟記念の話

やや出遅れ気味の話ではありますが、７日（日）の新潟記念について少々。
もちろん、「裁決」の話です。

私は、勝つために「手段を選ばない」「なりふり構わず」という考え方が、
それほど嫌いではありません。
負けた後につまらない言い訳をされるよりも、
「手段を選ばない」「なりふり構わず」の形で勝ってくれる方が好きだったりします。

でも、物事には限度というモノがある訳でして・・・。
「手段を選ばない」と言っても「やってはいけない事」は存在します。
表現を変えると「なりふり構わず」というモノは
ルールという歯止めがあるからこそ言える話でもあります。
その歯止めなしに「手段を選ばない」「なりふり構わず」などと言っていたら、
もうその時点で競馬は「競技」ではなくなります。
「進路がなかったのだから、あのローウィラー騎手の乗り方は仕方がない」
などと言っていたら、「競技」としての競馬を否定することになりかねません。
斜行などという手段を用いずに人気馬・有力馬の進路を塞ぐ、という事は、
騎手が持つ技術の一つであり、
騎手同士の駆け引きというものの結果でもあるのですから。

「ローウィラー騎手は２３日間の騎乗停止処分を受けたではないか」
とおっしゃる方もいるかもしれません。
でもマーティンボロの勝利は認められたのです。
こういう勝ち方を「勝利」として認める、
ということの意味をＪＲＡは果たして考えているでしょうか？
騎手の騎乗停止と引き換えの形ならこんな勝ち方はＯＫ、
などという汚い考え方が浸透する可能性について、ＪＲＡは認識しているでしょうか？
賞金が高いレース、グレードが高いレースほど、
そんな認識になる人が増える可能性もあります。
果たして、それでいいのでしょうか？
そんな汚い考え方をＪＲＡは容認するのですか？
単に「裁決が」「裁決委員が・・・」という話ではなく、
ＪＲＡそのものの権威に関わる話だと思うのですが。