悪者になって書きます


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本日10R(木)も自宅アパートにおります。

お断りしておきますが、
今日の日記は非常に長く、そして重い内容となります。
「勤務先で休憩時間に息抜きに・・・」という方には向かない内容だと思います。
本当は「新・競馬ニュース」に「論説」として書くべき話かもしれませんが、
現時点ではそこまでの材料を集めることができないと思われますので、
日記の方で取り上げたいと思います。

先月から「新・競馬ニュース」で、
ばんえい競馬の厩舎関係者による馬券購入問題を取り上げてきました。

まず、帯広市ばんえい振興室に問い合わせを行い、
2月13日(土)にその回答がありました。



そしてその後、他の地方競馬主催者に問い合わせを実施しました。
回答があったのは、大井、金沢、高知、船橋、佐賀の各主催者からでした。










大井と金沢からは最初の問い合わせで、
高知からは2度目の問い合わせで、
そして船橋と浦和からは3度目の問い合わせでそれぞれ回答を頂くことができました。

各主催者に2度目の問い合わせを行った際に、
オッズ・パーク株式会社と競馬モール株式会社(楽天競馬)にも問い合わせを実施。
さらに3回目の各主催者向けの問い合わせ時に、
地方競馬全国協会(NAR)、日本中央競馬会(JRA)にも問い合わせをしました。
オッズ・パーク株式会社と競馬モール株式会社(楽天競馬)にはこれまで3回、
地方競馬全国協会(NAR)、日本中央競馬会(JRA)には
これまで2回、問い合わせています。
いずれもまだ回答はありません。
NARとJRAに関しては、「個々の問い合わせには回答しない」ということを承知の上で、
問い合わせを行っています。
まあ、私自身に回答してくれなくても、
「公式サイトやプレスリリースで見解を表明して頂ければ・・・」と思っていますので。
こういう行動に出ると私に何らかのメリットが生まれるような
バーター取引のような話を持ちかけられるケースがありますが、
別に「手柄」とか、「評価」とか、そんなモノは求めていません。
逆にそのような話はお断りをしています。
競馬が健全な形で運営され、未来に繋がることが私の願いですので。
その意味で、真摯に回答して頂いた、
大井、金沢、高知、船橋、浦和の各主催者の方々には感謝致しております。


何故、私が3月に入ってもこの話を続けているのか?
という一部の方から頂いた疑問にお答えします。
この問題は「帯広(ばんえい)だけで起きたこと」で片付けてはいけない、
と考えているからです。
オッズパークも、楽天競馬も、ばんえい競馬だけではなく、
他地区で行われる平地競馬の馬券も購入できるサイトです。
回答があった5つの主催者からの回答を見れば、
「帯広以外でも起こりうる話」であることがお分かり頂けるのではないでしょうか?
現状では個人情報保護やセキュリティといった課題のために、
厩舎関係者による会員登録をチェックする術がありません。
大井からは「(厩務員の)認定時に地方競馬電話投票への加入状況を確認し、
加入している場合は解約させている」との回答がありましたが、
これはあくまで厩務員になる時の話であり、
厩務員になった後の行動については触れられていません。
また調教師や騎手については全く言及がありません。
残念ながらこれでは不十分と言わざるを得ません。


ばんえいの事件では、「馬券で儲けた者が1人しかいなかった」という報道があり、
「だから問題はないのでは?」という意見も耳にします。
でも問題なのは「不正に収入を得ているから」ではなく、
「馬券を買うことができる」ということが
八百長という大きな問題に発展しかねないという点ではないでしょうか。
ここ2~3日、また野球賭博の話が世間を騒がせていますが、
巨人の高木京介投手は「野球賭博で50万円から60万円負けている」と報じられています。
負けていても許されることでは決してないのです。


話を競馬に戻します。
本当はこんな話は全く楽しくないし、ご覧になられている皆さんも不愉快かもしれません。
でも今回の事件を本当に「帯広だけの話」で終わらせていいのでしょうか。
他の競馬場でも起こりうる、システム上の抜け穴が明らかになったのに、
その点を指摘する人が1人もいません。
これは全ての地方競馬に共通する問題だと思うのですが・・・。


何故、多くの人が「帯広だけの話」にしたがるのか?
私は3つの理由があると思っています。
ひとつは実際に事件が起きた帯広で行われているばんえい競馬の特殊性でしょう。
そして二つ目はその特殊性が原因で、
情報が北海道新聞などといった、
地元メディア発のものばかりになってしまっているからではないでしょうか。
そして三つ目はこうした点をファンやメディア関係者が指摘すると、
その人が「競馬に対する愛情がない」と悪者扱いされてしまうからだと思います。


3番目についてですが、私自身も今回の行動に関連して、メールでご指摘を頂きました。
でもその方にはこう回答しました。

「でも帯広では起きてしまったのですよ」

調教師や騎手がそんなことをする筈がない。
ホースマンがそんなことを考える筈がない。
私がこの活動をスタートしてからの16年間、
競馬界における不祥事に関連して何かを指摘する度に、
こんなご意見を耳にし続けてきました。
競馬場で馬券を買い、レースを楽しむファンは「・・・する筈がない」でいいかもしれません。
でも主催者や馬券を売る立場の人が「・・・する筈がない」という姿勢で許されるでしょうか。
私はその点に疑問があります。


私一人が悪者になることについて、
果たしてどの程度の価値があるのか、よくわかりません。
でも今回は悪者になって、これだけは書いておきたいと思います。

「JRAの馬券はよく買うけれど、地方競馬は買わない」という人がいます。
その理由は色々あります。

・馬券に費やすことができるお金には限りがある

・平日は仕事だから競馬場には行けない

・JRAに比べて情報が少なく、走っている馬もよくわからない


こうした話は様々なメディアで語られていますし、
私自身もこのサイトで何度も書いてきました。
でも次のような理由で「地方競馬の馬券を買わない」という人もいます。
多くのメディアはその存在を知りながら指摘していませんでした。
私自身も書く勇気がありませんでした。
でも今日は悪者扱いされてでも書いておきます。
それはこんな理由です。


「地方競馬における、公正確保に対する取り組みに疑念がある」


今回のばんえい競馬における事件は、
その疑念を増幅させてしまった、と言わざるを得ません。
そしてその疑念をばんえい競馬だけに押し付けようとする、
NARやオッズパーク、楽天競馬の姿勢にも疑問を抱いています。
この事件の構造を考えれば、
同様の事件が他の競馬場でも起こり得る可能性について、
簡単に想像ができる筈です。
必要なことは「教育」「研修」だけではないでしょう。
「監視」「チェック」も必要です。
人間は誰もが過ちを犯す可能性のある存在なのですから。


誤解がないように書いておきますが、
私は「地方競馬よりもJRAの方が、公正確保への意識が高い」とは思っていません。
昨今の騎手エージェント業に関与する専門紙のトラックマンや
スポーツ紙・夕刊紙の記者の存在に対しては、若干の疑念を抱いています。
しかし「厩舎関係者の馬券購入」が発覚してしまった地方競馬に対する疑念は
JRAよりも大きいと言わざるを得ません。

競馬ファンはサッカーのサポーターなどのように、
ブーイングを浴びせることはないかもしれません。
でも黙って競馬場から姿を消し、見向きもしなくなります。
その怖さをそれぞれの地方競馬における関係者は理解できているでしょうか。
今回の帯広における事件とその後を見ていると、
私は大きな不安を感じずにはいられません。



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プロフィール

菅野一郎
(かんのいちろう・本名同じ)
「もっと競馬をやりたいな」で、
「第1回Gallopエッセー大賞(2005年)」において、
佳作を受賞。
現在、競馬読み物Webサイト
「WEEKEND DREAM」管理人を務める。
時には厳しく、時には温かく愛情を込めて、「競馬の未来」を語ります。

※「プロフィール詳細・経歴」もご覧ください

私・菅野へのご連絡は以下のメールアドレスまでお願いします。
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