JRAさん、それでいいのですか?
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9日(土)の中山11Rニュージーランドトロフィー(G2)で、
また「騎手は騎乗停止だが、失格・降着はなし」という裁決がありました。
加害馬ストーミーシーの鞍上を務めた江田照男騎手は
16日間の騎乗停止処分となっています。
パトロールビデオを見ましたが、
江田照男騎手の処分についてはやむを得ないと思います。
2013年のルール改正以降、
「騎手は騎乗停止だが、失格・降着はなし」という裁決事例は何度も発生していますが、
今回はこれまでとは少々異なる意味を持っていることに、
皆さんはお気付きでしょうか?
加害馬ストーミーシーは2着でした。
このニュージーランドトロフィーはNHKマイルカップ(G1)のトライアルレースです。
2着ということで、ストーミーシーはNHKマイルカップの優先出走権を獲得しました。
この競走が旧ルールで行われていて、降着となっていたら、
ストーミーシーに優先出走権が与えられません。
「降着になる」のと、「降着ではない」のとでは、雲泥の差があるのです。
被害馬の関係者にとって、
「走行妨害をした馬がG1の優先出走権を獲得する」
というのは、果たして納得できることでしょうか?
今回のケースは、悪しき前例を作ってしまった可能性があります。
トライアルレースで何が何でもG1の優先出走権を獲得したい、
という陣営が騎手に対して、
騎乗停止処分を受けるようなラフプレーを犯してでも
指定された着順以内を確保するよう指示する。
今回の事態はこうした行為が事実上、容認されたことを意味するのです。
本当にいいのでしょうか?
下手をすると、こうしたラフプレーが関係者の間では「好騎乗」という
評価になってしまう恐れもあるのです。
馬主なら誰でも自分の馬がG1競走のゲートに入る姿を夢見るでしょう。
その為なら、他の人馬がどんな危険な目に遭っても構わない、
と思われる人が現れるかもしれないのです。
JRAさん、本当にそれでいいのですか?
競馬がどんどん違う方向に進んでしまいますよ。
今年のニュージーランドトロフィーは、
2013年に改正された「失格・降着」のルールが持つ新たな問題点を浮き彫りにした、
と言っても過言ではありません。
「騎乗停止を覚悟で優先出走権を獲得する騎手」などという話を
美談にしてもいいのですか?
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