「競馬場のゴール板」と「軍服」
14日(水)夜、「新・競馬ニュース」でもご紹介した、
NHK-BS1「戦火のダービー ~名馬クリフジに乗った幻の騎手~」を見ました。
戦争という事態に陥る理由は色々あると思いますが、
「大衆文化の衰退」も原因の1つであることを教えられた気がします。
戦時中の「能力検定競走」は「軍馬」として優秀な馬を見極めるものであるという理由で、
軍部から100キロを超える斤量でのレースをやるように要求されていたり、
京都競馬場の屋根が「金属回収」の為に撤去されてみたり・・・。
当時の日本が「貧困な発想だらけの国」だったという事を、改めて教えてくれる番組でした。
NHKのドキュメンタリー番組としては演出上の「粗さ」を感じる場面もいくつかあったのですが、
逆にその「粗さ」から感じる怖さもありました。
特に怖さを感じたのは、
「能力検定競走」として行なわれた1944年の日本ダービーのシーン。
(番組の中心人物である前田長吉騎手騎乗のクリフジが優勝した翌年です)
「能力検定競走」は「競馬」ではありませんから、
馬券の発売はありませんし、スタンドには観客はいません。
代わりに東京競馬場には軍人たちの姿がありました。
その場面を描いた映像はこんな感じでした。
軍服姿の人物の向こう側に東京競馬場のゴール板がぼんやりと見えていました。
そのゴール板は現在の東京競馬場のものです。
当時のゴール板はあんな形ではなかった筈。
テレビの前でツッコミを入れようと思われた方もいたのではないでしょうか。
でも「もしそんなシーンが現在の東京競馬場で現実に起きたら・・・」と考えると、
少々怖くなりました。
「競馬場のゴール板」と「軍服」が同じ映像で描かれると、
競馬を楽しむことが出来る現在の私達が平和な世の中に生きていることを
改めて実感させられます。
絶対にそんな事があってはならないのです。
あのシーンは、番組のクオリティを考えるとあまり褒められるものではないでしょう。
でもその「粗い映像」が思わず想像してしまったことについて、
番組が終わった後もしばらく考えてしまいました。
今日は8月15日。
終戦記念日です。
この国がいつまでも競馬を楽しむことが出来る国でありますように。
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