その時代を知りたかった

今朝の「新競馬ニュース」からこの話題について少々。

福永祐一　父洋一氏の勝利数に並ぶ（新ＫＡＮＫＡＮの競馬ニュース）

何日か前から、福永祐一が父洋一氏の記録を超えそうだ、
という記事がスポーツ紙に出ていましたので
知っていましたが、
これは競馬メディアを中心に取り上げざるを得ない
記録だろうな、と思っていました。
９８３勝というのは区切りの数字とは言えないし、
福永祐一自身もサンスポでの手記で書いていたように、

ユーイチが父に並んだ！ＪＲＡ９８３勝達成（サンスポ、独占手記部分です）

プライベートな記録ですからね。
だからその意味は小さくありませんが、
それでも取り上げられるレベルに限界があるかな、
と思っていたのです。

でも実際は違いました。
ＪＲＡの公式サイトにも載りました。

開催競馬場・今日の出来事、明日の取消・変更等（ＪＲＡ公式サイト）より

阪神競馬場ではウイナーズサークルで
インタビューも行われた模様。
ＪＲＡもこの記録を大切に取り扱っていたようですね。
福永洋一元騎手の偉大さを思い知らされた気がしました。

私は福永洋一という騎手の現役時代をリアルタイムでは
知らない世代です。
競馬を始めてから本で読んだり、映像で見たり、
人から話を聞いたりして、
その「天才」ぶりを知りました。
だからなのでしょう、
この扱いの大きさに驚いてしまうのは。

かつて競馬学校卒業予定者が
競馬場で実施した模擬レースに、
デビュー前の福永祐一が登場した時のこと。
パドックで馬に跨った彼に、
大声で叫び続けているオッサンがいました。
その容姿は見るからに「馬券オヤジ」そのもの。
でもその叫んでいる内容は、

「裕一、ガンバレよ。オヤジの分も！！」

そのオッサン、目が真っ赤だったのを覚えています。
恐らく洋一氏が現役だった時代から
競馬場に足を運んでいたのでしょう。
そんなオッサンを熱くさせる騎手だったのですね、
福永洋一という人は。
その時代を生で知りたかった、
その時そんな気持ちになりました。
ちょっと悔しいというか、何というか・・・。

息子の福永祐一という乗り役は
洋一氏と比べるとどうなのでしょうか？
私は洋一氏の現役時代を知らないので
何とも言えないのですが・・・。
ただ、私がリアルタイムで見る事が出来る
福永祐一という騎手は、
競馬場のイベントで司会を務めたり、
地方競馬の予想イベントにも参加したりと、
競馬の面白さをジョッキー目線で伝えたい、
という気持ちを持っている騎手のように思えます。
彼は彼なりの存在感を競馬社会に残しているような
そんな印象をがありますね。

こうして競馬も歴史を積み上げていくのでしょう。
いずれは私も過去の「天才」「名騎手」と
呼ばれた人たちについて語る日が来るのかもしれないし。
これからも競馬を続けていかないとイカンですね。
この時代を生きた人にしか語る事のできない「競馬」
がきっとあるのだろうしね。