(書評)「競馬界に喧嘩売らせていただきます!」(水上学氏著)


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そろそろ「競馬商店」の「オススメ商品」を変えないといけないですね。
おかげさまで地味に売れている「競馬商店」。
もっと何か工夫したいなあ、と思っているのですが、
なかなかじっくりと物事を考える時間を作る事が出来なくて・・・。

今日はその「競馬商店」の中から、
何冊かお買い上げ頂いた実績のあるこの本をご紹介。

「競馬界に喧嘩売らせていただきます!」(水上学氏著・KKベストセラーズ)

水上学さんと言えば、
フジテレビ739・BSフジの「競馬予想TV!」の「血統評論家」としてお馴染みの方。
グリーンチャンネルの中継解説や「クラシックパーク」などにも登場されますよね。
実は一度お会いした事があります。
水上さんは覚えていらっしゃらないとは思いますが・・・。
7年前、私が「WEEKEND DREAM」を立ち上げて、
まだ半年ぐらいしか経っていなかった頃、
当時JRAの競馬場で行われていた場内ミニFMの番組に一度出た事があるのですが、
この時の構成作家が水上さんでした。
クイズに答えて、その回答数に応じて、
Webサイトを宣伝する時間が与えられる、という番組だったのですが、
そのクイズを作られていたのが水上さんでした。
まあ、その問題の難しかったこと・・・。
「前の週の1000万円下特別の勝ち馬は?」
なんてすぐに出てこないって(苦笑)。
当時、紹介していただいた「WEEKEND DREAM」ですが、
7年経った今でもしつこく生き残っています(笑)。
たぶん、ご覧ではないと思いますが・・・。

著書についてご紹介しないといけませんね。
水上さんが「競馬最強の法則」(KKベストセラーズ)で連載されている
「口アングリー」というコラムからピックアップしたものを
加筆・修正のうえ、掲載されています。
そして更にJRAの各方面への関係者へ、
水上さん自身がインタビューした記事も新たに掲載されています。

「口アングリー」というコラムについては、
以前に「競馬最強の法則」で読んでいるものが多いので、
改めて思う事はそれ程ありません。
現状のJRAに対する辛口批評が中心の内容、
賛同できる部分、そうでない部分、色々あります。
「競馬最強の法則」の読者の方には、
新たに収録されたインタビュー記事が目玉となるのでしょうか。
JRAの施設部馬場土木課・矢島輝明氏、
ファンサービス事業部・木下勇二氏、
広報部広報企画課・松本文武氏、
同報道室・近藤高路氏、
審判部・中村嘉宏氏、
番組企画部企画課・村上佳史氏、
といった人たちが実名で登場する中、
一番面白かったのが、美浦所属・X調教師の記事というあたりが何とも・・・・。
名前を出せない人のインタビュー記事が一番面白いというのもなあ。
でも「裁決」に関わる部分については非常に興味深いものでしたね。
裁決委員に対する「口の聞き方の悪い騎手」という話は確かに聞いた事はありましたが、
そんなに目立つほどだったとは・・・。
私が競馬を始めた頃、
「裁決委員とパトロールビデオを見ながら喧嘩腰でやりあった騎手」の話を
聞いた事があったのですが、
今じゃそんなの武勇伝でも何でもないのですね。
情けないなあ・・・。
でもそんなやりとり、そして裁決委員の権威のなさが
一貫性を欠く裁決につながっているのだとしたら、
かなり問題だ、と思うのですが・・・。

基本的には「アナタはどう思うか?」を意識しながら読んで頂ければ、
と思っていますが、
1つだけどうしても気になる事を・・・。
「ファン」という言葉、ちょっと使いすぎじゃないかなあ・・・。
「編集担当」のH氏まで「ファン目線」で、とか書いてるし。
この「ファン」という言葉、
私も結構、安易に使ってしまう事があるのですが、
もう少し気をつけて使用した方がいいかも、とある時を境に思うようになりました。
きっかけはかつての「新高崎」の時でした。
日頃、厩舎関係者の方と話をする機会のない私が、
当時調教師さんにこんな事を聞かれて、
答えに困った事を覚えています。

「ファンが見たいと思うレースって、どんなレース?」

皆さんはどう答えますか?
強い馬が強い勝ち方をするレースでしょうか?
強い馬が集まり、「何が勝ってもおかしくない」レースでしょうか?
それとも高配当が出現するレースでしょうか?
こうしたファクターが全て凝縮されるレースって、まず存在しないですよね。
強い馬が強い勝ち方をしても、
オッズの低さに思わず「つまんねー」って、言ってしまう時もあるし・・・。
ファンと言っても色々あると思うのですよ。
高配当にしか興味のない人もいれば、
競馬場で馬券など買わずに馬の写真ばかりを撮っている人もいる。
一口馬主、またはPOGにノメリ込んでいるのも「ファン」だし、
ゴール前に陣取って大騒ぎをするのが楽しいという「ファン」もいる訳だし・・・。

そんな存在が「ファン」だという中、
自分の意見を「ファン目線」として語るのは少し違うような気がします。
よく「みんな迷惑してるよ」とか、「我々は迷惑なんだけど」とか、
自分の意見を言うのに「私」「僕」「俺」ではなく、
「みんな」とか「我々」とかいう言い方をする人がいます。
どうして一人称で言わないんだろうね、とよく思います。
競馬を語る上ではこの「ファン」という言葉も「みんな」とか「我々」に匹敵しますよね。
凄く言い易いし、使い易いですが、
自らの競馬観を語る時にこの「ファン」という言葉はどうなのでしょうか?
前書きに

―あなたは競馬がなくなったら困りませんか?-

とあります。
私は「困ります」と答える「ファン」ですが、
「別に困りませんよ」と答える「ファン」だっているでしょう。
私は時々、「ファンの目線で物事を書け」とお叱りを受ける事がありますが、
それでも「ファン」という言葉を安易に使わないよう、気を付けたいと思っています。
それが時には卑怯な物言いになる時がありますからね。
水上さんの「ファン」という言葉の書き方にそんな何かを少々感じたので、
思い切って書いてみました。
もしご覧でしたら、生意気言って申し訳ありません。

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プロフィール

菅野一郎
(かんのいちろう・本名同じ)
「もっと競馬をやりたいな」で、
「第1回Gallopエッセー大賞(2005年)」において、
佳作を受賞。
現在、競馬読み物Webサイト
「WEEKEND DREAM」管理人を務める。
時には厳しく、時には温かく愛情を込めて、「競馬の未来」を語ります。

※「プロフィール詳細・経歴」もご覧ください

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