ユタカはユタカでも、何故か「尾崎豊」の話


「裏の顔」稼業を終えて帰宅しました。
こんな時間まで日記の更新を引っ張っておいて
大変申し訳ないのですが、
本日付の日記のネタは競馬ネタではありません。
どうも毎日、競馬のネタを書いていると、
何故か暗い気分になる事が多いもので・・・。

1週間以上前のネタですが、
一部のネット界隈でも話題となった朝日新聞のこの記事について少々。

没後15年尾崎はどこへ 消えた反抗心(朝日新聞)

私は尾崎豊の曲を良く聴いていた世代の筈なのですが、
何故かそれほどハマりはしなかったんですよね。
でもこの記事には少々思うところがあって・・・。

記事の中で今の若者たちが、
尾崎が曲の中で描いていた世界を理解できない状況を
分析した評論家の意見を紹介しています。

「反発したり、知りすぎたりすると損をする。
損得勘定が判断の基準になっている」
(精神科医・香山リカさん)


「彼の歌は、内面に深く食い込んできて、
いまの若い人にとって触ってほしくないところに及ぶ。
現状に適応してトラブルなく日々を過ごすことに
価値を置くと、そこに気づきたくないのだろう」
(作家・吉岡忍さん)

この2人の指摘、間違っているとは言いません。
でも名のある評論家さんというのは、
どうしてこう、物事を難しく考えるのかなあ・・・。
私は単純にこう思いましたね。
「今の若い連中って、
表に見える部分でしか物事を判断できないからでは?」

「盗んだバイクで走り出す」ということ、
「夜の校舎の窓ガラスを壊す」ということ、
結局はその行為の良し悪しだけが判断基準なのですよ。
こうした「行為」を「例え話」として用いる事で、
表現者が何を「表現」したかったのか?
を読む力がないだけでしょう。

「盗んだバイクで走り出す」ことについて、
「良し悪し」という基準でしか物が言えないというのは、
恐らく今の若者たちは、
次の前提に基づいた物事の考察というものが
出来ないのでしょうね。

・どんな人間でも犯罪者・殺人者となり得る

人間というのは「感情」を持って生きています。
その「感情」というものは
時にはその人間の行動をも左右します。
こんな事を書くと今の若者たちはきっとこう反発するでしょう。

「いくら人間が感情というものを持っているからって、
悪いことをしてもいいという事にはならないのでは?」

そうじゃないんだって。
例えばここ1~2年ほど、
私自身、競馬サイトを運営するという中で
「殺意」を抱いた人が何人かいます(正直な話です)。
また、「競馬サイト管理人」とは別に、
「裏の顔」の世界における人間関係の中でも
「ぶん殴ってやりたい奴」「ぶっ殺してやりたい奴」がいます。
でもそんな連中を実際に私がぶん殴ったり、ぶっ殺したりしているか、
と言えば、全くそんな事はありません。
何故なら、それは法律上も、人間的にも、
「悪い事だ」という認識が私の中にあるからです。
この認識が抑止効果を発揮するので、
私の「感情」との間でバランスが取ってくれています。
私に限らず、ほとんどの人がそうでしょう。
でも時にはその抑止効果が効かなくなってしまった人がいる。
普段は抑えられるのにこの時に限っては・・・、
というのが「悪いこと」に結び付いてしまう。
あるいは「抑えが効かない状況」が当たり前になってしまう。
犯罪者・殺人者はこうして作り出される、というのが私の考えです。

最近の凶悪事件の中で時々感じるのは、
こうした人間が持つ「良し悪し」に関する認識と
感情との間でのバランス感覚が成立していないな、という点。
その感覚があれば、
せめて「悪いことはバレないようにやる」意識が生まれる筈。
警察にも、世間にも、バレバレな行為に及ぶというのは、
自分も含めた人間の持つ「感情」の存在を
理解出来ていない証拠だと思います。
そんな人間が増えている昨今に尾崎の曲なんか聴かせたって、
「バイク盗んじゃいけないんだぞ」ぐらいの反応しか
出てきませんって(笑)。
恐らくこのご時世で小説家とか、
映画やテレビドラマのシナリオライターの人って大変だろうなあ。
その人の持つ「感情」を表現する方法が限定されてしまうだろうに・・・。

この朝日の記事を読んで初めて知ったのだけど、
高校の倫理の教科書で「尾崎豊」なんかを取り上げちゃダメだって。
確かに「自己の生き方」を模索したり、
他者との関係の中でアイデンティティーを
確立するのは大事だけと、
それは「権力」「社会」という、
本来「自己」「アイデンティティ」などというものを
抑圧する方向で機能するモノ・組織と戦い、
勝ち取る事によって手に出来るものなのだから。
学校で教えるべきモノではないし、
精神科医や作家に語らせるべきモノでもない。
自らの力で勝ち取るモノだと思います。

どうやって勝ち取るのか?
窓ガラスを壊すのか?
ギターを抱えて歌い続けるのか?
寝不足に耐えながら、ネット上に文章を公開し続けるのか?(笑)。
それは各自が考え、悩むべきものの事。
私自身、サイト上での活動を始めて7年以上、
悩み続けています。
高校の教科書ごときに載っているような簡単な話の筈がありません!!

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プロフィール

菅野一郎
(かんのいちろう・本名同じ)
「もっと競馬をやりたいな」で、
「第1回Gallopエッセー大賞(2005年)」において、
佳作を受賞。
現在、競馬読み物Webサイト
「WEEKEND DREAM」管理人を務める。
時には厳しく、時には温かく愛情を込めて、「競馬の未来」を語ります。

※「プロフィール詳細・経歴」もご覧ください

私・菅野へのご連絡は以下のメールアドレスまでお願いします。
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