「残業代」の話


mixiチェック
昨日付の日記を書いていた時にふと思い出した話があったので、
今朝はそんな話を少々。

最近、メディアで「ブラック企業」の問題を取り上げる時に
必ず登場するキーワードとして、「残業代不払い」の話がありますよね。
一方で「残業代ゼロ法案」に関する議論も話題となっています。
でも「残業代」に関してはこんな話もある筈なのだけどなあ・・・。

これから書く話は私が大学を卒業して社会人となった1990年代の話です。
現在の常識で考えると「トンデモナイ話」ですが、
その前提でお読み頂きたいと思います。

私がある広告代理店に入社した時、
当時の総務・人事担当者からこんな事を言われたことを覚えています。

「この業界はどうしても月に残業が少なくとも20~30時間は発生します。
その分はもちろん残業代が出ますので、
その残業代を見込んで生活設計をしてもいいと思いますよ。」

今考えれば、「何を言ってんだ、アンタは」という話ですよね。
まずはその20~30時間は発生するという残業時間を減らすべく、
どうすれば勤務時間内に業務を片付けることが出来るのか?
を考えるべきです。
でも当時は私も、同僚たちも、
本来の手取り金額に残業代が上乗せされた金額を見て、
「毎月、この位の収入があるんだ」と思いながら仕事をし、
そして生活をしていたのです。
「生活残業」などという言い方をしている人もいましたね。
いつの間にか「残業」は「生活の為に必要なもの」になっていました。

当然の事ながら、そんな非常識が長続きする筈がありません。
こうした「残業」に会社がメスを入れるようになりました。
特に大騒ぎになったのは、「管理職」の定義が見直しになった時でした。
以前はまだ残業代が出ていた役職の人が「管理職」扱いとなり、
残業代が出なくなった為、その対象となる人達が猛反発したのです。
基本給は若干上がったのですが、それでも残業代が出ない為に、
多くの人は手取りは下がってしまいました。
その後も昇進して「管理職」になったのに、手取りが下がる人が次々と・・・。
中には「収入が下がるなら昇進試験を受けたくない」などと言い出す人も現れました。
そんな状況下に総務・人事担当者が

「組織の人間として、そんな発想はいかがなものかと思いますが・・・」

なんて言っていた記憶があります。
その総務・人事担当者は私が入社した時に
「残業代を見込んで生活設計をしてもいい・・・」
と言った人とは別の人ですが(笑)。


「ブラック企業」「残業代ゼロ法案」の報道で問題点として指摘されているのは、
「長時間労働を助長する」という視点がほとんどで、
いわゆる「左」の人達はこの点を理由に
「企業を優遇する政策だ」という批判をします。
でも一方で、「もっとお金を稼ぎたいから残業したい」という人もいる筈なのですよ。
こうした声がメディアからほとんど聞こえてこないのが疑問です。
「生活残業」は論外ですが、
「効率よく決められた勤務時間内に仕事を片付けて、早く帰りなさい」
と言われ、その通り早く帰っても、
お金がないから飲みには行けない、あるいは自己啓発の為のスクールにも通えない、
では何の意味もありません。
もちろん、生活そのものが苦しくなってしまう人もいます。
そんな人は早く家に帰って副業をしてもいいのですか?
そんな訳はありませんよね(って、オレはその昔、ご存知の通りやってたけど-笑)。
じゃあ、どうすりゃいいのよ?
労働者にとって「残業」とはそんな意味もある筈なのですが・・・。

以上、昨今話題になることが多い「残業代」について、
あまり語られることのない視点で書いてみました。
同じ想いの人は結構いる筈なのだけどなあ・・・。

  • Yahoo!ブックマークに登録
  • Google Bookmarksに登録
  • はてなブックマークに登録
  • del.icio.usに登録
  • livedoorクリップに登録
  • Buzzurl(バザール)に登録

関連記事

思わず笑ってしまいました
アイドルって大変だなあ・・・。ネット上にゆきりんファンの悲鳴溢れる 旅行中の1コ...
新銀行東京
そう言えば、そんな銀行がありましたね。<新銀行東京>東京TYと経営統合交渉 東京...
皆さんもご注意を!!
25日(月)の午後、地震がありました。当時、私は某外出先におりましたが、結構揺れ...
ドローン
今日もあまり楽しいネタを書く気分ではなく、あまり長い日記を書いている時間もないの...
「残業代」の話
昨日付の日記を書いていた時にふと思い出した話があったので、今朝はそんな話を少々。...
「報道ステーション」の話
1日(水)は自宅アパートから一歩も外に出ず、PCの前で作業をしておりました。「例...
そして4年が経過して・・・
今年も3月11日がやってきました。私自身の「3.11」に関する想いは、東日本大震...
降りそうな空気
本日15日(木)は、どうやらこんな天気になるらしいです。西・東日本の太平洋側で大...
新成人の皆さん!!馬券を買いましょう!!
現在、中山競馬場に向かう電車の中です。スマートフォンでこの日記を書いています。溜...
私らしくない話(笑)
前日付の日記で、-オレの「幸せ」って、あまりにもちっちゃいなあ・・・(笑)。-と...

プロフィール

菅野一郎
(かんのいちろう・本名同じ)
「もっと競馬をやりたいな」で、
「第1回Gallopエッセー大賞(2005年)」において、
佳作を受賞。
現在、競馬読み物Webサイト
「WEEKEND DREAM」管理人を務める。
時には厳しく、時には温かく愛情を込めて、「競馬の未来」を語ります。

※「プロフィール詳細・経歴」もご覧ください

私・菅野へのご連絡は以下のメールアドレスまでお願いします。
kankan@weekenddream.jp

月別アーカイブ

私・菅野一郎が運営するコンテンツです

WEEKEND DREAM
このサイトを中心に活動中です

新・競馬ニュース
競馬界の最新ニュースをお伝えします

気ままな競馬ノート
競馬に関する読み物はいかがですか?

競馬・極私的勝負メモ
馬券・予想下手な管理人が馬券・予想に強くなるためのメモ書きです。

私・菅野のTwitterはこちら

※「新WEEKEND DREAMメルマガ版」は一時休止中です

携帯用アフィリエイトサービス

新競馬ニュース

気ままな競馬ノート

競馬・極私的勝負メモ

このサイトを購読する