最近、考えること


本日も自宅アパートにおります。

今日は以前から時間がある時に書いておきたかった話でも。
と言っても、言いたいことを巧くまとめられる自信はありません。
恐らく、長い話になるでしょう。
そして、きっと賛否両論ある話ではないかと思います。
しかも、そんなに面白い話ではありません。
だから、お時間のない方は読み飛ばして頂いても結構です。
そんな前フリをしつつ、という事で。

ここ2年ほど、
私自身が「出入り業者」のような立場でお世話になっていた会社がありました。
大手企業ではありません。
恐らく、名前を出しても多くの方は知らないでしょう。
(もちろん、名前は出しませんが-笑)

その会社は創業時のメンバーである経営陣以外は、
ほとんどが中途採用の社員で構成されていました。
ところが、その中途採用で入ってきた社員の多くが短い期間で辞めていきました。
そんな状況を見て、「ブラック企業だ」と言う人もいました。
でも、私は世間一般に言う「ブラック企業」とはちょっと違うのでは?
と思い続けていました。
「経営陣が中途採用で入ってきた社員たちに要求するレベルが
高すぎるだけではないか?」
それが私の考えでした。
仕事に対する取り組み方、仕事とプライベートの兼ね合い、
目標と結果に対する自己分析の仕方、そしてその結果報告のあり方・・・。
間違っているとは思いませんでしたが、
私のサラリーマン時代の経験(当時の取引先含む)と照らし合わせても、
「そんな人材がこんな会社に入ってくるとは思えないけど・・・」
というレベルでした。
中には要領よく立ち回っている人もいましたが、
それもあくまで「要領よく」であって、
経営陣が納得できるレベルだったのかは果たして・・・?

日本という国は「6・3・3・4」という学校教育制度の延長線上に、
「新卒採用」を受け入れる企業というモノがあるじゃないですか。
その新卒採用をする企業は学校を出たばかりで社会経験のない若者に、
社会人教育も含めた研修をして、その企業の戦力にしていきます。
その「社会人教育」の中には
「名刺交換のやり方」とか「電話の受け答え」など、
多くの企業に共通するものもありますが、
先ほどの企業の例で挙げた
「仕事に対する取り組み方」「仕事とプライベートの兼ね合い」
「目標と結果に対する自己分析の仕方」「そしてその結果報告のあり方」などは、
それぞれの企業に微妙な温度差があるものではないか、と思っています。
業種による違いもあるでしょうし、経営者の考え方による違いもあるでしょう。
でもそんな違いを「ゼロ」の状態で「教育」として受け入れる若者は、
次第にその「教育」に染まっていきます。
極論ですが、「社会人教育」をする会社にとっては、
「ヨソの会社で通用するか?」は全く問題ではありません。
その若者が定年まで働く上で通用すれば、それでいいのですから。

前述の会社は、そんな様々な種類の「社会人教育」を受けてきた人たちに対し、
自らの価値観に従うことを強いていました。
その価値観は決して間違ってはいませんが、
理解して行動出来るようになるまでは多くの時間を要するほどの、
あまりにも高いレベルの価値観でした。
「どうすればお前は変わることが出来るのか?」
みたいなやり取りが普通に飛び交っていた事を覚えていますが、
人間というモノはそんなに簡単に「変わる」などという事は出来ない筈です。
要領よく「変わったフリ」ならすぐに出来る人もいるとは思いますが。
これは私の想像ですが、
短い期間で辞めざるを得なかった人たちは、
自ら受けてきた「教育」との違いに対応出来なかった、
という事だったのでしょう。
この会社は中途採用ではなく、新卒採用をすべきなのかもしれません。
「ゼロ」の状態で社会人教育をすれば、
経営陣が望む人材が育っていたに違いありません。
但し、その会社が就活中の学生に魅力的な会社であったのか、どうかは、
少々疑問ではありますが・・・。

「ゼロ」の状態で受けた教育の持つ意味の大きさをその企業で知った気がします。
その企業の経営陣はそんな自分たちの価値観を「絶対だ」と思っていましたから、
横でそんな様子を見ながら、色々な事を考えさせられました。
「いいモノを見た」という事になるのかもしれません。

競馬関連サイトですので、ここからは競馬の話をしましょう。
古い話ですが、インターネット上のある掲示板で
「JRAにおける外国馬・外国産馬の出走制限」が議論になっていて、
北海道の牧場関係者の方がこんな書き込みをしていた事を覚えています。

「俺は、競馬場で走る馬はこの地域で産まれ育った馬ばかりだ、
と子供の頃から両親に教えられてきた。
だから、外国で産まれた馬が走る、などという話は受け入れられない。」

この書き込みをしていた人が袋叩きにあっていた事は言うまでもありません。
私も当時は「視野の狭い人だなあ」と、その書き込みを批判的に見ていました。
しかし最近は、これが「教育」というモノなのだ、と思うようになりました。
「正しい」「間違っている」ではなく、
「ゼロ」の状態で教えられたモノ、染み付いたモノは、
そう簡単には変わらない、という事なのでしょう。
そして、その前提でモノを見て、
各自が考えなければいけないのかもしれません。

ミルコ・デムーロ騎手とクリストフ・ルメール騎手が
JRAの騎手免許試験に合格した時、
某スポーツ紙のWebサイトに掲載された福永祐一騎手のコメントに対し、
多くの批判がネット上で展開されました。
7~8年前ぐらいまでの私なら、同じように彼を批判していたでしょう。
でも今はあまりその批判に参加する気はありません。
彼が騎手になり、現在の立場に至るまでの過程で、
染み付いたモノも色々あるでしょうし。
きっと「正しい」「間違っている」だけを基準に議論をしても
仕方がないのかもしれません。

長々と申し訳ありません。
最近はそんな事を考えています、ということでひとつ。

  • Yahoo!ブックマークに登録
  • Google Bookmarksに登録
  • はてなブックマークに登録
  • del.icio.usに登録
  • livedoorクリップに登録
  • Buzzurl(バザール)に登録

関連記事

延々と続く話
昨夜、こんな夢を見ました。競馬場で馬券が当たりました。払い戻しをしたいのですが、...
トラックパーソン?
あまり長々とした日記を書いている時間がないので、こんなネタでも。「カメラパーソン...
いきなり厄介な話が・・・
昨日1日(水)から大型受注案件がスタート。でもいきなりスタートから厄介な話が少々...
♪~あの日 あの時 あの場所で君に会えなかったら~♪
自宅アパートにおります。やらなければならないことが山積みです。何から手を付ければ...
結局は「お金」が理由ですが・・・
ようやく予想記事を書き終えて、この日記更新の時間となりました。宝塚記念の予想は「...
本日の予想記事はお休みします
ここに来て急にピンチヒッター的なお話が舞い込んできて、忙しい日々となっております...
時間がない金曜日の朝
急な原稿依頼があって、(実際には、書いている最中に無意識のうちに横になってしまい...
最大公約数
自宅アパートにおります。本日付の日記で何を書くべきか悩んで既に1時間半。昨日22...
まだ眠いですが
昨日21日(日)の一條記念みちのく大賞典(水沢)が終わった直後、某所から緊急の連...
この日記
無理矢理に買い目を絞ろうとして悩んだ結果、予想記事の作成にかなりの時間を要してし...

プロフィール

菅野一郎
(かんのいちろう・本名同じ)
「もっと競馬をやりたいな」で、
「第1回Gallopエッセー大賞(2005年)」において、
佳作を受賞。
現在、競馬読み物Webサイト
「WEEKEND DREAM」管理人を務める。
時には厳しく、時には温かく愛情を込めて、「競馬の未来」を語ります。

※「プロフィール詳細・経歴」もご覧ください

私・菅野へのご連絡は以下のメールアドレスまでお願いします。
kankan@weekenddream.jp

月別アーカイブ

私・菅野一郎が運営するコンテンツです

WEEKEND DREAM
このサイトを中心に活動中です

新・競馬ニュース
競馬界の最新ニュースをお伝えします

気ままな競馬ノート
競馬に関する読み物はいかがですか?

競馬・極私的勝負メモ
馬券・予想下手な管理人が馬券・予想に強くなるためのメモ書きです。

私・菅野のTwitterはこちら

※「新WEEKEND DREAMメルマガ版」は一時休止中です

携帯用アフィリエイトサービス

競馬・極私的勝負メモ

powered by moondakota 

このサイトを購読する