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進歩してない気が・・・

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エストレーノの死亡、
ノーリーズン、チアズシュタルクの故障と
「競馬ニュース」に暗い話題が続いてしまいました。
これも競馬の一つの側面ではあるので
止むを得ない部分ではあるのですが、
少しだけ気になっていることがあります。
私が競馬を始めて10年ちょっと経ちますが、
こうした馬に関する獣医学の進歩というのものが、
その間、ほとんど見られないような気がするのは
気のせいでしょうか。
人間の医学の世界で考えれば、
10年前は不治の病だったものも
治療法が開発されたり、などという話があったりするものですが、
競走馬に関して言えば、
10年前なら予後不良となるのも止むを得なかったが、
今なら治療が可能になりました、という話をほとんど聞きません。
レース中の骨折は競走馬の生命を断たねばならないし、
屈腱炎になると治る見込みがない、
もう競馬ファンにとっては「常識」といえる話ですが、
獣医学の進歩によって、その「常識」が覆されるなどという事態に
なったという話はほとんど聞きません。
確かに現実には競走馬というのは使い捨てになってしまうのが大半ですから、
そのような研究は意味がないのかもしれない。
だが、その「使い捨て」の現状が、
地方競馬の安易な廃止傾向に繋がっているのもまた事実。
処分される馬がいることをもとに廃止に反対しても、
こうした使い捨て傾向の部分を逆に指摘される。
どうしても主張が弱くなってしまいますよね。
馬産地ライターとしてかつて「週刊競馬ブック」に連載をもっておられた
後藤正俊さんが「競馬読本シリーズ」の中でこんな指摘をしていたことを
記憶しています。
サイレンススズカなどは今後の獣医学の発達のことを考えれば、
回復する可能性は低くとも手術をやってみる価値はあった筈だ、と。
あの天皇賞・秋については止むを得ないと思い込んでいた私にとって、
この指摘にショックを受けた事を記憶しています。
実は獣医学は競走馬の故障について、「進歩できない」のではなく、
「進歩しようとしていない」のではないでしょうか。
もちろん研究費用の問題、
そして治療費用の問題なども考慮しなければならないのでしょうが、
「これが競馬なのだから仕方がない」という「常識」の中に、
「単なるあきらめ」の要素が含まれている可能性があるということを、
この際、覚えておいて頂ければと思います。

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