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金沢の話

競馬Webサイト管理人の活動日記 » 001)競馬論 » 金沢の話

この日記を古くからご覧の方は覚えていらっしゃるかもしれませんが、
元JRA所属騎手で、
今は美浦・天間昭一厩舎の調教助手である谷中公一さんが書かれた、
「美浦トレセン発 ファンが知るべき競馬の仕組み」(東邦出版)を
この日記で紹介したことがあります。
2007年の事ですから、もう6年になるのですね。
この本の中に、こんな記述があります。

谷中さんが騎手になって3~4年目のこと。
JRAの事務担当者から谷中さんの自宅に電話があり、
「明日、美浦トレセンの事務所に来てほしい」と言われて、
谷中さんは翌日の調教後に事務所に立ち寄ったそうですが、
事務所でその事務担当官からある飲み屋の名前を告げられ、
「あの店は競馬に関して八百長を持ちかけてきても
不思議のない人物が経営しているから、注意するように」と言われたのだとか。

その店は美浦トレセンの近くではなく、東京都内にある店だそうです。
谷中さんは茨城県にある美浦トレセンから都内の店に足を運んでいたそうですが、
(3~4回だそうです)
JRAはその間、谷中さんの行動を監視し続けていたことになります。
もちろん「競馬の公正確保」、つまり「八百長防止」が目的なのでしょうが、
その為に密かに騎手の行動まで監視していたとは・・・。
当時、この記述を読みながら、「JRAはここまでするのか?」と思いました。
2年前に河野通文元調教師が調教師免許を取り消された件も、
恐らくJRAのこうした「監視活動」とは無関係ではなかったのでしょう。

こうした「監視活動」は地方競馬でも行われているのでしょうか?
その労力はかなりのものでありますし、もちろんコストもかかります。
各主催者のレベルでやるのは大変な事だと思います。
地方競馬全国協会(NAR)でも出来ることなのか、どうか・・・。

こんな話を書くのは、もちろん例の金沢競馬の件があったからです。
指摘があったいくつかのレースについて、映像を見ました。
その指摘については「なるほど・・・」と思える部分もあります。
しかし、これだけで「クロ」と言い切ることは出来ないような気がします。
「クロ」であると判断するためには、
一連の「犯行」を実行に移す上での「事前の打ち合わせ」の存在、
そして八百長についての「要請」「指示」の存在を証明する必要があります。
その「現場」を押さえることが出来なければ、「クロ」とは断定出来ないでしょう。
仮に電話やメールでやりとりをしていたのだとすれば、
その「通信記録」を入手しなければなりません。
レース映像や結果、オッズ、レースの売り上げも重要な証拠ではありますが、
「事前の打ち合わせ」「要請」「指示」という事実を突き止めない限り、
迂闊なことは言えない気がします。

JRAと同様の「監視活動」体制があれば、もう少し違う話になるのかもしれませんが、
金沢競馬にそこまでの体制があるのか、どうか?
打ち合わせの「現場」を押さえることは、
JRAのようなやり方なら何とかなるかもしれませんが、
「通信記録」となるとJRAでも果たして・・・?

この話、これ以上の進展を期待するのは難しいかもしれません。
金沢競馬も、NARも、JBCを目前に控えている状況ですから、
何らかの公式発表をする可能性は低いと思います。
非常に気になる話ですが・・・。


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