01)重賞回顧の最近のブログ記事

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「これがドバイワールドカップ2着の実力!!」
と言ってしまうのは安易すぎるだろうか。

だが枠順が発表された時、
思わずニヤリとした穴党ファンもいた筈だ。
エスポワールシチーとトウショウフリークという、
簡単には前を譲ってもらえなさそうな馬がいる。
そんなメンバーを相手にトランセンドは大外枠を引いてしまったのだ。
「もしかして」と思った人は私だけではなかっただろう。
前走の大井・JBCクラシックでもスマートファルコンにハナを譲り、
最後まで捕まえることが出来ずに完敗(2着)という結果だったのだし。

だがその「もしかして」は
スタート直後の1コーナーで早くも幻となった。
大外枠であってもハナを奪いに行くトランセンドのスタイルには
全く変化はなかったのだ。
トランセンドがハナを主張した以上、
エスポワールシチーもトウショウフリークも
抵抗する訳にはいかない。
1000メートル通過は60秒9。
いつの間にかレースの流れは落ち着いたものとなってしまった。

完全にトランセンドの流れとなった。
苦しくなったのはその直後でマークを試みたエスポワールシチーの方だった。
直線に入るとその差は詰まるどころか、逆にどんどん広がっていき、
後方から追い込んできたワンダーアキュートにも並ばれる。
その差は2馬身。
トランセンドの完勝だった。

「ハナを奪えず、レースの主導権を握ることが出来ない?」
「スマートファルコンに敗れた前走に続いて連敗?」

その可能性に賭けた穴党ファンたちは
ドバイワールドカップ2着馬の実力に脱帽せねばならなかった。
トランセンドはこれでジャパンカップダート2連覇。
果たして今年は・・・?


2011年12月4日(日)
阪神11R
第12回ジャパンカップダート(G1)
阪神・ダート1800メートル

1着8枠16番トランセンド(57・藤田伸二) 1分50秒6
2着5枠 9番ワンダーアキュート(57・和田竜二) 2
3着3枠 6番エスポワールシチー(57・佐藤哲三) ハナ
4着2枠 4番ラヴェリータ(55・武豊) 1/2
5着7枠13番ダノンカモン(57・福永祐一) クビ 

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優勝馬ブルーコンコルドの口取り

ブルーコンコルド


11月5日(月)は川崎競馬場で
JBC競走(クラシック・スプリント・レディスクラシック)が行われる。

川崎でJBCが行われるのは2006年以来、2度目となる。
その2006年のJBCは例年と大きな違いが2つあった。
ひとつは2日間に渡って行なわれたということ。
もう一つは例年なら「JBCスプリント」として行われるレースが
この年だけは「JBCマイル」として行なわれたこと。

今年2012年は例年通り、1日に全てのレースを行い、
JBCスプリントも川崎・ダート1400メートル戦で行われる。
だから当時を振り返るとつい「どうして?」とツッコミを入れたい気分になる。
でもその点を改めて指摘しても仕方がないだろう。
もう6年も前の事なのだから。

しかしこの年「JBCスプリント」が「JBCマイル」として行なわれたことは
勝ったブルーコンコルドにとっては意味を持つものだったのかもしれない。
何故なら名古屋で行なわれた「JBCスプリント」の覇者だったのだから。
管理する服部利之調教師も、鞍上の幸英明騎手も、
「スプリント」でも「マイル」でも優勝することが出来た点を強調し、
喜んでいたことを記憶している。

レース後、ブルーコンコルドの様子を見ていて、あることに気がついた。
川崎競馬場の検量室前を周回しながら口取りを待つブルーコンコルドは、
誰かが自分にカメラを向けていることに気がつくと、
自ら歩みを止めてそのカメラの方に顔を向ける。
まるでカメラの前でポーズを取っているようにも思えた。
写真を撮られることに慣れていて、
勝利した自分に注目が集まっていることを理解しているような姿だった。

気のせいかもしれない。
だが検量室前などに立ち入るチャンスが滅多にない自分には、
その姿が王者が持つ独特の個性というか、貫禄のようなものに思えた。
スターらしくもあり、
微笑ましくも思えるその姿は今でもはっきりと覚えている。


2006年11月2日(木)
川崎10R
JBCマイル(第6回JBCスプリント、G1)
川崎・ダート1600メートル
 
1着4枠 6番ブルーコンコルド(JRA・57・幸英明) 1分39秒6
2着3枠 4番メイショウバトラー(JRA・55・佐藤哲) 2
3着1枠 1番リミットレスビッド(JRA・57・岩田康) 2
4着6枠10番コアレスタイム(船橋・57・的場文) 4
5着4枠 5番ジルハー(川崎・57・坂井英) 1 1/2 
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「どうしてそんな競馬になってしまったのか?」について、
改めて書くことに何の意味もないのかもしれない。
あの事件との関連性についてはどう書いても憶測でしかない。
しかし後藤浩輝騎手騎乗のローエングリンと
吉田豊騎手騎乗のゴーステディという
2頭の逃げ馬が顔を揃えることが明らかになった時点で、
その可能性を予測していた人は確かにいた。
下世話な話だが、それは仕方のないことだったのだろう。

1000メートル通過は56秒9。
この二人が同型馬に騎乗すると
こんなハイペースになってしまうのは避けられないものなのだろうか?
レース後、JRAにはファンからの抗議の電話・メールが殺到したという。
この2頭に関係する馬券を買っていた人にとっては
納得出来ないレースだったに違いない。
こんなレースに対しては怒るべきなのか?それとも?
私は未だに答えを出すことが出来ない。
だが当時は釈然としない「何か」を感じた人は多かったに違いない。

レースはシンボリクリスエスが勝って、
天皇賞・秋2連覇となった。
そのシンボリクリスエスは8枠18番。
東京・芝2000メートル戦では不利と言われる大外枠である。
しかしこんな超ハイペースになってしまうと、
枠順の有利・不利など関係なくなってしまうということなのか。
レース後の私はシンボリクリスエスが大外枠を引いていたことさえ忘れていた。

現在は種牡馬として数多くの活躍馬をレースシーンに送り出す
シンボリクリスエスが勝ったG1レースだけに、
後世に語り継ぐ必要のあるレースであることは間違いない。
だが1000メートル通過56秒9の理由をどう語るべきかを考えると、
少々悩んでしまうレースでもある。
だから印象深いレースでもあるのだけど・・・。


2003年11月2日(日)
東京11R
第128回天皇賞・秋(G1)
東京・芝2000メートル

1着8枠18番シンボリクリスエス(58・ペリエ) 1分58秒0
2着4枠 7番ツルマルボーイ(58・横山典弘) 1 1/2
3着2枠 4番テンザンセイザ(58・藤田伸二) 1 1/2
4着1枠 2番エイシンプレストン(58・福永祐一) 1/2
5着6枠12番カンファーベスト(58・安藤勝己) 1/2 

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初出走、初騎乗、初勝利、初めての重賞勝利、
そして初めてのG1勝利・・・。
今日の日本競馬界を代表するホースマン達にも、
「初めて」の瞬間は実在する。

今年もルーラーシップで
香港・クイーンエリザベス2世カップを制するなど、
国内外でG1タイトルを獲得している角居勝彦調教師(栗東)。
そんな名調教師が初めて勝利したG1レースが、
このデルタブルースで勝利した菊花賞だった。
この菊花賞以前にJRAで挙げた重賞タイトルは
ブルーイレヴンで制した2002年の東京スポーツ杯2歳Sと
2004年の関屋記念だけだった同調教師。
この勝利がその後の飛躍へのきっかけだったのかもしれない。

私は当時、
このレースを京都競馬場で関西在住の知人と見ていた。
ゴールの瞬間、「岩田やりよった!!」と思わず叫んだ彼の姿が忘れられない。
彼は園田や姫路で騎乗する岩田康誠騎手を見続けている。
当時はまだ地方競馬所属のジョッキーだった。
その岩田騎手が中央のG1タイトルを獲得。
同騎手にとっては初めてのG1勝利だった。
今ではJRA所属となり、
今年はついにダービージョッキーとなった岩田康誠騎手。
デルタブルースで勝利した菊花賞は、
現在は日本競馬界を代表する騎手である彼にとって、
大きなきっかけとなるレースだったのかもしれない。

それから8年が経過した今だからこそ、
言えることなのかもしれない。
でも目の前で今行われるレースが後々の・・・・、
などと考えながらレースを見るのはワクワクするものである。
今年の菊花賞は果たして・・・?


2004年10月24日(日)
京都11R
第65回菊花賞(G1)
京都・芝3000メートル

1着8枠18番デルタブルース(57・岩田康誠) 3分5秒7
2着3枠 5番ホオキパウェーブ(57・横山典弘) 1 1/4
3着1枠 1番オペラシチー(57・佐藤哲三) 1/2
4着7枠15番コスモバルク(57・五十嵐冬樹) ハナ
5着6枠11番ストラタジェム(57・福永祐一) 1/2 

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今改めてこのレースの単勝オッズを見て、
ある事に気がついた。

1番人気馬ウオッカは2.7倍。
2番人気馬ダイワスカーレットは2.8倍。

ほとんど差がないのである。
ウオッカは64年ぶりの牝馬によるダービー制覇を果たした馬なのだから、
本当はもっと人気を背負うべき馬である。
だが多くのファンはそんな「快挙」にも騙されることはなかったということか。
桜花賞ではダイワスカーレットがウオッカを破っているのである。
そして秋華賞はウオッカにとっては
脚質面を考えると微妙な京都・内回りコースで行われるのだ。
更にダイワスカーレットはローズSをステップにするという
「王道路線」を歩んでいるのに対し、
ウオッカはダービーの後に宝塚記念に出走、その後の休養を挟んでの一戦だった。
「順調さ」ではダイワスカーレットの方がはるかに上回る。

そんなファンの評価は正しかった。
結果はダイワスカーレットがいつも通りの先行して押し切る競馬で
牝馬2冠馬に輝く。
一方のウオッカはダイワスカーレットどころか、
先に馬群から抜けだした伏兵レインダンスさえも交わすことが出来ずに3着に。
牡馬を相手にダービーで勝つことが出来ても、牝馬同士のG1では勝てない。
「牝馬同士の戦いは牡馬ほど甘くはない」というのは長く競馬を見続けてきた人ほど、
信じ難い事だったのではないだろうか。

だがその後のダイワスカーレットとウオッカの対戦を見る限り、
当時のファンの評価、
「牝馬は牡馬ほど甘くない」という当時のトレンドは
決して間違っていなかった事が明らかになる。
「伝説の一戦」となった翌年の天皇賞・秋の結果が
その全てを物語っていると言っていいだろう。
その天皇賞・秋でようやくダイワスカーレットを破ったウオッカだが、
長い写真判定を余儀なくされるほどの大接戦だったのから。

ダイワスカーレットとウオッカ。
2004年に産まれたこの2頭は共に、
牡馬をも含めた世代のトップを走り続けた。
そんな牝馬が2頭も出現する珍しい世代であったように思う。


2007年10月14日(日)
京都11R
第12回秋華賞(G1)
京都・芝2000メートル

1着7枠13番ダイワスカーレット(55・安藤勝己) 1分59秒1
2着8枠17番レインダンス(55・武幸四郎) 1 1/4
3着8枠16番ウオッカ(55・四位洋文) クビ
4着6枠11番ベッラレイア(55・武豊) 1 3/4
5着3枠 5番ラブカーナ(55・吉田隼人) クビ 

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4コーナーで驚きの声を挙げた人は多かったのではないか。
セレスハント、オーロマイスターに加えて、
外からマクったグランシュヴァリエまでもが
エスポワールシチーの前にいたのだから。

直線に入り、セレスハントは脱落したが、
オーロマイスターが抜け出して先頭に。
単勝オッズ1.0倍の1番人気を背負ったエスポワールシチーだが、
そのオーロマイスターとの差をなかなか詰めることが出来ずにいる。
それどころか、高知から長距離輸送の末に参戦してきたグランシュヴァリエが
併せ馬のような形に持ち込もうと競りかける。
こんなエスポワールシチーを見ることになろうとは・・・。

グランシュヴァリエを何とか突き放したエスポワールシチーだが、
2着を確保するのが精一杯だった。
単勝オッズ20.2倍のオーロマイスターが先頭でゴール。
グランシュヴァリエも3着に粘り込み、
3連単は130万円を超える波乱となった。
なんとワイドでも5万円台の払戻金が出現。
「堅くてもエスポワールシチーで仕方がない」という、
大方の予想が完全に覆される結果となった。

エスポワールシチーはどうしたのか?
ゴールの瞬間にそんな疑問・不安を抱いた人は多かっただろう。
しかし勝ったオーロマイスターの吉田豊騎手と
3着に粘ったグランシュヴァリエの阿部英俊騎手(岩手)は、
エスポワールシチーという絶対的な存在に対して
臆する様子を全く見せない騎乗ぶりだった。
そしてそんな彼らの姿勢がもたらした大波乱のように私には思えた。

競馬は実力馬1頭だけで成立するのではない。
その実力馬と戦う馬がいて、初めて「競馬」となる。
しかし、ただ相手として出走するだけではない。
出走するからには勝ちたい。
勝ちたいからこそ、実力馬に対して真っ向勝負を挑む。
遠慮する必要など全くない。

オーロマイスターはその後、勝ち星を挙げることはなかった。
グランシュヴァリエも以降のダートグレードレースでは
馬券対象とはなっていない。
2頭ともこの時に見せた走りが一世一代のものだったのかもしれない。
「競馬」はそんな厳しくて激しい戦いでもある。
盛岡の結果に日本中のファンが驚かされた1日となったが、
同時に「これが競馬なのだ」と再認識させられた1日でもあった。

 

2010年10月11日(月・祝)
盛岡10R
第23回マイルチャンピオンシップ南部杯(Jpn1)
盛岡・ダート1600メートル

1着8枠11番オーロマイスター(JRA・57・吉田豊) 1分34秒8
2着3枠 3番エスポワールシチー(JRA・57・佐藤哲) 3
3着5枠 6番グランシュヴァリエ(高知・57・阿部英) 2
4着2枠 2番メイショウバトラー(JRA・55・幸英明) 1 1/4
5着6枠 7番バーディバーディ(JRA・55・松岡正) 3 

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「この馬、強いよ・・・」

ゴールの瞬間、思わず呟いてしまった。
サイレントウィットネスが
香港の短距離路線で無敵の存在であることはもちろん知っている。
それでも距離が合わなかったとはいえ、
チャンピオンズマイルと安田記念で連敗しているのだ。
そしてレース前日には滞在中の中山競馬場で放馬したという情報まで・・・。
サイレントウィットネスはそんな不安材料を全て覆してしまったのだ。
香港競馬界における最強スプリンターの実力を思い知らされた瞬間だった。

私はこのレースを中山競馬場のゴール板前で見ていた。
その私の近くに香港から来たと思われる初老の男性がいた。
彼は興奮して大声で

「コーツィー!!コーツィー!!」

とサイレントウィットネスの手綱を取った
フェリックス・コーツィー騎手の名前を叫び続けている。
海外の舞台で自分たちの国の馬が勝つ。
誇らしい気分になるのは、日本も香港も同じなのだろう。
彼の興奮ぶりにそんな事を思った。

だが次の瞬間、
この勝利が香港の競馬ファンたちにとって
単に「誇らしい」というだけのものではないことを知る。
目の前で赤い香港の旗を掲げて振り回す一団がいる。
こんなに多くの人達が香港から中山競馬場にやってきていたとは・・・。
単に強いだけではない。
香港の競馬ファンにとって、この馬は特別な存在だったのだ。

サイレントウィットネスの中国語表記は「精英大師」。
この日、「精英大師」の文字を中山のパドックでいくつか見た。
そして場内には明らかに日本語ではない言葉が飛び交う。
香港のテレビクルーが中山に集結した香港のファンたちにインタビューする光景もあった。
その熱狂ぶりは日本の競馬ファンを明らかに上回るものだった。

このレース以降も日本のG1レースに参戦した香港馬は何頭もいる。
勝ち馬も出ている。
だがこのサイレントウィットネスの時ほど、
香港の競馬ファンが熱狂する光景を見ていない。
「精英大師」はきっと香港競馬史に残る名馬として、
香港の競馬ファンたちによって後世に語り継がれることになるのだろう。
日本でその「精英大師」の勝利に立ち会うことが出来た自分は、
きっと彼らから見ると「幸せなヤツ」ということになるに違いない。

2005年10月2日(日)
中山11R
第39回スプリンターズS(G1)
中山・芝1200メートル

1着7枠13番サイレントウィットネス(57・コーツィー) 1分7秒3
2着2枠 4番デュランダル(57・池添謙一) 1 1/4
3着6枠12番アドマイヤマックス(57・武豊) 1/2
4着7枠14番マルカキセキ(57・福永祐一) クビ
5着5枠10番キーンランドスワン(57・四位洋文) 3/4

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シンゲンが先頭でゴール

前年の天皇賞・秋以来の実戦がオールカマー。
長期休養明けの一戦だった。
重賞2勝を挙げている馬とはいえ、
この休養明けという条件は馬券検討をする上で
どうしても割り引かざるを得ない材料となってしまう。

シンゲンには長期休養明け以外にも不安な材料があった。
初勝利は函館だったが、
その後の勝ち星は全て東京・新潟。
左回りコースでは強いが右回りの中山では果たして・・・?
単勝オッズ7.3倍の5番人気というファンの評価は
妥当なものだったと言っていいだろう。

多くのファンが注目した馬は
前年に春秋のグランプリを制したドリームジャーニー。
そのドリームジャーニーはスタートで出遅れるも
馬群の外を回って押し上げを図る。
直線の坂下で馬群の外から先頭に躍り出ようとするその脚に、
誰もが「さすが」と思わず口にしそうになる。

しかしその内側からスルスルと伸びてくる馬がいる。
この存在にドリームジャーニーも、鞍上の池添謙一騎手も驚いたに違いない。
懸命に末脚を伸ばすドリームジャーニーだが
最後まで捕まえることが出来ないまま、ゴール板へ・・・。

そのドリームジャーニーをクビ差凌いだのがシンゲンだった。
長期休養明け、右回り、そしてグランプリホース・ドリームジャーニーとの対決。
シンゲンはその全てを克服しての勝利だった。
両手を高々と掲げながら引き上げてきた鞍上の藤田伸二騎手の姿が、
陣営の喜びを最も的確に表現しているように私には思えた。

両手を挙げる藤田伸二

故障が判明してから10ヶ月以上。
馬も辛いが、関係者にとっても苦しい期間であったのだろう。
ドリームジャーニーを破っての勝利は、
そんな人馬の想いを晴らす最高の復活劇となった。

2010年9月26日(日)
中山11R
第56回産経賞オールカマー(G2)
中山・芝2200メートル

1着5枠 5番シンゲン(57・藤田伸二) 2分11秒4
2着3枠 3番ドリームジャーニー(59・池添謙一) クビ
3着2枠 2番トウショウシロッコ(57・吉田豊) クビ
4着1枠 1番サンライズベガ(57・松岡正海) クビ
5着8枠10番ジャミール(57・安藤勝己) 2 

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2002年は新潟の競馬ファンにとって特別な年だった。
新潟競馬場の入場門を入るとすぐに目に入る、
こんな表示を思い出す。

「スプリンターズステークスまであと◯◯日」

この年は東京競馬場のスタンド改修工事の為、
東日本地区の開催日程に変更があった年だった。
例年は中山で行われるスプリンターズSが新潟競馬場に舞台を移して施行。
初めて新潟でG1レースが行われた年だった。
この為にいつもなら中山で迎える「秋競馬のスタート」も、
「夏競馬」を延長する形で新潟で迎える形となった。

いつもの年なら中山で行われる重賞競走も新潟での実施に変更された。
このセントライト記念もその一つである。
淀の大舞台である菊花賞を目指す馬たちの戦いに立ち会ったのは、
首都圏ではなく、新潟の競馬ファンたちだったのだ。

コースが中山ではなく、新潟で行われる以上、
新潟に縁のある馬が勝つ。
優勝馬はバランスオブゲーム。
しかしこの馬は新潟でデビューした馬。
しかも2戦目の新潟2歳Sも勝っている。
新潟のファンたちがこの馬を見るのは、
その新潟2歳S以来だった。

彼らはきっと弥生賞での逃げ切り勝ちも、
皐月賞やダービーでの戦いぶりも、きっと映像で見ていたに違いない。
その春の無念を晴らすべく挑んだ秋初戦に新潟のファンたちは再び立ち会い、
そしてまた勝利の瞬間を目撃することとなったのだ。
単なる偶然なのだろうが、巡り合わせというものは面白いものである。

その新潟をステップに淀の舞台に挑んだバランスオブゲーム。
結果は5着に敗れたが、
その後もG2戦で勝ち星を積み重ね、
G1でも2004年の安田記念3着や2006年の宝塚記念3着などの実績を残し、
ファンの多い名脇役となった。
新潟では3戦3勝。
この馬は隠れた新潟巧者でもあった。


9月15日(日・祝)
新潟11R
第56回ラジオ日本賞セントライト記念(G2)
新潟・芝2200メートル

1着6枠12番バランスオブゲーム(56・田中勝春) 2分12秒9
2着5枠 9番アドマイヤマックス(56・後藤浩輝) 1 1/2
3着8枠16番マイネルアムンゼン(56・嘉藤貴行) 1/2
4着6枠11番ヤマノブリザード(56・柴田善臣) クビ
5着4枠 7番カンファーベスト(56・郷原洋司) 2

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今年2012年のダービージョッキー・岩田康誠騎手。
2日(日)終了時点で、
JRAではG1(Jpn1)15勝を含む重賞47勝を挙げている。

その岩田康誠騎手がJRAで初めて獲得した重賞タイトルが
この2002年のセントウルSだった。
当時はまだ地方競馬所属騎手だった岩田康誠騎手。
しかしこのビリーヴには既に2度騎乗し、いずれも勝ち星を挙げている。
「岩田康誠」という名前を中央競馬のファン達が意識するようになったのは
この頃からだったと記憶している。

そしてこの勝利は園田・姫路競馬を知らない人たちにも
彼はその実力者であることを証明するきっかけとなった。
しかも1分7秒1というコースレコードでの勝ちっぷり。
派手なアピールとなったことは言うまでもない。

地方所属騎手だった岩田康誠騎手は
スプリンターズSではビリーヴの騎乗することが出来ず、
その手綱を武豊騎手に譲ることになる。
それでもその実力を無視できる筈がない。
この2年後には兵庫所属のままで、
中央の菊花賞をデルタブルースで勝利してしまった。
そして更にその2年後の2006年にはJRAに移籍している。

その後の岩田康誠騎手について、
ここで改めて語る必要はないだろう。
今では日本を代表するジョッキーの1人となった。
しかしその岩田康誠騎手が歩んだ道のりにおいて、
ビリーヴで制したこの年のセントウルSは
大きな意味を持つものとなったに違いない。

そのセントウルSから10年が経過した。
JRAの騎手事情はこの10年で大きく変化している。
もしかするとこのセントウルSは
その変化の始まりとなったレースなのかも、と時々思うことがある。
もちろん私が勝手に思っているだけなのだが。


2002年9月8日(日)
阪神11R
第16回セントウルS(G3)
芝1200メートル

1着1枠 1番ビリーヴ(54・岩田康誠) 1分7秒1
2着5枠 6番パイアン(54・服部剛史) 4
3着7枠10番カルストンライトオ(57・大西直宏) ハナ
4着5枠 5番テンシノキセキ(54・高橋亮) ハナ
5着8枠12番テンザンデザート(54・小池隆生) 1/2

プロフィール

菅野一郎
(かんのいちろう・本名同じ)
「もっと競馬をやりたいな」で、
「第1回Gallopエッセー大賞(2005年)」において、
佳作を受賞。
現在、競馬読み物Webサイト
「WEEKEND DREAM」管理人を務める。
時には厳しく、時には温かく愛情を込めて、「競馬の未来」を語ります。

※「プロフィール詳細・経歴」もご覧ください


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