(重賞回顧)2008年第42回スプリンターズS~優勝馬:スリープレスナイト~
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スリープレスナイトの手綱を取った
上村洋行騎手というと、
どうしても思い出すことがある。
彼が初めてダービーに騎乗したのは、
デビューから3年目の1994年。
コンビをクンだナムラコクオーは2番人気。
前年のラジオたんぱ杯3歳S、
この年のシンザン記念、NHK杯を制していたナムラコクオーについて、
彼は自信満々のコメントを残していた。
1番人気に支持されていた、
あのナリタブライアンとの対戦になるというのに・・・。
皐月賞を圧勝したナリタブライアンが相手でも
「勝てる」と言い切る強気さは、
若手騎手だったからこそだったのか?
それとも強がりだったのか?
結果は6着。
しかし、レース前から白旗を揚げる事なく、
日本競馬史に残る強豪馬に挑もうとする姿は好感が持てた。
きっとこの若手騎手がG1タイトルを手にする日は
遠くないに違いない。
当時はそんな事を思った記憶がある。
それから14年。
紆余曲折があったに違いない。
目の病気で視力が落ちて手術をした、
という話も耳にした事もあった。
きっと相当な苦労があったのだろう。
CBC賞、北九州記念を勝って1番人気に支持されていた
スリープレスナイトだっただけに、
この勝利は当然のことだったかもしれない。
しかし上村騎手にとって、
この6ハロン、1200メートルという距離は、
果たしてあっという間のものだっただろうか?
1分8秒0という走破時計の間に
頭の中で思い描いていたものは一体何だったのだろうか。
レース後、
引き揚げてくるスリープレスナイトと上村洋行騎手。
手を上げて中山に集まったファンの歓声に応えていたが、
次の瞬間には涙を拭うシーンが・・・。
ナムラコクオーで強気のコメントを発していた彼が、
ようやく手にしたG1タイトル。
苦労の末に掴んだその勝利の場面は、
今でも忘れることができない。
2008年10月5日(日)
中山11R
第42回スプリンターズS(G1)
中山・芝1200メートル
1着7枠14番スリープレスナイト(55・上村洋行) 1分8秒0
2着8枠15番キンシャサノキセキ(57・岩田康誠) 1 1/4
3着7枠13番ビービーガルダン(57・安藤勝己) クビ
4着6枠11番スズカフェニックス(57・横山典弘) 1/2
5着1枠 1番アポロドルチェ(55・勝浦正樹) アタマ
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