(重賞回顧)2008年第54回東京大賞典(大井)~優勝馬:カネヒキリ~
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ジャパンカップダートの結果に
「まさか・・・」と思った人は多かったに違いない。
当時、ダートでは最強と思われていた
ヴァーミリアンの敗戦も意外だったが、
勝った馬が2年以上の休養から復帰した武蔵野Sを
一叩きされたカネヒキリだった点も
「まさか・・・」だったのではないだろうか。
かつては「砂のディープインパクト」と呼ばれた馬だが、
屈腱炎により2年以上の休養を余儀なくされた馬が
一度叩かれただけで
いきなりダート界の頂点に戻ってくることになろうとは・・・。
ヴァーミリアンとカネヒキリは共に
年末の大井での一戦を次走に選んだ。
ヴァーミリアンはまだダート王として君臨し続けることが出来るのか?
阪神でカネヒキリが見せた復活劇は本物なのか?
単勝1番人気はヴァーミリアン。
カネヒキリは2番人気に。
地方競馬におけるダートグレード戦線を勝ち続けていた
ヴァーミリアンが
この大井ならまだチャンピオンの座を守ることが出来るのではないか。
この年の東京大賞典は有馬記念翌日の一戦。
リベンジを期待するファンも多かったに違いない。
そんなファンの支持はヴァーミリアンの方が上回っていた。
レースが最後の直線に差し掛かる。
大井競馬場に集まったファンたちは
そのヴァーミリアンとカネヒキリの叩き合いに熱くなる。
武豊騎手とクリストフ・ルメール騎手の二人が
大井競馬場のナイター照明に照らされながら、
熱い戦いを繰り広げる。
タイム差なしの接戦はクビ差で
カネヒキリに再び軍配が上がった。
カネヒキリが連勝。
この馬の復活は本物だった。
あの「砂のディープインパクト」が戻ってきた。
次の舞台はドバイでは・・・。
そんな期待を抱いた人も多かったに違いない。
だがレース後に角居勝彦調教師が
静かに語った言葉が忘れられない。
-大きな故障による長い休養を経験した馬だけに、
海外だとか、そんな無理はさせられない。
今は復帰までの間の様々な苦労を見守ってくれたオーナーと
耐えてくれた馬に感謝するだけ。-
1頭の馬がそのカテゴリーのトップを走り続けること。
その意味を改めて教えられたような気になった。
「この先」についての期待ばかりではなく、
こうしてカネヒキリが強い姿で戻ってきてくれたたことを喜ばなければ・・・。
暗闇が広がる大井競馬場で
カネヒキリへの愛情溢れるコメントを報道陣に残し、
去っていく角居勝彦調教師の後ろ姿が忘れられない。
2008年12月29日(月)
大井10R
第54回東京大賞典(Jpn1)
1着8枠 9番カネヒキリ(JRA・57・ルメール) 2分4秒5
2着1枠 1番ヴァーミリアン(JRA・57・武 豊) クビ
3着7枠 8番サクセスブロッケン(JRA・55・内田博) 2 1/2
4着8枠10番ブルーコンコルド(JRA・57・幸英明) 2 1/2
5着7枠 7番フリオーソ(船橋・57・戸崎圭) 1/2
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