(重賞回顧)2007年第9回ジャパンダートダービー(大井)~優勝馬:フリオーソ~
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フリオーソが単勝3番人気だったというのは
意外に思える人もいるかもしれない。
前年の全日本2歳優駿を優勝し、
ダートでこの世代トップに立ったフリオーソ。
3歳となった2007年は船橋競馬所属のまま、
JRAの芝コースでの重賞戦線に挑んだ。
共同通信杯は7着。
続くスプリングSは11着。
中央クラシック戦線への切符を手にすることは出来なかった。
その後は地元・南関東のクラシック戦線を目指すことになる。
しかし南関東のクラシック戦線も甘くはない。
羽田盃はトップサバトン、アンパサンドに先着を許して3着。
続く東京ダービーでもアンパサンドと叩き合い、クビ差敗れて2着に。
いずれも1番人気に支持されながら、
南関東伝統のクラシックタイトル2つを取り逃がしてしまう。
これでは南関東でも「世代最強」とは言えない。
更にこのジャパンダートダービーには
4連勝でユニコーンSを制したロングプライドなど、
強力なJRA勢も参戦してくる。
単勝オッズは6.4倍で3番人気。
ロングプライドとアンパサンドに
人気の面では主役の座を譲らざるを得なくなった。
羽田盃と東京ダービーの結果を考えれば、
これは妥当な評価だった。
3コーナーの手前でハナを切るJRAのエイシンイッキを交わして
先頭に立ったフリオーソ。
そのまま4コーナーも先頭で回る。
しかしその背後から羽田盃と東京ダービーで先着を許したアンパサンドが、
更に武豊騎手が鞍上を務めるロングプライドが迫っている。
また捕まって交わされてしまうのか・・・。
しかしこの日のフリオーソは違っていた。
直線で懸命に追い込むアンパサンドとロングプライドを逆に突き放し、
先頭でゴール板を駆け抜ける。
そして及川暁アナウンサーが叫ぶ。
「フリオーソ、3つ目で決めた、1着っ!!」
2歳王者フリオーソにとって、
このジャパンダートダービーはそのプライドを保つ最後のチャンスだった。
だが羽田盃や東京ダービーとは違い、
「3つ目」のジャパンダートダービーは
強力なJRA勢との対決をも余儀なくされる。
「2冠」を取り逃がしたフリオーソにとっては、
更なる厳しい戦いであった筈。
しかしフリオーソはその戦いに勝利し、
世代最強馬としての実力を大井のファンに魅せつけた。
今日も地方競馬におけるトップホースであり続けるフリオーソ。
その蹄跡を語る上で、この3歳クラシック戦線での苦闘を忘れることは出来ない。
2007年7月11日(水)
大井11R
第9回ジャパンダートダービー(Jpn1)
大井・ダート2000メートル
1着7枠14番フリオーソ(船橋・56・今野忠) 2分2秒9
2着5枠10番アンパサンド(川崎・56・戸崎圭) 2 1/2
3着1枠 1番ロングプライド(JRA・56・武豊) 4
4着5枠 9番マイネルアワグラス(JRA・56・柴田善) 2 1/2
5着6枠12番ディオスクロイ(JRA・56・後藤浩) 3/4
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