（重賞回顧）２００６年第５８回阪神ジュベナイルフィリーズ～優勝馬：ウオッカ～

全ての伝説はこのレースから始まった、
と言っても過言ではないだろう。
翌年には６４年ぶりとなる牝馬によるダービー制覇を果たし、
その後も２００８年の安田記念、天皇賞・秋、
２００９年のヴィクトリアマイル、安田記念、ジャパンカップを制した
名牝ウオッカがその存在を初めて示したレース。
それがこの年の阪神ジュベナイルフィリーズだった。

しかしこの時点でのウオッカの評価は
決して高いものではなかった。
単勝オッズは４番人気１１．１倍。
武豊が乗る小倉２歳Ｓ、ファンタジーＳの重賞２勝馬アストンマーチャンが１番人気。
２番人気に未勝利戦、５００万下を連勝したルミナスハーバー、
３番人気に新馬戦、オープン特別を連勝し、ファンタジーＳ３着の
ハロースピードが続く。
ウオッカは新馬戦を勝ったものの
５００万下の黄菊賞で２着に敗れていた。
当時のこの評価は仕方のないものだったのかもしれない。

直線でアストンマーチャンが馬群から抜け出す。
やはり武豊なのか？
カメラがアストンマーチャンから馬群の外に切り替わる。
そこには次元の違う末脚で突っ込んでくるウオッカが映っていた。
ファンは皆、その末脚に驚きの声を上げる。
アストンマーチャンにクビ差先着する形でゴール。
しかしその力の違いは歴然としていたように思えた。
掲示板にレコードの文字が浮かぶ。
１分３３秒１は２歳・芝１６００メートルの日本レコードだった。
場内から２度目の驚きの声が上がった瞬間だった。

後のウオッカが歩んだ名牝伝説を考えれば
驚くに値しない結果なのかもしれない。
だが当時、このレースが始まるまでは、
その存在自体が決して大きなものではなかった。
しかしこうして突如頭角を表した馬が３歳に、
そして古馬になってトップホースの座に君臨する。
だからこそ「その後」も含めて衝撃的な印象が残ったレースだった。
今年もそんな伝説の始まりを見ることが出来るのかもしれない。
だから阪神ジュベナイルフィリーズは面白い。

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2006年12月 3日(日) 3回阪神2日  天候: 晴   馬場状態: 良
11Ｒ  第58回農林水産省賞典阪神ジュベナイルフィリーズ
２歳・オープン・Ｇ１(馬齢) (牝)(混)(指定)  芝・外 1600m   18頭立
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着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
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１ 1  2  ウオッカ　　　　　 牝 2 四位洋文  54  1.33.1 34.2  4 482 (栗)角居勝彦
２ 5  9  アストンマーチャン 牝 2 武豊　　  54  1.33.1 34.5  1 460 (栗)石坂正　
３ 2  3  ルミナスハーバー　 牝 2 小牧太　  54  1.33.7 35.4  2 450 (栗)橋口弘次
４ 8 17 $ローブデコルテ　　 牝 2 福永祐一  54  1.33.8 34.5  6 456 (栗)松元茂樹
５ 8 16  イクスキューズ　　 牝 2 藤田伸二  54  1.33.8 34.7  5 436 (美)藤沢和雄
６ 4  8  ハロースピード　　 牝 2 岩田康誠  54  1.33.8 34.3  3 432 (美)相沢郁　
７ 6 12  クラウンプリンセス 牝 2 プラード  54  1.34.0 35.4  7 446 (栗)橋口弘次
８ 3  5  ピンクカメオ　　　 牝 2 蛯名正義  54  1.34.1 34.7  8 454 (美)国枝栄　
９ 8 18  ハギノルチェーレ　 牝 2 武幸四郎  54  1.34.2 34.8  9 478 (栗)山本正司
10 5 10 $コスモベル　　　　 牝 2 モンテリ  54  1.34.3 35.4 14 438 (栗)西園正都
11 2  4  ホットファッション 牝 2 中舘英二  54  1.34.4 35.3 18 454 (美)戸田博文
12 4  7  マイネルーチェ　　 牝 2 幸英明　  54  1.34.5 35.4 11 438 (美)上原博之
13 7 13  バクシンヒロイン　 牝 2 藤岡佑介  54  1.34.8 36.2 17 418 (栗)田所秀孝
14 1  1  テンザンコノハナ　 牝 2 角田晃一  54  1.34.9 35.5 13 454 (栗)松永昌博
15 3  6  キャッスルトン　　 牝 2 高田潤　  54  1.35.1 35.5 16 422 (栗)松田博資
16 7 15  ジーニアス　　　　 牝 2 横山典弘  54  1.35.3 36.4 10 442 (栗)安田隆行
17 7 14  ディーズメンフィス 牝 2 勝浦正樹  54  1.35.3 35.7 12 428 (美)藤原辰雄
18 6 11  メジロアダーラ　　 牝 2 スボリッ  54  1.36.1 37.7 15 440 (美)大久保洋
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LAP :12.2-10.7-11.5-11.9-12.0-11.7-11.2-11.9
通過:34.4-46.3-58.3-70.0  上り:70.2-58.7-46.8-34.8  平均:1F:11.64 / 3F:34.91
単勝   ２ \1110
複勝   ２ \210 / ９ \110 / ３ \210
枠連   1-5 \850 (4)
馬連   02-09 \900 (3)
ワイド 02-09 \420 (4)/ 02-03 \960 (10)/ 03-09 \360 (2)
馬単   02-09 \2860 (8)
３連複 02-03-09 \1780 (4/816)
３連単 02-09-03 \14240 (29/4896)

（ＪＲＡ－ＶＡＮより
「ＴＡＲＧＥＴ　ｆｒｏｎｔｉｅｒ　ＪＶ」使用）