(重賞回顧)1993年第31回金杯(京都)~優勝馬:エルカーサリバー~
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ハンデ戦においてハンデキャッパーが
出走各馬の斤量を決める時、
全ての馬が横一線でゴールすることをイメージする、
という話を聞いたことがある。
もちろん実際にはそんなことはあり得ないが、
その理想に近い形のレースはいくつか実例があるように思える。
この年の関西の金杯は
ハンデ戦の成功例と言えるレースではないだろうか。
優勝馬はエルカーサリバー。
1000メートル通過62秒2の超スローペースでハナに立ち、
そのまま逃げ切りを決めてしまう。
鞍上の山田泰誠は前年の暮れに
メジロパーマーで有馬記念を逃げ切り勝ち。
騎手の勢いというものが感じられた勝ちっぷりだった。
問題はその3/4馬身差後ろで
繰り広げられた2着争いだった。
エイシンテネシー、ラッキーゲラン、ワンモアラブウエイ、ヤマニンミラクル、
ミスタースペイン、アラシ、ヌエボトウショウ、
この7頭が同タイム、横一線でゴール板を通過したのだ。
この7頭中、斤量が最も重かったのはミスタースペインの59キロ、
最も軽かったのはエイシンテネシーの51キロ。
このハンデ差が大混戦と長い写真判定をもたらした。
結果はエイシンテネシーが2着で
ラッキーゲランとワンモアラブウエイが3着同着。
この2着と3着の2頭の間、
そしてその2頭の後ろからから8着のヌエボトウショウまでの
各馬の差は全てハナ差。
同じタイムで走りながら、
2着から8着まで馬も、騎手も、厩舎関係者も、
馬券を買うファンも明暗が分かれてしまう。
ハンデ戦の凄さ、怖さを見たレースだった。
このゴールの瞬間、
ハンデキャッパーの心境はどんなものだったのだろうか?
新年早々いい仕事をした、といったところか?
一方で写真判定の末に着順を決めた人たちはきっと
大変な想いをしたのだろうが・・・。
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1993年 1月 5日(火) 1回京都1日 天候: 晴 馬場状態: 良
11R 第31回スポーツニッポン賞金杯
4歳以上・オープン・G3(ハンデ) (混) 芝・内 2000m 16頭立
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着枠 馬 馬名 性齢 騎手 斤量 タイム 3F 人体重 廐舎
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1 8 15 エルカーサリバー 牝 4 山田泰誠 55 2.01.4 ---- 1 460 (栗)田中良平
2 3 6 $エイシンテネシー 牝 4 武豊 51 2.01.5 ---- 2 460 (栗)坂口正則
3 1 2 ラッキーゲラン 牡 7 内田浩一 58 2.01.5 ---- 13 466 (栗)池江泰郎
3 5 9 ワンモアラブウエイ 牝 4 宝来城多 52 2.01.5 ---- 14 436 (栗)渡辺栄
5 2 4 ヤマニンミラクル 牡 4 河内洋 54 2.01.5 ---- 4 438 (栗)浅見国一
6 6 12 ミスタースペイン 牡 5 石橋守 59 2.01.5 ---- 7 490 (栗)橋口弘次
7 7 14 アラシ セ 4 土肥幸広 55 2.01.5 ---- 3 462 (栗)加藤敬二
8 7 13 ヌエボトウショウ 牝 6 角田晃一 58 2.01.5 ---- 6 488 (栗)渡辺栄
9 8 16 トーワナゴン 牝 4 岸滋彦 51 2.01.6 ---- 11 440 (栗)佐山優
10 2 3 サンドピープル 牝 4 上村洋行 51 2.01.7 ---- 5 444 (栗)吉永忍
11 6 11 ミナミノアカリ 牡 5 藤田伸二 54 2.01.9 ---- 10 446 (栗)庄野穂積
12 3 5 ヤマニンシアトル 牡 6 南井克巳 57 2.01.9 ---- 8 516 (栗)橋本寿正
13 4 8 ワイドバトル セ 6 田原成貴 57 2.01.9 ---- 9 484 (栗)吉永猛
14 4 7 センターショウカツ 牡 6 松永昌博 54 2.02.0 ---- 15 452 (栗)松永善晴
15 5 10 タイイーグル 牡 6 安田隆行 54 2.02.0 ---- 12 534 (栗)坂口正則
16 1 1 エイシンウイン 牡 7 小池隆生 52 2.02.4 ---- 16 470 (栗)坂口正則
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LAP :13.4-12.6-12.4-11.9-11.9-12.2-11.8-11.7-11.5-12.0
通過:38.4-50.3-62.2-74.4 上り:71.1-59.2-47.0-35.2 平均:1F:12.14 / 3F:36.42
単勝 15 \430
複勝 15 \140 / 6 \180 / 2 \610 / 9 \600
枠連 3-8 \710 (2)
馬連 06-15 \1250 (1)
(JRA-VANより
「TARGET frontier JV」使用)
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