(重賞回顧)2001年第48回日経新春杯~優勝馬:ステイゴールド~
2001年、
日本の競馬界はある一つの大きな変更の年を迎えた。
競走馬の年齢表記が国際基準と同様に、
変更となったのである。
それまで数え年による表記だった日本の競馬界。
夏以降にデビューするのは「3歳馬」であり、
ダービーやオークスに出走する馬たちは「4歳馬」だった。
しかしこの年から変わった年齢表記では、
夏以降にデビューを迎える馬たちは「2歳馬」、
ダービーやオークスに出走するのは「3歳馬」と改められた。
1998年の天皇賞・春、宝塚記念、天皇賞・秋、
1999年の天皇賞・秋でそれぞれ2着。
G1レースの常連だったステイゴールドは
旧年齢表記では「8歳馬」。
「8歳」と聞くとさすがに「高齢馬」のイメージがつきまとう。
実際に2000年の秋シーズンは天皇賞・秋7着、
ジャパンカップ8着、有馬記念7着と、
いずれも馬券圏内から外れていた。
年が明けて「8歳」。
さすがにピークは過ぎたのかもしれない。
と思ったら、この年齢表記変更で、
ステイゴールドはこの2001年も「7歳馬」となった。
「7歳」と「8歳」。
見ているこちらも何となく印象が違う。
まだ7歳。
もうひと踏ん張りしてもらわないと・・・。
人間の側の都合でしかないのだが、
こうしてもう1年「7歳馬」と呼ばれることが
ステイゴールドにも伝わったのだろうか?
この日経新春杯では58.5キロのトップハンデを背負うことに。
しかしその斤量面での不利を全く感じさせることはなかった。
3番手から直線で抜けだすと、
2着サンエムエックスに1馬身1/4差をつけてあっさり勝利。
前年の目黒記念以来の勝利となった。
「衰え」と見る向きもあった前年秋の凡走ぶりが
嘘のような快勝である。
上がり3ハロンは34秒4。
これはメンバー中、最速のものであった。
ステイゴールドはその後もファンを驚かせることになる。
次走はドバイに遠征し、
ドバイシーマクラシックではあのファンタスティックライトに
競り勝って優勝。
日本ばかりか、世界中を驚かせてしまった。
そしてこの年の年末には香港ヴァーズを制して、
悲願のG1タイトルを獲得。
この馬、「7歳」という文字が読めたのではないか?
ついそんな冗談も言いたくなる馬だった。
ステイゴールド、日経新春杯の時期になると、
思い出してしまう1頭である。
彼は年齢表記変更を知っていたのだろうか?
------------------------------------------------------------------------------
2001年 1月14日(日) 1回京都6日 天候: 晴 馬場状態: 良
11R 第48回日経新春杯
4歳以上・オープン・G2(ハンデ) (混)[指定] 芝・外 2400m 11頭立
------------------------------------------------------------------------------
着枠 馬 馬名 性齢 騎手 斤量 タイム 3F 人体重 廐舎
------------------------------------------------------------------------------
1 1 1 ステイゴールド 牡 7 藤田伸二 58.5 2.25.8 34.4 5 436 (栗)池江泰郎
2 6 6 サンエムエックス 牡 5 松永幹夫 55 2.26.0 34.8 2 504 (栗)松田正弘
3 7 9 ヤマニンリスペクト 牡 4 福永祐一 54 2.26.3 34.7 3 512 (栗)浅見秀一
4 3 3 ホワイトハピネス 牡 4 小原義之 51 2.26.4 35.0 7 448 (栗)小原伊佐
5 5 5 イブキヤマノオー 牡 6 幸英明 54 2.26.5 34.6 8 486 (栗)領家政蔵
6 8 11 ユーセイトップラン 牡 8 河内洋 56 2.26.6 34.9 11 484 (栗)音無秀孝
7 7 8 $パラダイスヒルズ 牡 6 高橋亮 55 2.26.6 34.7 10 474 (栗)橋口弘次
8 4 4 マーベラスタイマー 牡 7 デムーロ 57 2.26.7 35.4 6 518 (美)矢野照正
9 2 2 ロサード 牡 5 安藤勝己 57 2.26.7 34.9 1 430 (栗)橋口弘次
10 8 10 メジロロンザン 牡 5 武幸四郎 54 2.26.8 35.6 9 486 (美)大久保洋
11 6 7 $シルヴァコクピット 牡 4 四位洋文 56 2.27.2 35.6 4 498 (栗)安田隆行
------------------------------------------------------------------------------
LAP :12.4-11.3-11.8-13.1-13.2-12.6-12.4-12.4-12.0-11.7-10.8-12.1
通過:35.5-48.6-61.8-74.4 上り:71.4-59.0-46.6-34.6 平均:1F:12.15 / 3F:36.45
単勝 1 \760
複勝 1 \250 / 6 \160 / 9 \220
枠連 1-6 \1390 (4)
馬連 01-06 \2240 (7)
ワイド 01-06 \810 (8)/ 01-09 \1130 (17)/ 06-09 \540 (3)
(JRA-VANより
「TARGET frontier JV」使用)
※レース結果・払戻金については
主催者発表のものを必ずご確認ください。
関連記事
- (重賞回顧)2011年第12回ジャパンカップダート~優勝馬:トランセンド~
- 「これがドバイワールドカップ2着の実力!!」と言ってしまうのは安易すぎるだろうか...
- (重賞回顧)2006年JBCマイル(第6回JBCスプリント、川崎)~優勝馬:ブルーコンコルド~
- 11月5日(月)は川崎競馬場でJBC競走(クラシック・スプリント・レディスクラシ...
- (重賞回顧)2003年第128回天皇賞・秋~優勝馬:シンボリクリスエス~
- 「どうしてそんな競馬になってしまったのか?」について、改めて書くことに何の意味も...
- (重賞回顧)2004年第65回菊花賞~優勝馬:デルタブルース~
- 初出走、初騎乗、初勝利、初めての重賞勝利、そして初めてのG1勝利・・・。今日の日...
- (重賞回顧)2007年第12回秋華賞~優勝馬:ダイワスカーレット~
- 今改めてこのレースの単勝オッズを見て、ある事に気がついた。1番人気馬ウオッカは2...
- (重賞回顧)2010年第23回マイルチャンピオンシップ南部杯(盛岡)~優勝馬:オーロマイスター
- 4コーナーで驚きの声を挙げた人は多かったのではないか。セレスハント、オーロマイス...
- (重賞回顧)2005年第39回スプリンターズS~優勝馬:サイレントウィットネス~
- 「この馬、強いよ・・・」ゴールの瞬間、思わず呟いてしまった。サイレントウィットネ...
- (重賞回顧)2010年第56回オールカマー~優勝馬:シンゲン~
- 前年の天皇賞・秋以来の実戦がオールカマー。長期休養明けの一戦だった。重賞2勝を挙...
- (重賞回顧)2002年第56回セントライト記念~優勝馬:バランスオブゲーム~
- 2002年は新潟の競馬ファンにとって特別な年だった。新潟競馬場の入場門を入るとす...
- (重賞回顧)2002年第16回セントウルS~優勝馬:ビリーヴ~
- 今年2012年のダービージョッキー・岩田康誠騎手。2日(日)終了時点で、JRAで...
トラックバック(0)
このブログ記事を参照しているブログ一覧: (重賞回顧)2001年第48回日経新春杯~優勝馬:ステイゴールド~
このブログ記事に対するトラックバックURL: http://weekenddream.jp/bin/mt-tb.cgi/9475