(重賞回顧)2001年第42回宝塚記念~優勝馬:メイショウドトウ~
この日以前に行われた両者の直接対決は5回。
最初に顔を合わせたのは1年前の宝塚記念だった。
そして2度目は重馬場の天皇賞・秋。
3回目はあのファンタスティックライトには先着したジャパンカップ。
4回目の有馬記念では一瞬「勝った」と思ったかもしれない。
そして5回目は年が改まったこの年の天皇賞・春。
しかし、いずれも「2着」だった。
いつも「あの馬」が自分の前にいた。
「あの馬」とはテイエムオペラオーの事である。
前年は古馬の中・長距離G1タイトルを全て持って行かれてしまった。
メイショウドトウ自身もその光景を目の前で何度も見ている。
果たして勝つことが出来ない相手なのだろうか?
だが、何とか破らなければ、
G1タイトルを手にすることは出来ない。
陣営にも常に「今度こそ」
の想いがあったに違いない。
メイショウドトウが3枠3番。
テイエムオペラオーは4枠4番。
隣同士の枠になってしまうのは何かの因縁だろうか。
この日、メイショウドトウは
常にテイエムオペラオーよりも前でレースを進めた。
前走の天皇賞・春とは全く逆のパターンである。
スパートしたのもテイエムオペラオーより先だった。
4コーナーの手前で動き、
直線に入る時には先頭に立っていた。
テイエムオペラオーは馬群の外を回らざるを得ない苦しい展開。
それでもきっと気配は感じていたに違いない。
全力で逃げた。
全力で粘った。
そしてゴール板・・・。
テイエムオペラオーはまた1馬身1/4ほど後ろにいた。
勝ったのだ。
テイエムオペラオーにとうとう勝ったのだ。
同世代のライバルを倒して、
G1タイトルを手にすることが出来たのだ。
メイショウドトウ、テイエムオペラオーの2頭は、
その後もG1で対決を続け、
この年の有馬記念を最後に共に引退した。
引退式は翌年の京都競馬場で行われた。
2頭とも一緒に引退式を実施。
ラストランも2頭並んでのものとなった。
名勝負を演じ続けた1996年生まれのライバル2頭。
G1で見せたライバル対決は、
競馬場に駆け付けたファンたちを常に熱くさせるものだった。
2001年6月24日(日)
阪神11R
第42回宝塚記念(G1)
阪神・芝2200メートル
1着3枠 3番メイショウドトウ(58・安田康彦) 2分11秒7
2着4枠 4番テイエムオペラオー(58・和田竜二) 1 1/4
3着5枠 6番ホットシークレット(58・柴田善臣) ハナ
4着7枠 9番ステイゴールド(58・後藤浩輝) 1 1/2
5着6枠 8番エアシャカール(58・蛯名正義) 1 1/4
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