(重賞回顧)2002年ラジオたんぱ賞~優勝馬:カッツミー~
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優勝したカッツミーの勝負服を見た時、
ふとある事に気が付いた。
白が基調だが、
袖と胴の斜めのラインに「ピンク」が使われている。
「ピンク」と言えば、
カッツミーの手綱を取った内田利雄騎手を象徴する色である。
勝ちっぷりも「ミスターピンク」内田利雄騎手らしいものだった。
3コーナーの時点では後方から2番手。
福島の短い直線を「大外一気」の競馬で決めた
JRA重賞初制覇だった。
思えば以前、
宇都宮競馬場に行った時に、
「ミスターピンク」の似たような追い込みを目の当たりにし、
馬券が紙くずになったことがあったような・・・。
そんな事も思い出してみたりして。
内田利雄騎手がまだ北関東で騎乗していた頃、
他地区やJRAで騎乗するというと、
地元の栃木からも大勢の人が応援団として
どこにでも駆けつける人達がいたのを覚えている。
「ミスターピンク」は
当時から多くのファンに愛される存在だったのだ。
レース直後、
福島競馬場のウイナーズサークルには、
この日も栃木から駆け付けたと思われる人達が集まっていた。
そこでこんな一幕があった。
表彰式が終わり、
内田利雄騎手はウイナーズサークルに集まったファンが
差し出す色紙に、
1枚1枚丁寧にサインをしていた。
サインをする「ミスターピンク」に、
「応援団」の一人がこんな声をかけたのだ。
「内田さ~ん。
色紙に『宇都宮競馬場にも来てください』って、
書かなきゃダメだよ。
潰れちゃうかもしれないんだから。」
発言した本人も、
他の「応援団」のメンバー達も、
冗談のつもりだったに違いない。
笑い声が上がったのを覚えている。
「ミスターピンク」もサインをしながら笑顔を見せていた。
しかしその後、3年も経たない間に、
宇都宮競馬場は本当に廃止になってしまった。
あの時、福島のウイナーズサークルにいたファン達も、
内田利雄騎手自身もこんな事態になることを予測していただろうか?
宇都宮競馬場の廃止後、
内田利雄騎手は地方競馬初の「フリー騎手」として、
全国の地方競馬やアジア各国の競馬場を
「短期騎乗」の形で転戦している。
「ミスターピンク」は全国区の存在となり、
騎乗した地域ごとに新たなファンを作り続けた。
でも北関東で騎乗していた当時、
彼の行く先にはどこでも駆け付けていたあの人達は、
今はどうしているのだろう?
このレースを思い出す度に、
あのウイナーズサークルでの出来事を
思い出さずにはいられない。
2002年6月30日(日)
福島11R
第51回ラジオたんぱ賞(G3)
福島・芝1800メートル
1着4枠 6番カッツミー(54・内田利雄) 1分48秒3
2着3枠 4番レニングラード(54・柴田善臣) クビ
3着7枠13番ソウゴン(54・石神深一) 1
4着4枠 7番ラヴァリージェニオ(54・田中勝春) 1/2
5着8枠15番マイネルディバイン(54・飯田祐史) 1/2
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