(独り言)「あり得ない話はない」からこそ

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こんな噂話を耳にしたことはないだろうか?

「岩手から競馬がなくなる、
などということは絶対にあり得ない。
もし岩手競馬の経営が行き詰まったとしても、
JRAが盛岡競馬場を買収して、
中央競馬の開催をするのだから。」

本当にそんな事が可能なのだろうか?
と話を聞く度に思う。
法改正など手続き上の問題も含めて、
障害となる要素がたくさんある筈なのだから。
それでも似たような話をする人は一人や二人ではない。
どの立場の人かはわからないが、
そんな事を考えている人が競馬界にはきっといるのだろう。

どんな「ウルトラC」も「夢物語」も
「あり得ない話」と決めつけてはいけないのだ、
と東京競馬場のスタンドで
岩手G1のファンファーレを聞きながら思った。
昨年の今頃、
「来年の南部杯は府中でやるよ」
などと言ったら、
10人中10人に馬鹿にされたに違いない。
きっと「3.11」直後でもそうだったのではないか?
東日本大震災の影響で、
「今年2011年に限り、南部杯は中止」
という想像が出来た人はいたかもしれない。
しかしJRAの開催で、
そして東京競馬場で実施するという話を
震災直後に想像出来た人はどのくらいいただろうか?
競馬の世界でも「あり得ない話」はないことを
今回の南部杯で知った。
その前提で考えておかなければならない話がある。

この南部杯や
盛岡競馬場で南部杯の代わりに行われた絆カップの前に
岩手競馬が立ち上げた
「岩手競馬の秋を楽しむSPECIAL BLOG」という
特設ブログがある。
競馬メディアで活躍する著名人たちが
リレーコラムを展開しているのだが、
トップバッターを務めた須田鷹雄さんのコラムを読んで頂きたい。

それは確実に、日本競馬史の1ページに参加することにもなる。(岩手競馬の秋を楽しむSPECIAL BLOG) 


こんなポイントが見えてはこないだろうか。

・岩手競馬はただの地方競馬ではない。

・岩手競馬は特別な存在なのだ。

・だから岩手競馬はどんな事があっても存続させなければならない。

今年一杯で廃止が決まった荒尾競馬のような所があるから
そんな事を考えてしまうのかもしれない。
でもきっと震災のせいだけではないだろう。
もし今、地方競馬がある地域のどこかで同様の災害が発生した場合、
同じように「◯◯競馬を支援する日」が出来るのだろうか?
JRAがその競馬場で実施予定のダートグレードレースを
代わりに実施してくれるのか?
笠松競馬場や福山競馬場のように、
ダートグレードレースが行われていない競馬場の場合は
どうするのか?
こうした点を考えてみればわかるだろう。
JRA、全国の地方競馬、馬産地など、
全ての「競馬界」が共通して、
「岩手競馬は存続させなければならない」と
いうベクトルを有している。
そう考えるべきなのだろう。
それは地元政界や経済界にどんな風が吹こうが、
主催する枠組みが代わろうが、
きっと別の「政治力」が働いていると考えるべきなのかもしれない。

「安心した」という人もいるかもしれない。
私も少しホッとした部分はある。
しかし一方で「どうして岩手だけ?」という声が上がらないか、
という不安もある。
10日(月・祝)に盛岡競馬の場外発売を実施した競馬場の中に、
「JRAに客を奪われて、
普段の場外発売日よりも来場者が少なかった。
ウチも岩手の馬券を売っているのに。」
というところがあったという話を耳にした。
「心をひとつに」というキャッチフレーズに
かき消されている違和感が
どこかで爆発したりしないだろうか?
「あり得ない話はない」からこそ、
その分の怖さもあるように思えるのだが。
そんな懸念を抱いた「10.10」だった。

 

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プロフィール

菅野一郎
(かんのいちろう・本名同じ)
「もっと競馬をやりたいな」で、
「第1回Gallopエッセー大賞(2005年)」において、
佳作を受賞。
現在、競馬読み物Webサイト
「WEEKEND DREAM」管理人を務める。
時には厳しく、時には温かく愛情を込めて、「競馬の未来」を語ります。

※「プロフィール詳細・経歴」もご覧ください


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