(独り言)中央競馬と一緒

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手元の競馬専門紙を見ると、
1頭だけグリグリと厚く印が並んでいる馬がいる。
この馬の名前を仮にAとしよう。
スタートしてからのポジション取りが重要視される地方競馬において、
Aのような馬をあっさりとハナに行かせてしまったら、
まず負ける可能性はないだろう。
しかし内枠を見ると逃げ馬が1頭。
戦績を見るとこの馬は逃げた時にしか馬券に絡んだことはない。
この馬の名前を仮にBとする。
恐らくこのBが何が何でもハナを奪い、
Aに対して抵抗を試みるに違いない。
だからAを絶対視するのは止めておこう。
AはBの抵抗にあって余計な脚を使ってしまい、
もしかすると直線でおつりがなくなってしまうかもしれないではないか。

ところがこのレース、
Bの騎手があっさりとAにハナを譲ってしまった。
マイペースでレースを引っ張るAは
直線でも脚色が衰えることなく、
先頭でゴール板を駆け抜けた。
思わずため息が出る。
「◯◯(Bに騎乗している騎手名)は何をやってるんだよ!!
Aをあんなに楽にしてどうするんだよ!!」
と心の中でつぶやく・・・。

船橋記念当日の11日(水)、
船橋競馬場のあるレースにおいて見られた光景である。
馬券というものはその馬だけではなく、
乗っている騎手も考えて買うべきものである。
だから買った騎手がミスをするということは、
そんな騎手の馬券を買った方が悪い。
だから私のつぶやきは
あくまで心の中に留めておくべきものなのだろう。

ところがである。
私のつぶやきと全く同じ趣旨の言葉が、
私の後ろにいた60歳すぎと思われるベテラン競馬ファン3人組からも
聞こえてきたのである。
「◯◯は逃げなきゃ話にならんだろうが。
そんな事もわからんのか、アイツは!!」
彼らは続けて、
こんな言葉を口にした。
「最近の南関東は中央と一緒。変な所ばかり真似やがって。」

そう言えば、
私が心の中でつぶやいた話は、
かつてはよく中央競馬で感じていたような気がする。
特に中山競馬場のような小回りコースで、
人気馬をあっさりと前に行かせてしまうレースを見て、
イライラして仕方がなかった時期がある。
確かに目の前で見た光景はあの時のモノに良く似ている。
後ろのベテラン競馬ファンたちは
恐らく私よりも船橋競馬はもちろん、
南関東の競馬を見続けているに違いない。
そんな彼らが「中央競馬と一緒」だというのだ。
さすがに納得せざるを得ない。

仕方のないことなのかもしれない。
出走馬の生産牧場やオーナーの名前などを見ていると、
その出所が中央競馬のそれとほとんど変わらない、
などというケースがよくある。
ダートグレード競走に強力な中央馬が出走してきた際の
彼らの対応も良く似ている。
スマートファルコンが走るレースなどを見ていると、
「誰かもう少し抵抗しろよ」とか言いたくなることもある。
でも背景が中央競馬と似てくると
レースの中身も似たものになるということなのだろう。
「空気を読まなければならない時もある」
などと書いたら、お叱りを頂いてしまうだろうか?
でもそんな空気を読んだ上で馬券を買うべきなのかもしれない。

中央競馬よりも差し・追い込みが決まりにくいコースだけに、
「逃げると決めたら、何が何でも逃げる」
といった頑固な職人気質の騎手が多い、
というのがかつてのイメージだったし、
だから好きだった部分もある。
いや、それはきっと勘違いだったのだろう。
妄想だったに違いない。
そんなイメージは捨て去るべきなのだろう。
だから馬券も当たらないのだ、きっと。

「仕方がない」で済ませてしまっていいのだろうか?
でも「仕方がない」というしかないのだろうな、きっと。
最終レース後、
心にそんなモヤモヤした何かを残しながら、
冷え込む船橋競馬場を立ち去ったのであった。

 

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プロフィール

菅野一郎
(かんのいちろう・本名同じ)
「もっと競馬をやりたいな」で、
「第1回Gallopエッセー大賞(2005年)」において、
佳作を受賞。
現在、競馬読み物Webサイト
「WEEKEND DREAM」管理人を務める。
時には厳しく、時には温かく愛情を込めて、「競馬の未来」を語ります。

※「プロフィール詳細・経歴」もご覧ください


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