(独り言)夏の中京競馬場

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先週末の6月30日(土)から
中央競馬の西日本地区における競馬開催は、
中京競馬場が舞台となった。

「夏の中京競馬場」
競馬歴が私とほぼ同じだという方にとっては
懐かしい響きではないだろうか。
私自身もまだまだ「競馬初心者」だった1990年代前半の事である。
当時の宝塚記念は6月上旬に行われていて、
その宝塚記念が行われる阪神競馬場での競馬開催が終わり、
舞台が中京競馬場に移ると「夏の訪れ」を感じたものだった。

この「夏の中京競馬場」だが、
私は現地観戦を2度経験している。
足を運んだのは1994年と1995年の2回。
観戦したレースはいずれも「宮杯」こと高松宮杯だった。
当時は芝2000メートルのG2戦。
でもこの2度の「宮杯」は現在の芝1200メートルのG1戦「高松宮記念」以上に
強く印象に残っている。

1994年の高松宮杯は前年のダービー馬ウイニングチケットが参戦。
有馬記念以来の休養明け初戦だった。
そして翌1995年の高松宮杯は
前年のエリザベス女王杯優勝馬で有馬記念2着馬のヒシアマゾンが参戦。
アメリカから帰国後(現地ではレース直前に脚部不安で不出走)の初戦が
この高松宮記念だった。

いずれの年もこうしたビッグネームの参戦もあって、
当日の中京競馬場は大勢の人が集まった。
そしてウイニングチケットも、ヒシアマゾンも、
1番人気を裏切る結果に・・・。
しかし代わりに先頭でゴールした馬に
場内は大変な盛り上がりを見せた。

1994年の優勝馬はナイスネイチャ。
1991年~1993年の有馬記念で3年連続3着に入るなど、
実力のある馬なのだが、
G2戦でも勝ち切れない不思議な馬でもあった。
だからファンも非常に多い馬だった。
1991年の鳴尾記念以来の勝利に場内は大いに湧き上がった。

1995年の優勝馬はマチカネタンホイザ。
この馬も1992年の菊花賞3着、1994年の天皇賞・春4着などの実績を持つ。
高松宮杯を迎えるまで重賞タイトルも3つ手にしている。
しかし前年の秋はジャパンカップで馬場入場後に鼻出血で競走除外、
続く有馬記念では枠順確定後に蕁麻疹で出走取消と、
G1戦を2戦続けて「不戦敗」となったことが話題となった。
その2戦連続での「不戦敗」から休養を挟んで挑んだこのレースでいきなりの勝利。
中京競馬場のファンは皆、この勝利に驚きの声を上げた。

この高松宮杯というレース。
よく考えると不思議なレースだった。
この7月上旬という時期に行われるこのレースを勝っても、
その先に繋がるレースはない。
それなのにウイニングチケットやヒシアマゾンのようなG1馬や、
天皇賞・春、宝塚記念と春のG1シーズンを戦ってきた馬が参戦する。
どの馬も100%の状態での参戦ではなかっただろう。
しかしG1なら求められる「完璧さ」も、
G2ならば必要とされない可能性もある。
だからこそ見ることが出来た名勝負だったのかもしれない。

7月である。
この2つの名勝負は汗をダラダラ流しながら見たことを覚えている。
高松宮杯は芝1200メートル戦のG1・高松宮記念となって3月に移り、
今の「夏の中京競馬場」にはその高松宮杯に相当するG2戦はない。
中京記念がマイル戦の重賞として最終週に組まれることになったが、
あの高松宮杯とは恐らく異なるものになるのだろう。

それでもこの時期に中京競馬が開催されると
どうしても当時の高松宮杯を思い出してしまう。
今年は無理だけど、
いずれはこの時期に中京競馬場に行くことが出来るような状況に戻らなきゃ。
スタンドもコースも新しくなったのだし。

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プロフィール

菅野一郎
(かんのいちろう・本名同じ)
「もっと競馬をやりたいな」で、
「第1回Gallopエッセー大賞(2005年)」において、
佳作を受賞。
現在、競馬読み物Webサイト
「WEEKEND DREAM」管理人を務める。
時には厳しく、時には温かく愛情を込めて、「競馬の未来」を語ります。

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