(独り言)笠松で引退式はあるのだろうか?

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日頃は中央競馬の馬券しか買わない競馬ファンに
「笠松競馬」をアピールした存在と言えば、
オグリキャップ、ライデンリーダー、
そして引退を発表した安藤勝己騎手だと私は思う。

オグリキャップは1990年の有馬記念を優勝した後に引退。
翌年1月の引退式は京都競馬場と東京競馬場だけではなく、
デビューの地である笠松競馬場でも行われている。
地方からJRAに移籍した馬が
デビューした地方競馬場で引退式を行うのは珍しいことではないだろうか。
同馬の所有者が変わった際にあった取り決めが理由だったようだが、
きっと笠松のファンもこの引退式が笠松競馬場で行なわれた事を、
当然の事として受け止めていたに違いない。

その引退式でオグリキャップの手綱を取ったのが安藤勝己騎手。
当時は笠松競馬所属で、
JRAに移籍する以前の主戦騎手でもあった。
その安藤勝己騎手もオグリキャップと同じように、
2003年に笠松競馬からJRAに移籍している。

安藤勝己騎手も笠松競馬場で引退式を行うのだろうか?
この記事を書いている時点ではそのような発表はない。
そもそも笠松競馬場に通い続けるファンにとって、
安藤勝己騎手とはどんな存在なのだろう?
そんな事をつい考えてしまう。

内田博幸騎手も安藤勝己騎手と同様に、
地方競馬からJRAへの移籍を経験している。
川崎記念が行なわれた30日(水)、
内田博幸騎手は川崎記念以外のレースでも騎乗があった。
その馬は南関東の所属で、
内田騎手は南関東時代と同じ「胴青 赤山形一文字 袖白」の服色で登場した。
JRAに移籍後も彼はこのような形で南関東で騎乗するケースが多い。
もちろん「古巣」への想いがこのような形での騎乗を実現させているのだろう。

そんな内田博幸騎手の姿を喜ぶファンはたくさんいる。
だが一部ではあるが
「この人はもうJRAの騎手だから」
と冷ややかな見方をするファンも実在する。
そのような見方を「悪い」と批判するつもりはない。
「所属を変える」という出来事と
このような感情的な問題はどうしてもセットとなってしまうのだから。

JRAに移籍後の安藤勝己騎手も
「JRA所属騎手」として笠松競馬場で騎乗する機会が何度かあった。
だがその機会は内田博幸騎手ほどは多くはない。
笠松で行われるダートグレードレースがなくなってしまったことも理由の一つだろう。
その笠松競馬場に登場した際も
服色は笠松時代の「胴青、白山形一本輪、袖黄」ではなく、馬主服だった。
もちろんルールなのだから全く問題はない。
だが内田博幸騎手と違い、
「古巣」との間に距離が出来てしまった印象を受けるのは私だけだろうか。
だからこそ「笠松競馬場での引退式」があるのか?
実現しても、ファンがその引退式を受け入れるのか?
どうしても気になってしまう。
内田騎手のケースでも感情的な何かを感じてしまう人がいるというのに・・・。

その安藤勝己騎手がJRAに移籍する際、
中央と地方の「ダブル免許制度」が議論となったことがあった。
当時、武豊騎手が競馬雑誌のインタビューで
「ダブル免許制度が実現したら、平日は大井で騎乗したい」
などとコメントしていた記憶もある。
しかし安藤勝己騎手自身がこの「ダブル免許」を望まなかったこと、
また地方競馬間でも
騎乗できるエリアに制限があるなどの矛盾が指摘されたこともあって、
この議論は自然消滅ということになってしまった。

多くの人が安藤勝己騎手を
「地方競馬からJRAに移籍したパイオニア的存在」と評価する。
私もその評価には同感だ。
だがその安藤勝己騎手の存在を競馬界の「改革」に結びつけることが出来ないまま、
10年の月日が流れてしまった印象がある。

もちろん安藤勝己騎手が悪い訳ではないし、
誰かにその責任を押し付けることは出来ない。
しかしその安藤勝己騎手のケースをきっかけに、
競馬関係者やファンの「所属」に対する考え方を変えることが
出来なかったことだけは事実だろう。

もし笠松競馬場で安藤勝己騎手の引退式が実現しないのだとすれば、
「この10年間、日本の競馬は何も変わらなかった」ということなのかもしれない。
もちろん「変わらなかった」ということを肯定する人もいるのだから、
これ以上は何も言えないのだが。
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プロフィール

菅野一郎
(かんのいちろう・本名同じ)
「もっと競馬をやりたいな」で、
「第1回Gallopエッセー大賞(2005年)」において、
佳作を受賞。
現在、競馬読み物Webサイト
「WEEKEND DREAM」管理人を務める。
時には厳しく、時には温かく愛情を込めて、「競馬の未来」を語ります。

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