(独り言)今の自分でも「オグリキャップ」を狙えただろうか?

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人は歳を取るにつれて涙腺がゆるくなる、
とよく言われる。
私もそうだ。
12日(日)に中山競馬場で思わず涙を流してしまった。

現在、中山競馬場スタンド地下1階にある
「競馬ギャラリー」(4コーナー寄り、42番柱付近)で、
「オグリキャップギャラリー」が開かれている。
内藤律子さんが撮影したオグリキャップの写真パネルや
後藤信夫さんが制作したオグリキャップの銀像の展示。
オグリキャップが出走したレースのVTR放映、
関係者のコメント紹介なども行われている。

私が涙を流してしまったのは
当時のスポーツ紙(コピー)が
展示されているコーナーである。
記事は全て伝説となった1990年の有馬記念、
ラストランの時のものだった。
レース直後に中山競馬場で起きた「オグリコール」などを
各スポーツ紙が伝えている。
もちろんその記事を見ていても様々なことを思い出す。
でも思わず泣いてしまったのはその記事ではない。
そんな「レース後」とは対照的に、
「レース前」のオグリキャップについて伝えられた記事である。


「オグリ悲走 迫力なき最後の追い切り ほど遠い◎武豊」
(スポーツニッポン)

「オグリキャップ神話信じて 悲壮追い切り 頼みは武豊」
(サンケイスポーツ)


天皇賞・秋6着。ジャパンカップ11着。
取材した各紙記者によれば
最終追い切りは「迫力なし」。
この時点でオグリキャップが勝つ姿など
とても想像はできなかった。

もしこの有馬記念が今年2010年に行われるとする。
「競馬初心者」だった1990年当時は
全くのノーマークにしていたオグリキャップを、
2010年の私は馬券の対象に加えることが出来ただろうか?
恐らく出来なかったような気がする。
秋2戦掲示板を外し、
中間の調整でも「不調」が伝えられ、
プラス材料は「武豊への乗り替わり」だけ。
その乗り替わりも
「マッさん(増沢末夫元騎手・元調教師)からユタカじゃ
そんなに変わらないよ」とか言いながら無視していたに違いない。
その意味では競馬好きとして
全然成長していないのかもしれないけど(笑)。

白川次郎アナウンサーが
「さあ頑張るぞ、オグリキャップ」と実況中に叫び、
ゴール後の武豊は左手を上げているのに
「右手を上げた武豊」と大川和彦アナウンサーが
興奮しながら実況し、
大川慶次郎さんはゴール前で「ライアン!」と絶叫、
その後「私などは(オグリキャップに)真っ先に謝らないといけないですね」と
コメントを残す。
フジテレビの中継スタジオでは
鈴木淑子さんが号泣している。
日本中の競馬好きが冷静ではいられなかったあの瞬間、
私は「オグリキャップに負けた」と思った。
当時は買ってはいけなかったがそれでも「勝負」した
オグリキャップ抜きの馬券。
そのオグリキャップの「真の強さ」を考えることが出来ずに、
「勝負」に敗れたのだ。

この時、「競馬って凄いな」と思った。
そのレースでお金を増やしたい人も、
ある馬を応援している人も、
お金を出して馬券を買う。
その事によって結果的に皆、
「勝負」に参加していることになるのだから。
そしてその「勝負」の結果に一喜一憂し、
時には笑い、時には泣く。
オグリキャップが競馬を知るきっかけだった私が
最後にオグリキャップに教えられた
この「競馬の魅力」によって、
私は2010年の今でも競馬場に足を運び続けている。
それはきっとオグリキャップのおかげなのだろう。

そんなメッセージを書いた紙をメッセージボックスに投函し、
「オグリキャップミュージアム」を後にした。
26日(日)、今年も有馬記念を見に中山競馬場に向かう。
「競馬の魅力」を教えてくれたオグリキャップに感謝しながら。

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プロフィール

菅野一郎
(かんのいちろう・本名同じ)
「もっと競馬をやりたいな」で、
「第1回Gallopエッセー大賞(2005年)」において、
佳作を受賞。
現在、競馬読み物Webサイト
「WEEKEND DREAM」管理人を務める。
時には厳しく、時には温かく愛情を込めて、「競馬の未来」を語ります。

※「プロフィール詳細・経歴」もご覧ください


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