(独り言)ライセンス制にすべきでは?

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2週続けて「裁決」の話になってしまう点を
お許し頂きたい。
幸英明の「不服申立て」直後の開催日に
またしても「疑惑の裁決」が下されてしまったのである。
5日(土)の阪神3R(3歳未勝利戦、芝2000メートル)
についてである。
最後の直線走路でイイデジャパンの進路が狭くなったことについて
審議となった。

加害馬は勝った池添謙一騎乗のマルカプレジオと
浜中俊騎乗のフレスコグランド。
マルカプレジオが内から外に、
フレスコグランドは外から内にそれぞれヨレて、
イイデジャパンを挟んでいるように
パトロールビデオでは見える。
この日、阪神で騎乗していた藤田伸二のブログによると、
池添は自ら「アウト」だと思ったらしい。
確かに前週の幸の件と比較して考えると、
「セーフ」であるとはとても思えない。
しかし審議の結果は「失格及び降着馬はなし」
で到達順位通り確定となった。
騎乗した本人が「アウト」だと認めていても、
「セーフ」になってしまう異常事態である。

ところでこの藤田はブログの中で、
興味深い指摘をしている。
こうした一連の問題の本質は
こんなところにあるのかもしれない。

ご存じの方も多いと思うが、
JRAの土川健之理事長は農林水産省からの天下りではない。
JRA生え抜きの理事長なのである。
ここまでは私も知っていたし、
獣医師免許を持っていることも知っていた。
しかし藤田のブログで恥ずかしながら初めて知ったのだが、
彼は元裁決委員なのだ。
経歴を調べると審判部の部長を経験している。
土川理事長もこうしてレースの裁決に関わった経験を
持っていることになる。

こうした裁決に関わるセクションが
JRA内の一つの部署として存在し、
しかも普通のサラリーマンと同様に
人事異動で他の部署から移動してきた人によって
業務が遂行される。
「裁決」というものはそんな簡単なものなのだろうか?
という指摘はこれまでも多くの評論家・メディアによって
行われてきた。
確かにおかしい。
野球やサッカーなどの競技では、
「審判」に関わる仕事をする人間は
ライセンスを持っていなければならない。
つまり「専門職」なのだ。
専門的な知識と技能を身につけ、
資格試験を受けて合格することで
初めて「審判」をする資格が与えられる。
人事異動でその部署に来たから「審判」が出来る、
というシステムは明らかにおかしい。

幸の「不服申立て」に関連して、
裁定委員会に「外部委員」として参加した
岡部幸雄元騎手が、
その役割を果たしていないという指摘がある。
それは岡部氏が「審判」として
独立した存在になっていないという点も
関係してはいないだろうか?
「裁決に騎手経験者を加えるべき」という声に、
「競馬社会の中にいる人間」であるが故に意味がないという
意見がある。
ならば裁決委員を「ライセンス制」にして独立した存在にした上で、
騎手経験者にライセンスを与える、というのはどうだろうか?

そのライセンスを与える機関はJRAではなく、
農水省である方が望ましいと思う。
そしてライセンスを持つ者はJRAはもちろん、
地方競馬の裁決業務も行う。
当然のことだが、
その「騎手経験者」はJRAに加えて、
地方競馬の出身者も対象とする。
そして騎手を中心とする競馬社会からも、
JRAや各地方競馬の主催者からも、
ある一定の距離を置く存在とする。
このくらいの事をしなければ、
一連の問題は解決しないように思えるのだが。

1~2年で急に制度を変えられるものではないだろう。
きっと時間はかかるに違いない。
しかし現状のやり方では
この先も問題は続出するに違いない。
当事者、または当事者に近い立場の人間が、
情報を直接発信できる時代である。
それ故に不信感ばかりが
どんどん増幅されてしまうだけのように思えるのだが。

 

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プロフィール

菅野一郎
(かんのいちろう・本名同じ)
「もっと競馬をやりたいな」で、
「第1回Gallopエッセー大賞(2005年)」において、
佳作を受賞。
現在、競馬読み物Webサイト
「WEEKEND DREAM」管理人を務める。
時には厳しく、時には温かく愛情を込めて、「競馬の未来」を語ります。

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