(独り言)馬を作る
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5月31日(火)、
浦和競馬の平山真希騎手が引退した。
調教師試験に合格、
6月からは調教師に転身することになった。
全国で現役では4人目の調教師ということになる。
浦和競馬場の引退セレモニーを
YouTubeで見た。
平山真希騎手引退式.AVI (YouTube)
想い出のレースとして、
初騎乗の時と初勝利の時、
そして彼女はもう一つ、
「自分で調教した馬で勝った時」を挙げている。
地方競馬において、
騎手は「調教要員」としても大切な戦力だ。
自ら「馬を作る」経験をしている騎手もいるのだろう。
彼女の言葉にふと思い出したことがある。
ある地方競馬所属騎手のご家族から
頂いたメールの内容についてである。
内容としては、
その騎手の師匠にあたる調教師についての愚痴だった。
その調教師は朝の調教に
顔を出すことがないのだそうだ。
その騎手はもちろん朝から厩舎に顔を出し、
厩舎の1頭1頭に乗ってコースに出ていくのだが、
調教師がその場にいない以上、
その日の調教内容についての指示はない。
仕方がないので、
騎手が自分で考えて騎乗する。
彼が新人の頃から、
そんな状況が毎朝続いていたのだとか。
おかげでその厩舎の馬は皆、
彼が馬に乗りながら考えて仕上げられた馬ばかりだという。
そんな厩舎だから、
成績は決して良くない。
その騎手自身もとても一流とは呼べない成績だ。
だがそんな中でも、
時々勝ち星を挙げている。
その厩舎の管理馬で、
彼が調教した馬たちからも勝利を挙げる馬が時々現れる。
きっとその騎手も平山真希騎手と、
同じ経験、同じ喜びを感じているに違いない。
中央競馬と違って、
騎手以外で調教騎乗が可能な人が多くない地方競馬では、
このように「馬を作る」ことに関わっている騎手は
他にも少なくないのだろう。
中にはこうした「馬を作る」面白さや喜びを知る騎手も
多いのではないだろうか?
中央競馬でも、地方競馬でも、
騎手の引退後の進路として「調教師」への道に進むケースは多い。
こうした傾向に「所詮はムラ社会でしか生きていけないのか?」という
批判の声も聞かれる。
だが少し考えてみてほしい。
「馬を作る」ことへの魅力に気がつき、
調教師への道を歩むケースもあるのではないか。
平山真希騎手も、
「馬を作る」ことへの魅力に気がついたからこその
決断だったのかもしれない。
廃止になった地方競馬のある調教師が
こんな事を語っていたのを覚えている。
「自分で作った馬をレースに出走させて、
他の調教師が作った馬に勝つ。
これも競馬の面白さなのですよ。」
これも「競馬の本質」の一つなのかもしれない。
平山真希騎手、いや平山真希調教師の活躍に期待したい。
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