(重賞回顧)2007年第30回帝王賞(大井)~優勝馬:ボンネビルレコード~
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地方競馬には名実況で知られるアナウンサーが各地に存在する。
かつて南関東や金沢競馬などでレース実況を担当していた
及川暁アナウンサーもその一人。
重賞競走などで見せるドラマティックな「サトル節」に引きこまれた
地方競馬ファンは数多い。
しかしその及川アナにとっても、
あのゴール前の光景はきっと衝撃的なものだったのだろう。
「ブルーコンコルド」の「ブル」まで言いかけて、
慌てて「ボンネビルレコードっ!!」と言い直した程なのだから。
馬群の外をマクるように進出し、
直線半ばで先頭に躍り出るブルーコンコルド。
幸英明騎手のレース運びは完璧なものだった。
この時点で既にG1(Jpn1)タイトルは5つ。
前年末には同じ舞台の東京大賞典も制している。
前走のかしわ記念も快勝だった。
誰もがその強さを疑わず、1番人気に支持されたブルーコンコルド。
しかしそのブルーコンコルドの内側をすくうように突き抜ける馬がいたなんて・・・。
そしてその勝ち馬の名前が大井競馬場にいる誰もが耳に馴染んでいるあの名前なんて・・・。
勝負服はいつもの「赤・胴星散らし」ではない。
しかし上下に躍動する独特の騎乗フォームから、
鞍上が的場文男騎手であることはすぐに判る。
その的場文男騎手が騎乗しているのは
この年に大井からJRAに移籍したボンネビルレコード。
これが大井からJRAに移籍後、初勝利だった。
しかも舞台は古巣である大井競馬場。
及川アナは「1日だけ帰って来た」と表現した。
その「帰って来た」ボンネビルレコードの手綱を
南関東で走っていた頃にコンビを組んでいた的場文男騎手が再び取る。
中央所属馬が勝つとため息が出てしまう大井のファンも、
このコンビの勝利に思わず歓声を上げた。
この馬は的場文男騎手が乗らなきゃダメなんだ。
大井時代からボンネビルレコードのレースぶりを見てきたファン達は皆、
この勝利に胸を張った。
大井在籍時にも2005年のジャパンダートダービー(大井)3着や
2006年のJBCクラシック(川崎)で3着に入るなどの実績を残してきた。
強力なJRA勢の一角を崩すことが出来る南関東の1頭として期待していた人にとって、
ボンネビルレコードのJRAへの移籍はショッキングな出来事であったに違いない。
それだけにこうして大井で再び的場文男騎手が手綱を取る日が来るだけでも
嬉しい出来事だった筈。
ところがコンビ再結成だけではなく、
あのブルーコンコルドを破って帝王賞を勝ってしまうなんて・・・。
「やはり背中は手が合います、的場文男ジョッキー優勝!!」
及川アナのこのフレーズを頷きながら聴いていた人が
この日の大井競馬場にはたくさんいたことだろう。
2007年6月27日(水)
大井11R
第30回帝王賞(Jpn1)
大井・ダート2000メートル
1着8枠14番ボンネビルレコード(JRA・57・的場文) 2分4秒3
2着5枠 8番ブルーコンコルド(JRA・57・幸英明) 1 1/2
3着4枠 6番サンライズバッカス(JRA・57・安藤勝) 1 1/4
4着2枠 3番チャンストウライ(兵庫・57・下原理) 1 1/2
5着7枠12番シーキングザダイヤ(JRA・57・武豊) 1/2
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