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(重賞回顧)2010年第23回マイルチャンピオンシップ南部杯(盛岡)~優勝馬:オーロマイスター

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4コーナーで驚きの声を挙げた人は多かったのではないか。
セレスハント、オーロマイスターに加えて、
外からマクったグランシュヴァリエまでもが
エスポワールシチーの前にいたのだから。

直線に入り、セレスハントは脱落したが、
オーロマイスターが抜け出して先頭に。
単勝オッズ1.0倍の1番人気を背負ったエスポワールシチーだが、
そのオーロマイスターとの差をなかなか詰めることが出来ずにいる。
それどころか、高知から長距離輸送の末に参戦してきたグランシュヴァリエが
併せ馬のような形に持ち込もうと競りかける。
こんなエスポワールシチーを見ることになろうとは・・・。

グランシュヴァリエを何とか突き放したエスポワールシチーだが、
2着を確保するのが精一杯だった。
単勝オッズ20.2倍のオーロマイスターが先頭でゴール。
グランシュヴァリエも3着に粘り込み、
3連単は130万円を超える波乱となった。
なんとワイドでも5万円台の払戻金が出現。
「堅くてもエスポワールシチーで仕方がない」という、
大方の予想が完全に覆される結果となった。

エスポワールシチーはどうしたのか?
ゴールの瞬間にそんな疑問・不安を抱いた人は多かっただろう。
しかし勝ったオーロマイスターの吉田豊騎手と
3着に粘ったグランシュヴァリエの阿部英俊騎手(岩手)は、
エスポワールシチーという絶対的な存在に対して
臆する様子を全く見せない騎乗ぶりだった。
そしてそんな彼らの姿勢がもたらした大波乱のように私には思えた。

競馬は実力馬1頭だけで成立するのではない。
その実力馬と戦う馬がいて、初めて「競馬」となる。
しかし、ただ相手として出走するだけではない。
出走するからには勝ちたい。
勝ちたいからこそ、実力馬に対して真っ向勝負を挑む。
遠慮する必要など全くない。

オーロマイスターはその後、勝ち星を挙げることはなかった。
グランシュヴァリエも以降のダートグレードレースでは
馬券対象とはなっていない。
2頭ともこの時に見せた走りが一世一代のものだったのかもしれない。
「競馬」はそんな厳しくて激しい戦いでもある。
盛岡の結果に日本中のファンが驚かされた1日となったが、
同時に「これが競馬なのだ」と再認識させられた1日でもあった。

 

2010年10月11日(月・祝)
盛岡10R
第23回マイルチャンピオンシップ南部杯(Jpn1)
盛岡・ダート1600メートル

1着8枠11番オーロマイスター(JRA・57・吉田豊) 1分34秒8
2着3枠 3番エスポワールシチー(JRA・57・佐藤哲) 3
3着5枠 6番グランシュヴァリエ(高知・57・阿部英) 2
4着2枠 2番メイショウバトラー(JRA・55・幸英明) 1 1/4
5着6枠 7番バーディバーディ(JRA・55・松岡正) 3 

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