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(独り言)その日はきっとやってくる

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3コーナーから坂を下り、
ロンシャン競馬場名物・フォルスストレート入り口付近までの区間、
アヴェンティーノの馬上からオルフェーヴルの位置を確認する
アンソニー・クラストゥス騎手の姿に気がついた人は多かっただろう。
彼はその手前でも何度も後ろを振り向いて、
オルフェーヴルの位置取りを確認していた。
そしてフォルスストレートに入ったところで
「自分の仕事はここまで」とばかりに馬群から離れるように外に膨らみ、
オルフェーヴルを先に行かせる。

日本でこんな騎乗をすれば、
間違いなく制裁の対象となるだろう。
だがここはフランスだ。
そんな「連携プレー」もOKなのだ。
アヴェンティーノの存在は、
オルフェーヴル陣営が日本・フランス間の競馬における相違点を
意識した準備をしていた事を象徴している。

凱旋門賞というレースはこれまでも
数多くの日本調教馬・日本人ホースマン達が挑戦し、
「世界の壁」に跳ね返される結果を繰り返してきた。
オルフェーヴル陣営はこれまでの日本調教馬陣営以上に
入念な準備をした上で凱旋門賞に挑んでいたに違いない。
アヴェンティーノという帯同馬に
日本でも経験のない「連携プレー」の役割を要求し、
オルフェーヴルの鞍上をデビュー戦から手綱を取り続けた池添謙一騎手から
ロンシャンのコースと凱旋門賞というレースを知り尽くした
クリストフ・スミヨン騎手に変更する。
これまでの挑戦では行われていなかった試みが
他にも色々あったに違いない。

しかし結果は2着。
ここまで準備しても勝てないとは・・・。
勝つための手順をこんなに踏んでも「世界の壁」を乗り越えることが出来ないとは・・・。

レースを見ていて、思わず涙が出そうになった。
でも現地で戦ったスタッフの方々は我々以上に悔しかったに違いない。
これ以上、何を準備しなければならないのだろう?
そんな想いを抱いた人もいるのかもしれない。

だが競馬はまだ続く。
凱旋門賞は来年も行われる。
新たに挑戦する日本調教馬・日本人ホースマンも現れることだろう。
我々はその挑戦を見守り続けることしか出来ないが、
見守り続けることがきっとその挑戦を後押しすることになるに違いない。

その日はきっとやってくる。
日本調教馬が凱旋門賞を勝つ日は必ずやってくる。
そう信じて、競馬を見守り続けたいと思う。

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