トップページへ

(独り言)日本の競馬が変わってしまった

気ままな競馬ノート » 02)独り言 » (独り言)日本の競馬が変わってしまった

今年のジャパンカップも2年前と同様に「裁決問題」がクローズアップされる結果となった。
「裁決問題」というものはどうしても後々まで尾を引いてしまうものである。

池添謙一騎手をはじめとするオルフェーヴル陣営によるレース後のコメントに対して、
批判的な見解がネット上で語られている。
彼を擁護するつもりはない。
だが競馬界における「政治的視点」で考えると、
あのコメントは関係者向けのアピールであったに違いない。
「あの不利がなければ勝っていたのは自分だ」と主張するのは
「次」も池添騎手が手綱を取り、
栗東・池江泰寿厩舎が調教を担当する上で、
必要だったということなのだろう。

このレースではレッドカドーのジェラルド・モッセ騎手も
フェノーメノとトーセンジョーダンの進路の取り方について走行妨害を主張し、
申し立てを行なっている。
パトロールビデオを見る限り、
モッセ騎手の申し立ても着順が変更になるレベルとは思えない。
だがモッセ騎手としては自らが不利を受け、
「本当はもっと上の着順を手にすることが出来た筈だ」と主張しなければ、
彼も「次」がなかったのかもしれない。
その意味でこの申し立ては池添騎手のコメントと同様だろう。
ファンに対する印象は良くない。
言葉は悪いが「負け惜しみ」「言い訳」だと受け止める人もいるだろう。
だがそんな主張をしなければ、
競馬社会で「騎手」として生きていくのが難しいのかもしれない。
難しい時代になったものだ。

パトロールビデオを何度も見た。
YouTubeにアップされていた、レースを上空から見た映像も見た。
ジェンティルドンナの岩田康誠騎手にとって、
自分が勝つ為にはあの選択肢しかなかっただろう。
ビートブラックがまだ逃げ粘っていた時、
外にはオルフェーヴルという「壁」が出来ていた。
馬の癖なのか、
オルフェーヴルはジェンティルドンナに対して幅寄せしているようにも見える。
そのオルフェーヴルを先に行かせ、
自分はビートブラックを交わしてから追い込んでいたのでは手遅れだ。
オルフェーヴルに体当たりしてでも自分のスペースを確保するしか術はない。
岩田騎手としては騎乗停止処分も覚悟した上での判断だったのかもしれない。

もしこのレースがG1ではなかったら、
岩田騎手は同じ判断をしただろうか。
条件クラスの競馬で「騎乗停止も覚悟」という乗り方をしただろうか。
このレースがG1、しかも国内最高峰のジャパンカップだったからこその
判断だったということではないのか?
来年からのルール変更で、
「降着なし、騎手は騎乗停止」というケースが増えることが予想される。
ということは今回の岩田騎手のような判断をする騎手が
G1レースの度に出現する可能性もあるということなのかもしれない。

池添謙一騎手、ジェラルド・モッセ騎手、そして岩田康誠騎手。
今回のジャパンカップにおいてこの3人の騎手は
結果的にこんな事を教えてくれたのかもしれない。

-日本の競馬は変わってしまった-

いや「変わってしまった」などと、
ネガティブに受け止めるべきではないのかもしれない。
もしかすると海外は以前からそんな傾向であり、
日本の競馬もようやく「世界標準」になったという見方もあるのだろうし。
でもその変化は果たして肯定的に受け止めるべきものなのだろうか?
そんな疑問に対し、私はまだ「YES」とも「NO」とも言えずにいるのだけれど。


« 前の記事へ

次の記事へ »

トップページへ

ツイート
mixiチェック

メインサイト「WEEKEND DREAM」はこちら 株主優待を使った生活