[競馬ニュース]奇策にも動じず、ジャンプ重賞8連勝!!オジュウチョウサンが中山大障害を制す
「さあ、前王者か?現王者か?」ラジオNIKKEI・山本直アナウンサーがこう叫んだのは、23日(土・祝)の中山10R中山大障害(J-G1)で、前を行く2頭が最終障害を飛越して、障害コースからダートコースを横切り、4コーナーから最後の直線に入る手前だった。「前王者」とはアップトゥデイト(2番人気)、「現王者」とはオジュウチョウサン(1番人気)のことである。
2015年のこのレースを制したアップトゥデイトはこの年、中山グランドジャンプも制しており、国内のジャンプレースではNo.1の存在だった。しかしその後、その座をオジュウチョウサンに奪われる。昨年の中山グランドジャンプと中山大障害、そして今年の中山グランドジャンプはオジュウチョウサンが勝利している。
アップトゥデイトの手綱を取る林満明騎手にとって、オジュウチョウサンからNo.1の座を奪い返すには、この方法しかない、という判断だったのだろう。ハナを奪いに行くと、そのまま、後続に大きな差を広げて逃げる展開となった。この奇策に、中山競馬場は騒然となる。
だが、最終障害付近でその差は詰まった。そして2頭は最後の直線で並び、激しい叩き合いに。そして最後はオジュウチョウサンが体半分だけ前に出る形で、先頭でゴール板を通過した。勝ちタイムの4分36秒1は、中山・障害・芝4100メートルのコースレコードを更新するものとなった。従来のレコードタイムは1991年にシンボリモントルーがマークした4分37秒2。26年ぶりに大障害コースのレコードタイムが塗り替えられた。3着にはルペールノエル(5番人気)で、シンキングダンサー(3番人気)は4着だった。
勝ったオジュウチョウサンはステイゴールド産駒の6歳牡馬。これで昨年の中山グランドジャンプ、東京ジャンプS、東京ハイジャンプ、中山大障害、今年の阪神スプリングジャンプ、中山グランドジャンプ、東京ハイジャンプに続いて、ジャンプ重賞8連勝となった。J-G1タイトルは4勝目となる。鞍上の石神深一騎手は、この8連勝全てで同馬の手綱を取っている。
同馬の全兄ケイアイチョウサンは、2013年のラジオNIKKEI賞を制している。