[日記]競馬場で私が違和感を覚える光景

前日付で書いた、テレビ朝日系列の貴乃花親方へのインタビュー番組について、もう少しだけ。この番組だけではなく、以前から語られていた話ですが、貴乃花親方は弟子たちに対して、他の部屋の力士とは原則として飲食を共にするな、と指導していたとのこと。確かに、場所中に戦う相手ですからね。リスペクトは大切ですが、限度を超えると両者の「真剣勝負」というモノに対して、疑いの眼差しを向ける人もいるでしょうし。私もこの考え方には賛成です。

ここから先は私個人の意見ということでひとつ。JRAの競馬場で私がいつも違和感を覚えてしまう光景があります。私が競馬初心者だった頃にはなかったのですが、どうやら10年ぐらい前から慣習になってしまったようなのですが・・・。

ある騎手が区切りの勝利、つまり「JRA通算○00勝」を達成したとします。レース後のウィナーズサークルでは、口取りの後、その騎手がお立ち台に立ち、ターフィーのぬいぐるみを手にしながら、ラジオNIKKEIのアナウンサーからインタビューを受けるのですが、後ろにはゾロゾロと他の騎手達の姿があります。その内の一人は「通算○00勝」と書かれたプラカードを持ち、ニッコリと・・・。私はあんな感じで後ろにジョッキー達が集まる慣習が理解できません。

その「通算○00勝」の中には、プラカードを持っている騎手も騎乗していたレースもあるのです。そのプラカードを持っている騎手は、そのレースで負けているのです。でもそのレースでプラカードを持っている騎手絡みの馬券を買っていたファンもいるのです。そう考えた時、あの光景は複雑なモノに見えてしまう人もいるのではないでしょうか。「ニヤニヤするんじゃねーよ!!」と野次りたくなる人もいるでしょうし、「ホントにあの時(その対象となるレースはひとりひとり違うでしょうけど)、お前ら、真剣勝負をしてたのか?」と疑問を抱く人もいるでしょう。

相撲と同様に、その勝利やその記録に対して、リスペクトすることは悪いことではありません。むしろ、正しいことでしょう。でも、限度というモノがある筈です。ゲートが開けば、先輩も、後輩も、友人もないのですから。必要以上に「お友達同士」の雰囲気をアピールするのは、「先輩も、後輩も、友人もない」という戦いが存在しているのか、どうか、疑問を抱く人もいるのではないでしょうか。

最終レース後に行われる「ファンと騎手との集い」のような場なら、まだ理解できるのですよ。あるいは引退する騎手を胴上げするような場なら問題ないと思います。レースの勝ち負けとは無関係ですから。でも「通算○00勝」みたいな場所なら、まだその勝ち星に追いついていない騎手は悔しがるべきだし、先に達成した騎手なら「追い越されないようにしなければ」と気を引き締める瞬間とすべきだ、と私は思うのですけどね。

前日付で「木刀事件」について少しだけ触れました。事件そのものはトンデモナイ話ですが、当時、ひとつだけ安心したことがあります。それは、あの事件における当事者2人の間には、前の晩の調整ルームでの談合や勝ち星の貸し借りなどというモノは存在しない、ということがはっきりした、ということでした。こういう形で「ガチ」であることがわかる、というのもいかがなものか、とは思いますが、ある意味でスッキリしたことも確かです。2003年の天皇賞・秋はガチ過ぎましたけどね(笑)。「ケンカしろ!!」とは言いませんが、それぞれがこうした関係性の中で戦っている競馬の方が、私は魅力的に思えます。

もちろん、ご意見は色々あるでしょう。繰り返しになりますが、ここまで書いたのは私自身の個人的な意見ということでひとつ。

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