[日記](書評)「競馬妄想辞典 言いたいのはそこじゃない」(あおぞら書房)

本日の日記は書評です。スポーツニッポン関西版や週刊競馬ブックのコラムでお馴染み、乗峯栄一さんの本をご紹介しましょう。

 

乗峯栄一さんが前述のスポニチ関西版や週刊競馬ブックの他、スポーツナビなどで書かれたものと、この本の為に新たに書かれたものを加えた「競馬コラム集」とでも表現すべきでしょうか。長年書かれた競馬関連のコラムが、乗峯さん流の社会学、生物学、物理学、歴史学、文学、心理学などの視点を基にカテゴリー分けされ、それぞれの角度から見た「競馬」が語られています。

私は他の人と比べると、1冊の本を読み終える時間が比較的短い方ではないかと思っています。しかし、この本は読み終えるのに時間がかかってしまいました。理由は2つあります。

乗峯さんのコラムは、一見すると競馬とは全く無関係な話から始まりつつも、最後はしっかりと競馬と結びついた内容となります。この競馬と無関係な話も非常に興味深いのです。雑学博士というか、さすが作家さんというか・・・。この競馬とは無関係な話をしっかりと理解しつつ、読み進めると、「なるほど」と思ってしまったり、思わず吹き出してしまったり、「コラッ!オッサン!!(乗峯さん、スミマセン)」と本に向かって突っ込んでしまったり、とにかく楽しい時間を過ごすことができる内容となっています。この本を読む時は、とにかくゆっくりと読み進めることをオススメします。だから、読むのに時間がかかってしまいました。

読み終えるのに、時間がかかってしまった理由がもうひとつあります。競馬をよくご存知ない方の為に(?)、本文の下に競馬用語などについて注釈が書かれているのですが、この注釈が乗峯さん流の解説となっていて、なかなか楽しめるのです。一通り最後まで読んだら、今度は注釈だけを最初から読む、というのも、この本の楽しみ方かもしれません。

「この本を読めば、馬券が当たる」などという内容ではありません。しかし、時々「言われてみれば・・・」という話もあったりします。例えば、

-JRAは払戻機にどうして「おめでとうございます」を言わせないのか?
「この投票券は的中していません」は、あれほど大きな声で言うのに。-

なんて、おっしゃる通りですよ(笑)。競馬歴が長い人ほど納得できたり、「これ、オレも経験あるぞ!!」などと共感してしまったり・・・。馬券が当たらず、落ち込んでいる時に読むといいかもしれません。荒んだ心が癒やされたような気持ちになれるかも・・・(笑)。

個人的には、乗峯さんが大阪の定時制高校で教師をされていた時(何故か野球部の監督だったそうです)の話と、ギャンブル依存症の話はツボでした。そして、私も一度だけお会いしたことがある(そして、何故かJR栗東駅近くのお住まいにお邪魔したことがある)、元調教助手の小林常浩さんの話にあの時を思い出してしまったりなんかして・・・。お時間がある方は手にしてみてはいかがでしょうか。

 

 

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