[日記](書評)「サラブレッドと暮らしています。」
サイトリニューアルをしてからは、初めての書評です。書評そのものが久しぶりですね。こちらの本をご紹介したいと思います。
地方競馬全国協会(NAR)の公式サイトや園田・姫路競馬の公式サイトでも取り上げられています。
書籍『サラブレッドと暮らしています。』園田競馬場で発売開始!(11/1)(NAR公式サイト)
書籍「サラブレッドと暮らしています。」について(園田・姫路競馬公式サイト)
リンク先にも書かれている通り、園田競馬場でも手に入るそうですが、私はタブレット端末のKindle無料アプリを利用して、電子書籍版を入手しました。
作者の田村正一さんは園田競馬場の厩務員さんだそうです。厩務員という仕事について、そしてその仕事を通して見た「馬」「競馬」について、漫画で紹介されています。第1話の冒頭部分では、
-僕の仕事は朝が早い-
-本日は午前1時起床 朝が早いってゆーか もはや夜勤ですね-
-職場までは徒歩10秒 僕の家の1階には-
-サラブレッドが住んでいる-
といった感じで、ご自身の仕事をコミカルに紹介されています。重労働ですし、辛いことや苦しいことも毎日ある筈なのですが、そんな様子も含めて楽しく、そして面白可笑しく表現されています。恐らく、読み進めていくうちに、厩務員の仕事に興味を持って「私も厩務員になりたい」と思う方もいるのではないでしょうか。そんな感覚で読み進めることができる作品です。
そんな楽しくて、面白くて、思わず吹き出しそうになってしまうお話(もちろん実話です)が満載なのですが、最後の所でその作品の流れが大きく変化します。とても悲しく、重いお話に直面します。ネタバレになってはいけませんので、詳細は書きませんが、涙なしには語ることができないお話です。私もこのお話を見ながらウルッとしました。でもそれは単に悲しいだけではなく、深く考えさせられるテーマでもあり、田村さんはそんなテーマを我々に突き付けます。
田村さんが投げかけたテーマに対して、私は自分の意見を言える立場にはありません。しかし、こんなことを感じました。この本の存在を初めて知った時、タイトルである「サラブレッドと暮らしています。」の「暮らしています」という表現は、本のタイトルとして、多くの人の興味を集めることが目的なのだろうな、としか思っていませんでした。でも最後まで読み終えた時、「暮らしています」と言える人だからこその感性というか、感情というか、そういったものが存在していることに気付かされます。
田村さんと同様に「暮らしています」と言える立場の方々が、これを読むとどう思われるのか、非常に興味があります。そんな方々でウチのサイトをご覧の皆様、よろしければ、ご意見をお聞かせ頂けないでしょうか?