[コラム]ダミアン・レーン騎手に学べ!!
新潟大賞典をメールドグラースで制したダミアン・レーン騎手に注目が集まっている。
今回が日本では初めての騎乗だった。初日となった4月27日(土)の東京競馬こそ未勝利だったが、翌28日(日)には同じ東京で4勝を挙げ、29日(月・祝)には新潟でG3勝利である。最初の3日間で5勝を挙げたのだから、評価されなければならないだろう。
「騎乗馬に恵まれただけじゃないのか?」という声もあるかもしれない。確かに、27日(土)と28日(日)の東京は6鞍ずつ騎乗していたから、「恵まれていた」という見方もあるのかもしれない。
だが、この東京での12鞍のうち、単勝1番人気は28日(日)東京7Rのブレイブメジャー(1着)だけである。メインレースに重賞が組まれ、リーディング上位騎手が集まった29日(月・祝)は、新潟大賞典のメールドグラースを含めて僅か2鞍だった。そのメールドグラースも単勝オッズ15.8倍の7番人気だった。こうした視点で見ると決して「恵まれている」とは言えない中での5勝、そして重賞勝利だったと言っていいだろう。
1994年生まれの25歳と、日本なら「若手」の部類に入る年齢である。Twitterで「日本にいる同じ25歳の騎手は何をやってるんだ!!騎手としての技量が全く違うじゃないか!!」というツイートを見かけた。今のJRAは外国人騎手ばかりが目立つ状況だけに、そんな声が出てくるのも当然かもしれない。
そのダミアン・レーン騎手から、日本の競馬界は学ぶべき点があるのではないか?と言っても、その技術を学べということではない。彼がオーストラリアで騎手免許を取得してから今日までの歩みを学べ、ということである。
オーストラリアではどんな環境下(馬主、調教師など)で騎乗しているのか?
エージェントとの関係は?
どんなキャリアを経た上で、騎乗馬が集まるようになったのか?
こうした視点でチェックしていくと、日本の若いジョッキーたちを一流に育て上げる上でのヒントが見えてくるのではないだろうか。もちろん、オーストラリアと日本では、競馬における制度の違いはあるだろう。だが、日本の競馬にも応用できる部分があるのではないか。あるいは、日本の事情にも合った制度変更を図る上で、参考になる部分があるのではないか。
ダミアン・レーン騎手がまだ25歳という年齢だからこその話である。単に外国人騎手の活躍を嘆くのではなく、そのダミアン・レーン騎手から日本人騎手の育成に関するヒントを得ることも、日本の競馬界にとって有益なことではないだろうか?