[コラム]競馬好きの一人として、申し訳ない気分になる時
中央・地方問わず、競馬場には様々な記念碑が存在する。恐らく、全国の競馬場にある記念碑の中でも、見た目が最もカッコいい記念碑がある競馬場と言えば、船橋競馬場ということになるのではないだろうか。
但し、その記念碑はコレである。
「オートレース発祥の地」という記念碑である。1950年に船橋競馬場内にオートレース専用走路が出来たことから、船橋競馬場は「オートレース発祥の地」と呼ばれている。
だが、ご存知の方も多いだろう。既に船橋オートレース場はこの世に存在しない。2016年に船橋オートレース場は廃止となっている。
船橋オートレース場が廃止となったのは2016年。その前年の2015年、船橋オートレース場のすぐ近くにある船橋競馬場は歴史的転換期を迎えていた。ナイター競馬「ハートビートナイター」が始まったのである。
競馬場でナイターが始まったタイミングとオートレース場が廃止になったタイミング。ニアミスをしているように思えてならない。もちろん、双方の関係者は否定するだろう。ナイター競馬の開始とオートレース場の廃止には、全く関連性はないということになっている。
でも、本当にそうなのだろうか?船橋オートレース場の廃止というニュースを耳にした時、何となく競馬好きの一人として、オートレースが大好きな人達に対して申し訳ない気分になったことを覚えている。考え過ぎなのかもしれない。だが、もし反対にオートレース場がグレードアップしていて、その代償として競馬場が廃止になったとしたら・・・。そう考えると、多少なりとも罪悪感というか、後ろめたさを感じる自分がいる。
船橋オートレース場がまだあった頃、船橋競馬所属騎手がオートレース場に登場し、競馬場のPRイベントを実施していたことがあった。競馬場とオートレース場は、そんなお互いが間柄的存在だった。だからこそ、複雑な心境である。競馬とオートレース、競技は違うが同じ公営競技、公営ギャンブルなのだから・・・。